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読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】橋爪大三郎、大澤真幸、若林幹夫、吉見俊哉、野田潤、佐藤郁哉『社会学講義』 (ちくま新書 2016年)

目次
第一章 社会学概論 橋爪大三郎
封建的、因習的でどうしようもない世界→勃興しつつある市民階級
→あるべき社会を打ち立てよう
啓蒙主義者たちは「社会契約」によって市民社会を打ち立てるんだという理想と気概
フランス革命が終わっても、ちっとも理想の社会が実現しないじゃないかという、ポスト革命世代の幻滅。
A・コント 実証主義 社会有機体説の時代
社会をアナロジー(比喩)で捉える
G・ジンメル 形式社会学創始者 結合の関係 分離の関係
E・デュルケム 人間の「連帯」「社会的事実」
M・ウェーバー 「カリスマ」
20世紀 「システム」=「多くの要素からなる全体」
タルコット・パーソンズ 構造ー機能分析 AGIL図式
1970以降 「意味学派のミニパラダイム」=ミクロな側面に関心
現在、統計学とコンピュータ
データ解析のスタイル
フーコーの権力分析
アナール学派の社会史
・消費社会論の記号の「戯れ」
フェミニズム
・N・ルーマンの自己組織性(オートポイエシス)
 
第二章 理論社会学 大澤真幸
社会学社会学たらしめている主題=「社会秩序はいかにして可能か」
→規則、規範がいかにして可能か?
クリプキ 規則は存在しない。 「プラス」と「クワス
「自分の中の他者」or「権威ある他者」=第三者の審級
ヘーゲルマルクス
サンシモン→コント
ウェーバー→個
デュルケム→集合
フーコーによると、この建物は、独房において個人化されている囚人を主体化する仕掛けになっている。囚人は監視者に見られているかどうかわかりません。逆に言えば、常に見られている可能性があるわけです。この永続的な監視の可能性によって囚人は、やがて自分で自らを規律するようになります。フーコーは、これと論理的に等価なことが社会全体で成立したときに、主体がつくられると言ったわけです。ある種の従属、支配を媒介にしてはじめて主体性の成立が可能になる、ということです。
見えざる支配者、抽象化されつくしている支配者
抽象的な支配者 ネーション(国民)の誕生
それ以前にはあり得なかったような大規模な共同体(ネーション)への同一化を伴うナショナリズムと、社会の個人への分解とは、一見まったく背反するものに見えますが、じつは相互に依存関係にあります。両者は対立しているかのようにイメージされがちですが、じっさいには、同じ時代に手を携えて出てきたものなのです。
十九世紀におけるナショナリズム個人主義の同時的な登場。
近代→主体が成立→社会学の成立
真木悠介「社会秩序はいかにして可能か」
貨幣 媒介としての普遍性
エスノメソドロジー
構造主義記号論 構造主義=「無意識の規範」
ハーバーマスルーマン
ハーバーマス 合理的な討議
ポストモダン リオタール 大きな物語の喪失
大きな物語=民主主義、自由、人間解放、民族独立、共産主義
生産→消費 ジャン・ボードリヤール
ポストモダン=消費社会「記号的な消費」
 
第三章 都市社会学 若林幹夫
都市社会学 シカゴ学派が始める
急速に発展するシカゴ
マニュエル・カステル「新都市社会学
ウェーバー「都市の類型学」
ジンメル「大都市と精神生活」
ボードリヤール ゴッフマンのドラマトゥルギー
近代ー産業革命と市民革命
若林「熱い都市、冷たい都市」
都市 匿名
旧約聖書のバベルをめぐる物語
ニムロデ
ポストモダン=都市
 
第四章 文化社会学 吉見俊哉
ワース「生活様式としてのアーバニズム」
リースマン「孤独な群衆」
文化社会学 作田啓一 見田宗介 栗原彬 井上俊
山口昌男 前田愛記号論
祝祭論 ミハエル・バフチン「フランソワ・ラブレーの作品と中世ルネッサンスの民衆文化」
「都市のドラマトゥルギー
盛り場=祭り、ハレ
浅草→関東大震災→銀座
浅草 活動写真、浅草オペラ、軽演劇、浅草十二階、私娼窟
銀座 デパート、カフェ、モボ・モガ
新宿→オイルショック→渋谷・原宿
新宿 アングラ演劇、フォークゲリラ、ハプニング、フーテン、学生運動
渋谷・原宿→カタログ的、ファッショナブル
博覧会→百貨店→広告
博覧会=帝国主義プロパガンダの原型、消費社会の広告環境の原型
儀礼研究、結婚式、葬儀
コマーシャル文化=祭りの代替
 
第五章 家族社会学 野田潤
ここで要求される作法のことを、ウェーバーは「価値自由」と呼んだ。これは分析者自身が特定の価値を前提としていることを自覚し、その自らの中の前提を反省的にとらえかえすことによって、相対的な客観性を確保しようとする態度のことをいう。人は誰もがどこかの社会に属しており、何らかの価値を前提とすることなしに物事を考えることは不可能である。たとえそれがどんな色であれ、色のついた眼鏡越しにしか、世界をみることはできないのだ。しかし自分がどのような色の眼鏡をかけているのかを自覚し、その偏りを自ら省みることで、己の価値観を素朴に特権視するような態度から、可能な限り距離をとることはできる。それが価値自由の考え方である。
>>猫の親離れ、子離れ 猫の父親<<
家族は、国、部族それぞれ
テンニース 社会 ゲマインシャフトゲゼルシャフト
パーソンズ 家族の機能
①子どもの社会科 ②成人のパーソナリティ安定
山田昌弘 近代社会の特徴三要件
①家族が外の世界から隔離された私的領域となることである。中世や近世の家族の生活は、地域共同体のなかで家族以外の多くの成員による介入と援助を受けることで成り立っていたが、近代の家族はこうした外部との相互浸透を遮断することで、プライバシーに守られた私的領域として自閉していく。このことは家族の親密性の特権視につながり、さらに切り離された私的領域に再生産労働を割り当てる近代型の性別役割分業の前提要件にもなった。
②家族の生活はすべて家族自身が責任を負わなければならないという自助原則の存在である。①の特徴によって外部からの介入/援助を喪失するため、家族成員の生活保障責任はすべて家族自身が負うことになる。この自助原則は近代型の性別役割分業と結びついており、実践面では経済的な稼得責任が夫に、家事・育児といった再生産労働の責任が妻に課せられる。
③家族の情緒的な結びつきを不可欠なものとして重視する、愛情の規範化である。ここで問題となるのは個々人の現実以上に、社会的な規範の水準である。アリエスが強調したように、家族の親密性が社会のレベルにおいて規範化され、価値づけられるという意味において、近代家族は愛情中心主義なのである。
そして、こうした近代家族のかたちが近代国家による統治の基礎単位として戦略的に制度化されたことも、忘れてはならない重要な特徴である。確立したの高度経済成長期。
今の日本は、パーソンズモデルのまま、非正規化で所得が減ったこと。
ポーランド ジグムント・バウマン
 
第六章 社会調査論 佐藤郁哉
「ヤンキーのエスノグラフィー」
フィールドワークの定義
調べようとする出来事が起きるまさにその現場(フィールド)に身を置き、そこに住む人々と出来事の体験を共有し、現場に流れる時間のリズムやテンポに身を添わせることを通して、調査地の社会と文化をまるごと理解し、またそこに住む人々を理解しようとする作業(ワーク)とその方法。
フィールドワークの報告書=エスノグラフィー
理論屋と調査屋
>>調査としての就職、転職<<
サーベイ屋(統計)
フィールドワーカー
>>インタビューをしたい<<
ロバート・コール「日本のブルーカラー
 
2/23読了