マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

中森明夫『東京トンガリキッズ 』(角川文庫)

東京トンガリキッズ (角川文庫)

東京トンガリキッズ (角川文庫)

目次が重要
・『ミスハイスクールDJ』都立明正高校一年松永夏代子の声質
・青春という名のラーメン・知的なタコイカ
サイバーパンクなんていかしたもんじゃない、主婦の頭の中みたいなごちゃごちゃした女性誌の表紙、ゴミ箱同然の街
・『くりいむレモン』のビデオでオナニー
・「天国の終わる時間」「終了時間のある”期限付きの天国”」
・核の時代に生まれた僕らは、常に地球の終わりを感じながら生きている。その日まで僕たちは固有名詞を並べた、意味のない会話を交わし続ける。今、どんなレコードが売れているか、どんなファッションがオシャレか、どのお店が新しくできて、有名人の誰それが結婚して、離婚して、死んだのだと……。
・この無意味さに耐えること。昨日とも明日とも切断された、深層とも意味とも係わりのない、徹底した無意味なガラクタだけが僕らのリアリティーなのであり、そして今この瞬間にもそれらのガラクタを身にまとったまま、ものすごい速度でコンクリートの地面に激突してしまうのだということを。
・さよなら、TOKIO!すべてが終わってから、僕たちは生まれた。もう新しいものなどない。折れ線グラフは頂点を越えた。僕たちはこれ以上、幸福にはなれないだろう。さよなら、TOKIO
・すべてはビデオクリップに収められた過去の映像に過ぎない。僕たちはどこへも行けない。過去さえ、未来さえ喰いつぶしてしまった。この地上に僕たちの隠れ場所などない。さよなら、TOKIO
・当時、「新人類」と呼ばれた僕たちは、消費社会の申し子でもあった。やがて自らの生それ自体も消費され尽くして、跡形もなく消え去りたい……。そんな自己消失に対するヒロイックな願望がたしかに『東京トンガリキッズ』の通奏低音としてある。それがあの頃の時代精神だった。
1時間でパラ読み読了。
要約
80年代の時代精神、色々なタイプを主人公にした短編の集まり。すべては記号であり、記号が過剰であり、モノと同じように人生も消費されて終わる。
『なんとなく、クリスタル』は80年発表で、青山に住む女子大生。こちらは85年からの連載で『宝島』掲載のサブカル系。
感想
「記号社会」の天国のような東京 その中では人間も人生も記号になる 80年代東京という街まるごと虚構のような 空前絶後のユニークな時代
それでも、90年代後半以降とは違って、ポジティブな波動はあった 仲間意識、世代意識もこの頃はあった。以降徹底的な個人化が進んでいく。