2022年1月にこのエントリを書いている。
- 1位 田中正人、香月孝史『社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像』(プレジデント社 2019年)
- 2位 田中正人、斎藤哲也『続・哲学用語図鑑 ―中国・日本・英米(分析哲学)編』(プレジデント社 2017年)
- 3位 マーク・フィッシャー著、セバスチャンブロイ、河南瑠莉訳『資本主義リアリズム「この道しかない」のか?』(堀之内出版 2018年)
- 4位 マニュエル・ヤン『黙示のエチュード 歴史的想像力の再生のために』(新評論 2019年)
- 5位 宮台真司 x 北田暁大『限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学』(双風舎 2005年)
- その他
3位 マーク・フィッシャー著、セバスチャンブロイ、河南瑠莉訳『資本主義リアリズム「この道しかない」のか?』(堀之内出版 2018年)
非常に鋭い現代社会分析、資本主義分析。新自由主義の本家であるイギリスの現状はとくに酷いのだなあとわかる。だれもが心を病んでいく資本による支配。資本家や地主ですら心を病んでいく。主に映画だがカルチャー批評の鋭さ。早逝してしまったのが本当に残念。4位 マニュエル・ヤン『黙示のエチュード 歴史的想像力の再生のために』(新評論 2019年)
こちらも非常に鋭く含蓄の深い現代社会分析。フーヴァー大統領は鉱山技師だった。鉱山経営者にとって、労働者などはただの駒、道具。
それとおなじことで、国家と資本にとっては人間もただの材料の一つ。
原発が爆発しようが、住民が放射線被爆で癌になろうが、どうでもいいこと。大事なのは資本が膨れつづけることだけで、そのために国家が機能すること。
人間の幸せなんてどうでもいいこと。
そこに民衆が、人間がどう抵抗できるか。
神話や聖書の比喩を使った、ポエティックな文章が読者を高揚させる。