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◆戦争遂行のためのプロパガンダ
国家が戦争を遂行するためには、国民に戦争するしか道がないことを信じ込ませるために国策プロパガンダが頻繁に行われる。イギリスの政治家アーサー・ポンソンビーは、第一次世界大戦でイギリス政府が行った戦争プロパガンダを分析して、主張される事に関する10の要素を以下のように導き出した。
1. われわれは戦争をしたくはない。
2. しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3. 敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4. われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う(正戦論)。
5. そしてこの大義は神聖(崇高)なものである(聖戦論)。
6. われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
7. 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
8. われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
9. 芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者(非国民)である。
フランスの歴史家アンヌ・モレリは、この十要素が第一次世界大戦に限らず、あらゆる戦争において共通していることを示した。そして、著書『戦争プロパガンダ10の法則』の序文中で、「私たちは、戦争が終わるたびに自分が騙されていたことに気づき、『もう二度と騙されないぞ』と心に誓うが、再び戦争が始まると、性懲りもなくまた罠にはまってしまう」と指摘している。
◆ヘルマン・ゲーリング ニュルンベルク裁判中、心理分析官グスタフ・ギルバートに対して
もちろん、普通の人間は戦争を望まない。(中略)しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、国民を戦争に参加させるのは、常に簡単なことだ。(中略)とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ。
投稿2
柳条湖事件 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/…/%E6%9F%B3%E6%9D%A1%E6%B9%96%E4%B…
「1931年9月18日午後10時20分ころ、中華民国奉天の北方約7.5キロメートルにある柳条湖付近で、南満州鉄道(満鉄)の線路の一部が爆発により破壊された。
まもなく、関東軍より、この爆破事件は中国軍の犯行によるものであると発表された。このため、日本では一般的に、太平洋戦争終結に至るまで、爆破は張学良ら東北軍の犯行と信じられていた。しかし、実際には、関東軍の部隊によって実行された謀略事件であった。」
大本営発表 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/…/%E5%A4%A7%E6%9C%AC%E5%96%B6%E7%9…
「1942年6月のミッドウェー海戦では、4空母を喪失する被害を負ったが、戦意高揚のため、損害の事実を過小に発表している[6]。ミッドウェー海戦およびダッチハーバー空襲を報じる大本営発表(昭和17年6月10日午後3時30分)では、「我が方損害」として「航空母艦1隻喪失、航空母艦1隻大破、巡洋艦1隻大破。未帰還機35機」としているが、実際の損害は「航空母艦4隻喪失・重巡洋艦1隻喪失・重巡洋艦1隻大破・駆逐艦1隻大破。飛行機289機喪失」であった。」
「1943年11月のブーゲンビル島沖海戦に関して、5日に大本営発表は「敵に与えたる損害」として「大型巡洋艦1隻轟沈、大型駆逐艦2隻轟沈、大型巡洋艦2隻撃沈、巡洋艦もしくは大型駆逐艦1隻撃沈、大型巡洋艦1ないし2隻撃破、駆逐艦1隻撃破。駆逐艦1隻同志討ちにて炎上」、「我方の損害」として「駆逐艦1隻沈没、巡洋艦1隻小破」と発表[8]。実際の戦果は「駆逐艦1隻大破、駆逐艦1隻中破、軽巡洋艦1隻小破、駆逐艦1隻小破」のみで撃沈艦艇は皆無であった。実際の損害は「軽巡洋艦1隻沈没、駆逐艦1隻沈没、重巡洋艦1隻中破、駆逐艦2隻中破、重巡洋艦1隻小破」に上る。」
トンキン湾事件 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/…/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%8…
「1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件である。これをきっかけに、アメリカ合衆国連邦政府は本格的にベトナム戦争に介入、北爆を開始した。アメリカ合衆国議会は、上院で88対2、下院で416対0で大統領支持を決議をした。しかし、1971年6月『ニューヨーク・タイムズ』が、いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手、事件はアメリカ合衆国が仕組んだ物だったことを暴露した。」
大量破壊兵器 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/…/%E5%A4%A7%E9%87%8F%E7%A0%B4%E5%A…
「イラク戦争開始の根拠として、“イラクが大量破壊兵器を保有している可能性があること”、および“国連の無条件査察を受け入れなかったこと”が挙げられている。なお、戦闘終結後、アメリカなどから派遣されたイラク調査団(英語版)が大量破壊兵器の捜索をおこなったが発見されず、調査団団長チャールズ・デュエルファーは2004年10月6日の米議会上院軍事委員会の公聴会において、「開戦時イラクに大量破壊兵器は存在しなかった」などとする最終報告書(デュエルファー・リポート)を提出した[8]。」
投稿3
大学の社会学の授業で非常に印象に残ったのが、「メディアが作り出す「現実」」とタイトルがつけられた回でした。「現実」とは絶対的なものではなく、切り取り方、意味づけ方によって作り出されるものだということです。
そこでメディアが果たしている力は非常に大きく、ナチスのプロパガンダ研究から、皮下注射論、弾丸理論などのメディア効果論が研究されたそうです。
弾丸理論(だんがんりろん)とは - コトバンク https://kotobank.jp/…/%E5%BC%BE%E4%B8%B8%E7%90%86%E8%AB%96-…
「…そのころには,マスコミの影響力を原子爆弾の破壊力のように強大だ,とする考え方が広がっていた。すなわち,マスコミは人の心の中に侵入し,思想や態度を思いのままに変え,操作してしまうという考え方で,〈皮下注射モデル〉とか〈弾丸理論〉などと呼ばれた。…」
そして、メディアが「現実」を作る好例として、1938年アメリカで起こったオーソン・ウェルズの「宇宙戦争」ラジオドラマ事件のドキュメンタリーを観ました。
このラジオドラマはずっとニュース放送の体をとっており、そのあまりのリアリティに火星人襲来を現実だと勘違いした聴取者が、万単位でパニックを起こしたという事件です。
No.034 大衆の勘違いが招いたパニック・火星人が攻めて来た
http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/jikenbo/034kaseijin.htm
投稿4
前置きが非常に長くなりましたが、私が言いたいのは北朝鮮のミサイルのことです。
私は北朝鮮がアメリカ本土にICBMを打ち込むこと、或いは、グアムや日本をミサイル攻撃することは無いと考えます。
仮に、ワシントンにICBMで核を落とせば、アメリカにとって、最大級の被害になりますが、それで米軍を無力化できるわけではないので、その瞬間に、北朝鮮は袋叩きにあって壊滅するはずです。それはグアムや日本を攻撃した場合も同じことだと思います。
従ってここ一連の北朝鮮による挑発(事実だと仮定して)の真意はわかりません。
一方でこの状況は、軍需産業、憲法改正派、戦争を欲する勢力にとっては、非常に望ましい状況であることは解ります。
投稿1、投稿2で書いたように、過去に国家がメディアを利用して、恐怖と敵対心を煽り、危機を煽り、危機を捏造し、戦争を生み出した、プロパガンダと謀略の歴史は厳然として存在します。日本にもアメリカにも、世界中で。
私は、その歴史を教訓として、メディアの報道をベタに受け取らず、常にその危険性を警戒して受け止める必要があると考えます。同時に、あまりに国家とメディアを疑うばかりに、陰謀論的な情報に安易に流れることも警戒する必要があると自戒します。
私が最近の北朝鮮報道やミサイル避難訓練、今朝のJアラート騒動で感じたのは以上のようなことです。