マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】東浩紀『ゲンロン戦記ー「知の観客」をつくる』(中公新書ラクレ)

目次

第1章 はじまり

国際大学GLOCOM 公文俊平 社会システム論 ネットワーク社会論
鈴木健
・2001年幕張メッセSF大会 「オルタナティブ」がここにある SF好きに多いリアリズム系

第2章 挫折

・2010年4月 4人で150万出資して 小さな会社 合同会社コンテクチュアズ 浅子佳英 
・12月『思想地図β』3万部
入江悠監督『AZM48 the movie』友の会パーティーで流すムービー
・預金使い込み事件

第3章 ひとが集まる場

・2012年4月 コンテクチュアズ→ゲンロン
津田大介 福嶋麻衣子 社外取締役
・やるべきことを発見するというのは、ほかの選択肢を積極的に切り捨てること
・34歳娘が生まれる
・「福島第一原発麻雀化計画」
・『ゆるく考える』
・コミュニケーションでは「誤配」が大事
・いまの世の中は、学者やクリエーターに好きなことを好きなだけ話せる場所を与えていない
・ニコ論壇 ニコ生思想地図
・ゲンロンカフェ ロフトプラスワンを参考
・「考える」ことが抜けている時代 答えを安直に求めすぎ
・「飲み会」 OBも込みの分厚いコミュニティ
・自己肯定感 承認 人とのつながり
・ほどほどに傷つけ合うことができるコミュニケーションの環境
・「面倒な人間関係」含めてのコミュニティ
・オフラインの重要性

第4章 友でもなく敵でもなく

・戦後日本の大衆社会に対する信頼

第5章 再出発

・大澤聡
・ひらたくいえば「仲間」を集めたかった
・『ゲンロン4』浅田彰4万字インタビュー カフェで還暦パーティー
・友の会 3700人 平均38歳 IT系
・「亜インテリ」=小ブルジョア層 日本青年会議所(JC)系 IT系
・independent institute インスティテュート「研究所」「学会」「専門学校」
・2018年12月17日 解散宣言
・右腕願望のある男性スタッフが集まってくる。
・実はずっと自信がない 下の世代を仲間に引きずり込むことで逃げようとした 子分が欲しい
・「ホモソーシャル性」をずっと抱えてきた

第6章 新しい啓蒙へ

・友の会総会 人脈づくり
・大学は授業よりも友人づくりとサークル活動に価値がある
・桂大介 シラス
津田大介にシラスを降りさせる
・有料放送前提の動画プラットフォーム
・有料にすると公的な発言ではなく、私的な空間のおしゃべりになるらしい
・あくまでもビジネスであることに拘りたい
・資本の蓄積が悪いだけで、商品と貨幣の交換自体は悪くない
・「観客」と「信者」の違い 観客は内容が悪ければ課金しない
・大学が酷い状況なので、大学に残れなかった優秀な人材がいっぱいいる

あとがき

・人間関係の決裂もすべて自分を知る気づきになった
・欠点だらけの試行錯誤の先駆者として見てくれれば、それこそ、自分のやりたかったこと
5/15読了
 
◆要約:ゲンロンの10年。東浩紀の40代。会社経営にあたって、数々の失敗と、反対に思いがけず当たった企画と。
◆感想:ゲンロンのトラブルについて、何となくSNSで流れてくる程度の情報だけ知っていて、興味があったので読んだ。
東浩紀と彼の人脈は大嫌いだが、彼の行動力と貪欲さはリスペクトする。
彼は人と喧嘩や対立を繰り返しているが、それがエネルギーにもなっていると感じた。
プロレスや格闘技のようなアングルの力を言論界で一番自覚していると感じた。
それに巻き込まれた人は、不毛さと疲れでどんどん静かに離れていくけど。
永遠のイケイケ大学生のような、野心だけは切れずに、いつまで経っても人の気持ちがわからない人だと思った。