マラカスがもし喋ったら

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自民党改憲草案

安倍首相は今回の選挙で「憲法を争点にしないと言っていない」と発言している。自民党改憲草案で気になるポイントを列挙してみる。
日本国憲法改正草案(現行憲法対照)自由民主党 平成二十四年四月二十七日(決定)
https://www.jimin.jp/poli…/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
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前文
「国と郷土を誇り」「国を成長させる」「伝統と国家を末永く子孫に継承するために憲法を制定する」
第一条 天皇 象徴→元首
第三条二項 「日本国民は、国旗及び国家を尊重しなければならない」新設
第四条 元号 新設
第二章 戦争の放棄→安全保障
第九条 自衛権の明記
九条二項 国防軍の創設 
三項 「国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。」
 
第十二条 「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。」
十三条 公共の福祉に反しない限り→公益及び公の秩序に反しない限り
第十九条 侵してはならない→保障する
第二十条 宗教団体の政治上の権力の行使の禁止→削除
三項 社会的儀礼又は習俗的行為に関しては特定の宗教の教育、活動を認める
第二十一条 表現の自由 公益及び公の秩序を害する表現活動、結社は認めない
第二十四条 「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は互いに助け合わなければならない。」 新設
第二十八条二項 公務員は組合活動を制限する可能性がある代わりに、勤労条件を改善しなければならない 新設
第六十四条 政党は不可欠の存在 新設
第七十一条三項 内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する 新設
 
第九章 緊急事態 新設
第九十八条 事後承認も可
第九十九条 内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる
三項 「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、
身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。」
第九十七条 丸々削除。
第九十九条 →新百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
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一言でいえば、これが採用されれば、個人主義から国家主義全体主義)に大きく針が振れる。
 
自分は、現行憲法を捨てて、自民党草案を採用することは、野球に例えれば、イチローを放出して、松本啓二朗を後釜に据えるようなものだと思っている(松本啓二朗に他意はない)。詳しくないが、車に例えれば、レクサスを捨てて、ダイハツ・ミゼットに乗り換えるようなものだと思っている。
 
9条2項の国防軍、99条の緊急事態条項などが大きなところだが、
個人的には、草案第21条2項の追加と、現行97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」 
これが丸々削除されているところが一番ヤバイと感じる。