マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】すが秀実『増補 革命的な、あまりに革命的な』 (ちくま学芸文庫 2018年) 

【内容目次】
第?部 ニューレフトの誕生
「歴史の必然」からの自由がもたらされた時/文化的ヘゲモニー闘争の「勝利」とアポリア/「実存的ロマンティシズム」とニューレフトの創生/大江健三郎における保守的革命主義の帰趨/廣松渉による「疎外革命論批判」の深度と射程
第?部 カウンターカルチャーと理論的実践
詩的言語の革命と反革命アンダーグラウンド演劇のアポリア/小説から映画へのエコロジー的転回/宇野経済学と「模型」千円札
第?部 生成変化する「マルチチュード
世界資本主義論から第三世界論へ/戦争機械/コミューン/ゾンビをめぐるリンチ殺人から内ゲバという生政治へ/一九七〇・七・七という「開戦」
 
2000−2002 早稲田文学に掲載
「世界革命はこれまで二度あっただけである。一度は1848年に起こっている。二度目は1968年である」ウォーラーステイン他「反システム運動」
ジャン=フランソワ・リオタールポストモダンの条件」
蓮實重彦「知性のために」
 
小熊英二「民主と愛国」
いわゆる「挫折イメージ」。
網野善彦「無縁・公界・楽」サイードオリエンタリズム
そのような「リオリエント」は「68年の思想」の画期性と世界性を隠蔽することにしか寄与しない。
宇野弘蔵マルクス経済学」柄谷行人マルクスその可能性の中心」
1956 フルシチョフによるスターリン批判とハンガリー事件
トロツキー「裏切られた革命」
大正期「アナ・ボル論争」大杉栄
構造改革派(構改派)」
全自連 野口武彦
「<構改>先に立たず」日和見主義
スターリン批判とハンガリー事件の矛盾、「進歩的」知識人への批判
→ニューレフト
内田英世、富雄兄弟、西京司・岡谷進、太田龍革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(革マル派黒田寛一らによって「日本トロツキスト連盟」機関紙「反逆者」
59年8月 革命的共産主義者同盟革共同)と改称し、理論的・政治的な実効性を保持して、60年安保へといたっていく。
武井昭夫 全学連 →共産主義者同盟(第一次ブント)
石原、大江、江藤、谷川俊太郎、寺山、浅利「若い日本の会」
文学史的には「純粋戦後世代」と呼ばれる彼らのメンタリティは今日でいうサブカル的なもの
松下圭一「大衆文化論」加藤秀俊「中間文化論」
米 ビート 英 アングリーヤングメン 仏 シチュアシオニスト(ダダ、前衛芸術、反資本主義)
脱植民地運動としてのブント「反米」「民族独立」
西部邁「60年安保 センチメンタル・ジャーニー
大江健三郎「われらの時代」
レーニンロシア革命スターリンによって裏切られたとする
トロツキーの「裏切り史観」
サルトル「主体性論」
「政治と文学」論争 埴谷雄高 黒田寛一
トロツキー=政治的前衛と芸術的前衛の幸福な結合
ニューレフト=芸術的なセンス
文化的ヘゲモニー 文学→映画
ブントは今ここの騒擾・享楽において革命という歴史的必然を見いだそうとした。
革共同中核派(享楽) 革マル派(黒田。享楽に否定的)
1930年代問題 平野謙「昭和十年前後」 「近代の超克」問題
ジャン=リュック・ナンシー無為の共同体
大西巨人神聖喜劇
革命を遠い未来に設定しておく埴谷的歴史観
花田清輝
ロマン的イロニー
保田與重郎
橋川文三「日本浪漫派批判序説」
実存主義とはなにか?→三島 天皇
未来社 松田政男
橋川「私の考えでは、昭和の精神史を決定した基本的な体験の型として、まず共産主義・プロレタリア運動があり、次に、世代の順を追って「転向」の体験があり、最後に日本ロマン派がある」
大正 退行・廃退的文化 ←→ 農本主義
ロマン=空虚ゆえのフェティシズム 故郷、民族、アジア
新木正人「敗北の予感」
重尾隆四「権力に対して、前実存をさらすのだ」→ニューレフトの新しい感性
総会屋雑誌 現代の眼
車谷長吉「贋世捨人」
三島 美学「実存的ロマンティシズム」「青の時代
大江「見るまえに跳べ」「われらの時代」「遅れてきた青年」
ファシズム的ムード」「保守革命
「行動主義」行為へといざなう。
ニーチェ革命
「われらの時代」大江 60年 25才
青年将校」無頼性
アナキズム的 「ノンセクト」の学生アクティヴィスト 集団を先取り
ハイデガー「故郷喪失」「実存的ロマンティシズム」=男根的美学主義
>>大きく言えば、WWⅡへの大きな反動<<
ルカーチ 物象化論「歴史と階級意識」=いずれ量が質に転化する。
第三世界は「故郷」でもなければ、「本来性」でもなく、先進国が自らの願望を投影したファンタジーに過ぎないことが明らかになってしまったのである。
大江に代わって、学生アクティビストたちが愛読したのは、より生真面目に神経症的/パラノイア的な高橋和巳
67.10.8羽田闘争 一片の声明のみで権力を批判しえたと信じる「進歩的」知識人批判。
大江的なその無責任こそが真に68年的な革命性にほかならない。
数の増殖。統一されたイデオロギーは要らない。
廣松 社青同 ローザ主義
>>諸子百家の時代<<
ベ平連 大学管理法 エンタープライズ 慶応、早稲田学費
66 ブント再建
岩田弘「世界資本主義論」
廣松渉「疎外革命論批判」
マルクーゼ「エロス的文明」 三浦展「箱化」
廣松は、疎外論人間主義マルクス主義)を批判。もっと理論的、科学的に。エンゲルス評価。≒スターリン主義
中核派=ブント的「大衆運動主義」 革マル派=「党」前衛 立花隆「中核vs革マル
ブント 労働者、学生の即時的な「感性」に依拠した自然成長的大衆運動による階級意識形成の延長上に党建設を展望する。
=ローザ主義 甘いという批判
大江「われらの時代」都市に流入した学生=「故郷喪失者」の感性的反乱 この傾向を加速したのが日本の風景を一新した64年東京オリンピック
青年ヘーゲル派、「観念論」は甘い ブントは青臭い
廣松 (大学は)「労働力商品の再生産工場」「産学協同路線反対」観念論でなく唯物論
吉本「大衆の原像」「表出」現象学
「疎外」を克服すべき課題としながら、「疎外」を肯定し、それに依拠している矛盾。
入沢康夫「詩は表現ではない」 カウンターカルチャー「革命陶酔」への批判
廣松「ドイデ」。疎外論から物象化論へ。
フーコーレヴィ=ストロースサルトル批判。
60 実存主義 68 社会構成主義
 
天沢退二郎 つげ義春ねじ式
ベンヤミン「芸術の政治化」
三島由紀夫「美学」と「糞尿」
68年=反システム運動
演劇 ベンヤミン「神話的、法措定的暴力」のための文化装置としてのナショナル・シアターの役割
資本主義に疎外されているアンダーミドルクラス
資本主義に包摂されているアッパーミドルクラス
ニューレフト 美学主義 黙示録的革命主義
ブント「全世界を獲得するために!」=スターリンに反対するトロツキー主義
一国平和主義/世界革命(永久革命) 平和共存/暴力革命
佐藤信鼠小僧次郎吉」 バフチン的、カーニヴァル的騒擾
「前衛」からの離反者が、そのロマン主義的な反動として、民衆的下層に――たとえば柳田国男などを介して――就くことでアイデンティティーを保とうとした。
三島 文化防衛論 空虚な中心たる、文化概念としての天皇に包摂される。
菊(天皇、雅)と刀
小劇場 寺山修司 フォルマリズム=構造主義
石牟礼 谷川雁サークル村
京大パルチザン 小川紳介
 
宇野弘蔵マルクス経済学」=ニューレフトの基本的な参照先
岩田弘「世界資本主義論」→第二次ブント
講座派(共産党)/労農派(社会党
福本和夫=ルカーチ主義
フランクフルト学派社会学研究所」
 
赤瀬川 模型千円札 ネオダダ=「反芸術」運動
ベンヤミン 複製品「アウラ」情念がこもった作品
宇野 マルクス 等価交換論=同一の労働量が投入
人間が「商品化」されるという疎外
ドイツ・イデオロギー=労働の廃棄
岩田弘 ― 世界資本主義論
吉本隆明黒田寛一 ― 疎外革命論
廣松渉 ― 物象化論
平田清明 ― 市民社会
毛沢東ゲバラ ― 第三世界
ルカーチ、マルクーゼ ― フランクフルト学派系疎外革命論
三井三池炭鉱大争議「総資本対総労働」
山田宗睦「危険な思想家」
67美濃部達吉「革新都政」
社共ら旧左翼の「欺瞞」批判
イデオロギープロパガンダ)=言説空間の歪曲
福祉政策=日本「国民」の組織化と安定 朝鮮戦争ベトナム戦争
>>動機の不在。本当に革命したいのか?
マルクス=資本の運動を解明
フーコー的な社会にどう対抗するか?<<
藤本進治 毛沢東主義
滝田「ならずもの暴力宣言」 毛沢東「ならずものこそ素晴らしい」
1970.7.7 華僑青年闘争委員会 津村喬 マイノリティー運動 ポリティカル・コレクトネス
 
ヘルメットとゲバ棒「現代暴力論」「学生運動」がなくなった。
戦争責任は国民にある。「王殺し」
 
つまり 華青闘の告発によって、ポリコレ化し、反独裁の独裁、暴力が消えた。