マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

『まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平』リトルモア

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

1.僕がしてきたこと
集中ができない
図面の引けない建築家 カンボジア ツアコン
20歳 下北沢 チャイとインドカレー
フェルディナン・シュヴァル 郵便配達夫 シュヴァルの理想宮
ワシントンホテルヒルトンホテルで喫茶店のボーイ
築地市場果物屋
ずっと学級委員長 「コンチキ」という名前のグーニーズみたいな集団のリーダー
廃墟を調査 秘密基地
思いついたときにやる
とにかく器用 言ってしまえばそれだけ
とにかく許可が必要なこの世の中が嫌い
ピカソも晩年はむちゃくちゃ 晩年方式で今を駆け抜ける
健康であることが一番の富
認められるとか評価されるとか売れるとか金が入るとかダサい 三次元の欲はない もっと多次元の欲がある
人のいいところ、長所を見つけるのが天才的にうまい
レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』
僕=共同体
気前の良さ
器用であることは、知的な面で気前が良いこと
「首長はいつでも、群れの人々の気晴らしになり、日々の生活の単調さを打ち壊すことができるように、上手に歌ったり踊ったりできる陽気な男でなければならない」
呪術面の力 呪術面の才能
気前がいい=精神の器用さ
一貫性がある方がほんとはおかしい
自分はどんな人間だっけ?と決めて、その道に沿って生きるようになっていく。
自分なりに健康体で生きることが抵抗運動 抵抗する相手は、「現実」。
誰の中にもスピリット(精霊)がいる
一つの人間像に固めないと生きていくのに大変 だけど、いつも揺れてる その状態で毎日作っている
手を動かす 色んな道具を使って
作品作りは、スピリットを覆うアスファルトを、つるはしでつつく作業
自分を確立することを諦める そうじゃない道があると感じたとき 新しい健康の芽を感じた
排泄物のように作品を作る 体にためておかないで、外に出す
現実を壊す(ズラす)ために作る 現実に認められるために作るんじゃない
鬱 景色が灰色に見える
いいことも悪いことも伝える人がいないってことが、鬱の原因じゃないかって僕は思ってる
「とにかく絶望を感じているときは、この目の前の現実のことだけ、人間だけが作り上げている仮想の社会というものだけを考えすぎている。そこに少しでも隙間風が入れば、まあ、そんなこと深刻に考えなくたっていっかみたいに深呼吸できたりする。」風通しを良くしてあげるだけ
基本的にベタ褒めで
2、3時間歩く 手は足 四つ足の記憶
人は人の役に立つことが大好き そして感謝の言葉をもらうと嬉しい
本家いのちの電話はほとんどつながらない
本当は肉を食うために動く 金を間に入れるのは、つねにひと作業無駄
人間の不調の原因ははっきりしている→やりたくないことやってる
自分ルールで、最高のイメージして、その状態を一日やってみてほしい
基本的に嫌な現場にいるだけ やりたいことやったら、そこでちゃんと人が出てくる
社会の言葉は最大公約数的になっていく それだと、大事なときに、いい感じの会話ができない
 
2.僕のつくり方
日課
いつも自分がわからないものを作る
「わかんないってどういうことか。アントナン・アルトーの言葉なら「思考の無能力」と言えると思う。いわゆる「思考」っていうものは、結局ルールを決めちゃってるんだよね。既存の言葉があって、言葉には既存の意味がある。思考は言葉を使うんだから、どうしても、社会が作った意味からは抜けだすことができない、ということ。」
「わからない」の中に、実はミクロコスモスがある
『ミシェル・レリス日記』 シュルレアリスム運動 アフリカ調査
みすず書房 尾方邦雄
梅山景央 Chim↑Pom石川直樹前野健太岡田利規佐々木中磯部涼
「死にたい」=言葉にならないことにぶつかっている
思考=「思考という巣」 石山修武
アオともミドリとも読める「碧」
「今僕らが普通に使ってる言葉だって、もともとは詩からきているんだと伝える。言語からはずれたものを詩と誤解しがちだけど、逆だよ。詩がスタート。詩が言葉を生み出した。今、僕らはその魔力を忘れて言葉を使ってるわけ。マジカルなものを一切封印して。国家装置っていうのもつねにマジカルを封印しようとするよね。」
「「マジカルなもの」っていうのは、記憶が取りこぼした過去ってこと。記憶からこぼれ落ちた、今ではない今。マルセル・プルーストが『失われた時を求めて』で向かってるのも、結局そういうこと。あの小説の行間全部に、記憶が取りこぼしたものが詰まってる。」
自分自身の記憶ではないかもしれない 体の中には言語化されない昔の時間や空間が詰まってる
「死者からの付箋」 太古の記憶を呼び起こす 人と地面は合体してる 直感は何百万年の雫
「思考という巣」
書物は四次元(五次元、六次元)のもの(記憶からこぼれ落ちた過去)を、二次元に落とした比喩 コップの影
本を横に置いて 小説を書いている
インスピレーションを「読む」
本は情報の伝達ではない 予感するもの
アントナン・アルトーバックミンスター・フラーのインスピレーション 中に入っていける作品 奥行き 路地裏がある作品
行間がある 迷路
「わからない」っていうことをゆっくり思考する そのあとで速く思考していく
混沌のギリギリ2センチ手前で書く
書いているときに確認するのは、自分に嘘をついているか、いないかだけ
朝、小説の世界にすこしずつ潜っていく
「意識」の水面下で「草稿」がぐるぐると動き回っている
舟鼠 舟で生まれ死ぬ鼠 その体毛で作った筆
四次元 マルセル・デュシャン 南方熊楠 ピカソアヴィニョンの娘たち」
『0円ハウス』 セブンイレブンでカラーコピーして、本に編集して持ち込んだ
トマス・ピンチョン
自分の健康にいいことをやる 誤解されても
胡散臭いけど 逃げも隠れもしない それが自分にとってのサバイバル 文句があれば直接電話かけてこれるから
フランシス・ピカビア
「すごい」とかどうでもいい。一番バカなことが大事。
『抄訳 アフリカの印象』もともと20部 表紙をプリントゴッコで印刷
「僕の夢はとにかくすべての人と話すこと。そして適材適所になるようにしてみたい」
人や動物や植物が集まってくる「湧き水」になりたい
「でも、どうせ、僕以外もみんな分裂してんだよ。統合してる人間なんかいないよ」
ピエール・クロソウスキーニーチェと悪循環』
 
3.僕の音楽
音楽によって僕らはここまで来てる。今の僕らは過去を、実は音楽で受け継いできてる。
妹とピアノをタッチ 小4『バイエルン』『ブルグミュラー』 ビートルズ コード
 
4.僕は新政府内閣総理大臣
築90年の一戸建て アトリエとして借りてた ゼロセンター 100人
『発光』(2017、東京書籍)
3.11は『ぼくらの七日間戦争』自主映画みたいなもの
とてつもなく不安定な人間
上関原発 警備員の若い人が泣いていた
腐ってる言葉に注目して、その言葉を選ぶと、やっぱり言葉が揺れ動きはじめる → 国家、原発
新政府活動は芸術(医術)としてやっていた オートノミー シチュアシオニズム
でも「芸術」より「冗談」がいい 子どもの頃の遊びそのまんま
『独立国家のつくりかた』=根源的な問い
「ただ名前だけが本来の言語なんだってベンヤミンは言ってる。「坂口恭平」っていう言葉にはもともと意味はないでしょ。だけど、坂口恭平っていうのはその人すべてを物語る。意味がない、だけど、すべて表す。」
結局、同じことをすると飽きる
金を稼ぐ方法も大事だけど、何よりも死なない方法が一番大事
文化=「文治教化」 武器でも金でもなく文人
『TOKYO一坪遺産』 
『幻年時代』=幼年時代
4歳を振り返るのではなく、4歳になって書く
幼稚園までの20分の道のり
 
5.僕の経済
2011年から 年収はずっと1000万円
1冊100万円にしかならない
年2、3冊 → 300万
連載3本 → 100万
絵を売る → 300万
あとの300万円はわからない
作品を作るというより、健康を創造してる
AppleのCM、講演、挿絵など
変に目立っても飽きられる 質も落ちる そうじゃない方法でいつもフレッシュでいられるようにした方がいい
思いついたら、失敗してもいいからとりあえず終わりまで作る そして実は「失敗」なんてない。
食うのと本を書くのを別にしている。
路上で歌うと1日1万円稼げる。
歌は1万円のギターを使って、携帯電話のボイスメモに残すだけ。
とにかく、自分に合ったことをやればいい。その人にしかできないこと。
『貯水タンクに住む』
イデアを出す物静かな坂口恭平 それを実行する躁状態坂口恭平 それを売るアキンドくん
 
6.僕の散歩と伴走者
散歩 いろいろな所に寄って、人と喋ることにしている
会いすぎると「もらう」から、もらわないために3分くらいしか話さない。
街が僕の脳みそみたいなもの
とにかくお店が大事 ペンギン村みたいに揃ってる
脳みそと同じ時空間を都市の中に作る
サンワ工務店 山野潤一さん ズベさん
庭と山の中の1500坪くらいの土地
部材が一つずつ丁寧に並べてある
散歩して人に会うのは都市計画 ふつうの建築家は道と建物しか作らない そこで生きる人間も含めて都市計画
落ち込み へこたれるけど またもう一回見せに行く 人に会うことでカイロプラクティックになる
室町時代とか 安土桃山時代のイメージで生きる
下手なままやる 駄目なところも見せる
 
7.つくれ、抵抗せよ
サラリーマンの多くが動けなくなっている 
会社でつくるより、自分で作ったほうが早い
「この現実っていうのは、つくることを忘れさせる。つくるというのは、抵抗すること。わたしにはできない、と思わせる。これが現実が唯一の世界であるために大事なんだ。水道管は引けない、ガス管は引けない、電気は無理ですとか。それが、現実装置だってことだよね。それに対して僕は抵抗してる。」
権力とは「できなくさせる」こと
喜びが失われていることに対しての抵抗
鬱のときこそ、作る時間
社会学よりもっと物理的に揺さぶる
料理はマジカルなもの
手を動かすと健康にいい
調子が悪くなるのは実はいいことで、日課のつくりどき
ルーティン学校 死ぬ死なないより、少し先に進むための
全ては少年の空想だった。 口笛はまだ聞こえている
 
あとがき
みんな本当に大変、でもだからって絶望じゃない
それぞれの健康をつくれ 死ぬくらいなら、つくれと。
そうやって、どうにかこのなんだかどんどんヘンテコになっていく現実と決別 2019年8月28日自宅書斎にて
 
11/26読了