マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

パースペクティブ 3回目 アノミー

無縁社会 2010年
「話し相手がいないのはこんなに辛いのかとわかりました」
非正規労働 単身化 生涯未婚
 
1.
近代 個人主義化→エゴイズム的自殺 意味の病
コミュニティ 学校 会社 家族
中間集団の再建
 
アノミー 欲求の肥大化/欲望の無限化
社会の産業化は、伝統的規範を壊し、人びとの欲求を過度に刺激し、欲求の肥大化を促進する→不幸になる
こうして近代社会ではアノミーが「常態」となる。
 
2.欲望の無限化
永続的な欲望追求
欲望が不在の対象へと拡散
アノミーの主体:不在の対象を夢見て空虚の中に生きる
 
3.産業化と欲望の無限化
①あらゆる社会には「自己犠牲の精神」、「進歩への愛着」、「個人化への好み」という3つの潮流がある
②産業界を支配する「進歩と完全性の道徳」はアノミーと不可分
・進歩が「義務」とされれば、欲望は絶えずその限界を超えなければならない:アノミーの常態化
・「産業は、それに優越したある目的のための手段とはみなされず、個人と社会の至上の目的となった。こうして産業によりあおりたてられた欲望は、それを制限していたいかなる権威からも解放された」
・「進歩を、それも可能な限り急速な進歩を強調する説が、一つの信仰箇条になってしまった」
③個人が産業社会の価値を内面化
→「進歩と完全性の道徳」を基準に行為を展開「到達した点をたえずのりこえる」
→無限回の欲望追求:欲望の無限化
 
欲求の肥大化:規範の内面化の不十分さから生じる「個人的アノミー
欲望の無限化:進歩という価値基準の内面化にともなう「社会的アノミー
アノミーは欲望の無規制というより、欲望の強制→消費社会論
ラカン「享楽の法」
 
4.暴力的情動
自己への放出=自殺/他者への放出=他殺
秋葉原事件
不特定多数を狙う殺人の共通点 「拡散した怨恨」「自殺願望」「自己顕示」「演劇化」
正規雇用 承認の欠如 → SNSへの依存 → 孤立
世俗的価値観への囚われ 不満と怒り
産業社会の価値
「幸せそうな人々」の幸福を破壊したい
階層化された社会への怨恨