マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

作品#05「コスモス 社会学用語図鑑トレカ」62枚(2) #11-#20

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目次

#11 Robert Ezra Park ロバート・E・パーク

人間生態学

人口や諸制度の動態と地域的配置との相即に関する一定の規則性をみいだす学問分野。人間生態学のキー・コンセプトは、動物・植物生態学にみる競争とか共生に示唆を得たものが少なくない。

都市社会学

都市の社会・生活構造、社会意識、都市問題などを研究対象とする社会学の一分野。アメリカの社会学者パークが創始。

人種関係サイクル

パークは、アメリカ合衆国において移民との関わりから発展した同化の理論に、大きな影響を与えた。パークは、「人種関係サイクル」と名付けた4つの段階を、移民集団がたどっていくと論じた。第1段階の「接触」、続いて第2段階の「競争」を経て、第3段階で各集団は相互の存在に「適応」し、最終的にそれが維持できなくなると移民集団は「同化」していくというのである。

マージナルマン

いくつもの文化が並存する社会の中で、どの文化圏にも完全に同化できずに、複数の文化に不完全に属している人々をパークはマージナルマン(境界人)と呼びました。マージナルマンは、自身に一貫したアイデンティティを見いだしにくくなります。しかしまた、複数の文化の狭間に立つことで、それぞれの文化を客観的に捉えることができ、それらを融合した新しい価値や文化を生み出すことが可能です。

#12 Marcel Mauss マルセル・モース

贈与論

贈与と返礼の交換が社会を存続させる重要な役割を担っていることを、モースはポリネシア社会の調査で発見した。

身体技法

普段なにげなく行っているしぐさは、自分が属する社会の特徴があらわれたもの。自分の身体技法は、社会という外部によって無意識的に作られている。この考えは、人間の行動は、自分で決定しているのではなく、属している社会に決定されているとする構造主義に大きな影響を与えた。

#13 Maurice Halbwachs モーリス・アルヴァックス

集合的記憶

たとえば、「バブル期」を社会学的に考察する場合、集合的記憶が頼りになります。人は他人と話したり、写真、テレビを見るといった社会的な環境に触れることで、バブル期に関わる記憶を思い起こします。バブル期の記憶は1人の頭だけではなく、バブル期を経験した人たちが持つ枠組みによって構成されていると考えられます。個人的な記憶ではなく、集団の中の1人としてのこうした記憶が集合的記憶です。
アルヴァックスは教科書や歴史書に記されている「事実」としての歴史ではなく、「集合的記憶」としての歴史から社会を考察した。
集合的記憶は絶えず書き換えられています。つまり過去は現在から想起され、つねに再構築されています。

#14 George Elton Mayo エルトン・メイヨー

ホーソン実験

1924年から1932年に生産性向上の要因を調査するためにアメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で実施された実験の総称。「外部環境ではなく、人間関係や感情が生産性に影響する」という結論が得られた。

インフォーマル・グループ/フォーマル・グループ

会社内の非公式な仲間関係。飲み仲間、麻雀仲間。職場の非公式な人間関係が生産性に影響を与える。

#15 Robert Morrison MacIver ロバート・M・マッキーヴァー

コミュニティ/アソシエーション

コミュニティ=「同じ場所や地域で一緒に生活している」という意識を共有している自然発生的な集団 市域社会・都市社会・国民社会など
アソシエーション=同じ関心や目的のために人為的に形成される集団 学校・会社・教会・国家など

#16 José Ortega y Gasset ホセ・オルテガ・イ・ガセット

大衆の反逆

「大衆」というのは、欲求だけを持っていて自らに義務を課す高貴さを欠いた「平均人」のことであり、自分は「すべての人」と同じであると感じ、他の人々と同一であることに喜びを見いだしている人のこと。
そして、「大衆の反逆」とは、20世紀になって圧倒的な多数となった大衆が社会的権力の座に登り、支配権を持つようになったことだとして、今日の特徴は、「凡俗な人間が、おのれが凡俗であることを知りながら、凡俗であることの権利を敢然と主張し、いたるところでそれを貫徹しようとするところにある」。つまり、大衆の反逆とは、「人類の根本的な道徳的退廃に他ならない」。

#17 Ernest Watson Burgess  アーネスト・バージェス

同心円モデル

都市の内部構造を説明するモデルのひとつ。中心業務地区(CBD)から外側に向けて、卸売・軽工業地区、低級住宅地区、中級住宅地区、高級住宅地区の順で、土地利用が変化していく。シカゴをモデルとしている。

#18 Antonio Gramsci アントニオ・グラムシ

フォーディズム

ヘンリー・フォード (1863~1947)が確立した、資本主義に特徴的な生産方式。グラムシ命名したフォーディズムは、大量生産、大量消費の時代や社会そのものをあらわす概念となった。ベルトコンベア方式などの機械化、肉体労働の単純化出来高賃金といった特性を持つ。1970年代を節目にフォーディズムの時代は終わり、多品種少量生産のポスト・フォーディズムの時代へと移っていく。

ヘゲモニー

国家や政治運動の覇権、指導権を握ることをグラムシヘゲモニーと呼びます。 近代(資本主義)以前の統治は、暴力に基づく支配でした。これに対して近代国家の統治は、暴力に基づく強制と同時に、メディアや学校教育などで人々を知的、文化的に指導しつつ、人々からの合意(同意)を取り付 けることで巧妙に覇権を握ります。

#19 Karl Mannheim カール・マンハイム

知識社会学

マンハイムはまず、自分たちの主張はイデオロギーであり、それは拘束された知識であることを認める必要があると言います。そうした自覚のある知識や思想からしか、真理を導き出すことはできないと考えたからです。
人間の知識や思想は、属している社会に大きく影響されるものです。マンハイムは、知識そのものではなく知識と社会との関係を明らかにしようとする学問を知識社会学と呼びました。知識社会学を成立させるためには、相関主義の立場に立ち、普遍的イデオロギーを自覚する知識人(インテリゲンチア)であることを心がけるべきだと彼は言います。

連字付社会学

社会一般の原理を扱う理論社会学(社会システム論など)に対して、特定の領域を扱う社会学。連字付=ハイフン。

#20 Louis Wirth ルイス・ワース

都市

都市は、近代社会(資本主義社会)の特徴が最もよくあらわれる場所です。ワースのいたシカゴもその1つでした。彼は、シカゴに住む人々の暮らしを実際に観察したり、インタビューするなど、実証的な方法で都市を研究することで近代社会を捉えようとしました。
ワースは都市を、人口が多い・人口密度が高い・人口の異質性が高い場所であると定義しました。こうした定義をすることで、農村と都市の違いが明らかとなり、都市(近代社会)で生きる人々の生活を分析する手がかりになります。

アーバニズム

ワースは都市特有の生活スタイルをアーバニズム(都市的生活様式)と呼びました。都市では、親密で全人格的な人付き合いが薄れ、人との表面的な関わり (第二次的接触)が強くなります。表面的な関わりが優勢になると、人々は緊密な人付き合いから解放される一方、家族的な連帯が弱くなり、アノミーに陥ってしまうとワースは言います(社会解体論)。 こうしたことから彼は、都市計画の重要性を訴えました。