マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】栗原康『G8サミット体制とはなにか』(以文社 2008年)

2008 洞爺湖
マクドナルドのスマイル
「世界秩序」
グローバル・ガバナンス(地球統治)
IMF 世界銀行 WTO


第一章 世界政府 サミット
新自由主義5本の柱
1.輸入農産物の自由化(関税障壁の撤廃など)
2.公共部門の民営化(鉄道、郵便、医療、水道、教育に民間企業が参入)
3.労働の柔軟化(労働法制の基準緩和、非正規雇用の推進)
4.規制緩和(資本規制、安全基準、環境規制などの緩和)
5.警察国家化(テロ対策、移民管理の強化)
・サミットに参加する国々は、IMF世界銀行自由貿易協定などを通じて、世界を新自由主義へと方向づけてきた
・世界は多国籍企業の利益を優先し、大多数の人びとを貧困におとしいれる方向に突き動かされてきたといえる
・1970年代後半から、IMF世界銀行は関税障壁の撤廃、民営化の名のもとに、新自由主義政策を普及させていった
・フィリピンの水道事業民営化→外資多国籍企業)料金5倍、7倍
・現在28億の人が1日2ドル以下、そのうち12億人が1ドル以下で生活
・現在ではわずか200社から300社の多国籍企業が、世界資本の約4分の1、世界貿易の約70%をコントロールしている。
・年収総額Top1%=下位57%と同じ
・「テロ対策」
・今日の戦争は、グローバル化した経済体制の治安管理という側面が強い
・G8サミットの目的は、「貧困問題」「環境問題」の解決にあるわけではない。むしろ、産業界の要求を超国家的な枠組のなかで合意することによって、各国で企業の経済活動に根本的な損害をあたえるような「貧困問題」「環境問題」の解決策がとられないように、相互監視することを目的としている。 
・メキシコ チアバスの民衆蜂起 1994年
 
第二章 サミット体制の成立
ブレトンウッズ体制(1945-73)|サミット体制(1973-)
国民国家の主権|グローバルな主権(サミット、IMF世界銀行WTO
固定相場制|変動相場制
管理された自由貿易体制=保護主義の許容(国内産業の育成、資本規制)、ケインズ主義|むきだしの自由貿易体制=貿易の自由化、多国籍企業の保護、金融の自由化、新自由主義
国際分業、南北問題|新国際分業、新植民地主義の再編強化
OPEC 石油ショック
第二次世界大戦後、旧植民地は独立国となったが、旧宗主国によって経済的にコントロールされる新植民地主義の時代に入った。
ニクソンショック=「資本の自由化」
・サミットで主張される「保護主義の撤廃」とは、実のところ、先進国の巨大企業の利益を守る政策にほかならない。サミットは第三世界の市場を開放させることによって、先進国の利権を温存する保護主義を推進してきたのである。
・先進諸国はサミットという調整機構を通じて、資本にたいする国家の主権をグローバルな市場にゆだねていった。多国籍企業の活動が展開するなかで、世界秩序はサミット体制に移行していったのである。
・これにたいして、先進国側は世界銀行の資金援助を通じて、第三世界の政府、官僚を取り込もうとしていた。
・第二次石油ショックは冤罪。
IMF 構造調整(SAP)プログラム
新植民地主義とは、独立国となりながらも、国際貿易を通じて、旧植民地が旧宗主国に従属させられる状態
・国連にも拘束されることのない文字どおりの山頂(サミット)
・2005年 中国 反日デモ
 
第三章 第三世界新自由主義
・チリ ピノチェト将軍 CIA 米大企業 シカゴボーイズ
ロバート・マクナマラ 世界銀行総裁 
・構造調整政策(SAPs)=財政規律
・一言でいえば、構造調整とは第三世界の国々に強制された新自由主義プログラム
・短期政策(ショック療法)
1.教育、医療の有料化
2.生活必需品への補助金の打ち切り
3.公共支出の削減
4.現地通貨の切り下げ
5.金利の引き上げ
→全然効果がない。むしろ逆効果。
>>借金させて、ソープに沈めるやくざと同じ<<
・長期政策(構造改革
1.輸出志向経済
2.関税障壁の撤廃
3.経済の自由化(資本移動規制、為替規制の撤廃)
4.付加価値税(VAT)の導入
5.公共部門の民営化
・農産物の特化→食料自給率の低下
多国籍企業は一度市場を独占したら輸入品の価格をつり上げてしまう
・不平等を助長する課税システム
・税制が貧困層に不利益をもたらすものへと転換させられた
・民営化→超低価格で多国籍企業に売り飛ばす
・構造調整政策(SAPs)とは強制的な新自由主義プログラム
ラテンアメリカとアフリカ
ソマリア タイ アジア危機
>>世界システム論の周辺化 ブローデル<<
・IT化→資本移動の自由化
デリバティブ金融派生商品 先物 オプション)
外国為替市場 一日の取引額 70年代 150億ドル→95年1兆3000億ドル 100倍
・グローバル市場で取引される金融資本総額 80年 5兆ドル→92年 35兆ドル
・金融市場が実体経済から完全に乖離
・資本家たちがゲームをおこなう巨大な貨幣のプール。
・一日に何兆もの資本が利子を求めて世界中を駆けめぐる。
・銀行監査に関するバーゼル原則
 
第四章 G8諸国の新自由主義
・2005年10月フランス暴動
・イギリス 75-76年 IMF介入 労働党の崩壊
サッチャリズム ハイエクの信奉者
>>もし地球が温暖化したら、それはラッキー<<
・「小さな政府」
・炭鉱労働組合を徹底的に叩き潰す 赤のレッテル貼り
法人税50%→35%
所得税累進の廃止 VAT8→15%
フォークランド紛争
・日本 所得格差 80年代から20年で10倍
・64年IMF8条国 OECD加盟 85年プラザ合意
>>悪貨は良貨を駆逐する、食料品も<<
電電公社 日本専売公社日本国有鉄道
・2005年建築基準法改正 イーホームズ
・2005香港WTO 韓国の抗議団
>>オーガニックカフェに新自由主義者が金を落とす構図 糸井重里的欺瞞 ソトコト的欺瞞<<
新自由主義への激しい怒り
・群衆 ネグリ
ブックリスト
ネグリ=ハート 帝国
ミシェル・チョスドフスキー「貧困の世界化―IMF世界銀行による構造調整の衝撃 」
ナオミ・クライン
矢部史郎
白石嘉治
10/27読了