1.ギリシア哲学とキリスト教との出会い
・教父 古代哲学とキリスト教との間の緊張関係の中で両者の統合を試みる
・超越的な形而上学の次元の中に神を位置づける
・ニカイア公会議(325年)/カルケドン公会議(451年)
・ギリシア語 東方ギリシア教父/ラテン語 西方ラテン教父
2.ヘレニズム的教養(自由学芸)とキリスト教
・ヘレニズム的教養=「自由学芸artes liberales」自由人にふさわしい教養
・「文法学」「修辞学(弁論術)」「弁証論」(三学)と「算術」「幾何」「音楽」「天文学」(四科)の「自由七科」
・初期ラテン教父は異教的教養である自由学芸に対して反発していた。しかしアウグスティヌスはキリスト教と自由学芸を統合し、後者を前者のために用いるという態度をとった。
・彼の『キリスト教の教え』は最重要な古典
3.教義の確立
4.修道制の成立
・修道制=出家 「清貧」(私有財産の放棄)、「貞潔」(独身生活)、「従順」(上長への服従)。修道者たちは、これらの放棄を通して物欲、情欲、名誉欲・権力欲から離脱し、自らを神へと明け渡すことを目指した。
・迫害がやみキリスト教が公認されてゆく時代にあって、安逸の中でキリスト教が世俗化してゆくことに危険を感じ、自ら荒野での禁欲的生活の中で真に「キリストに従う」ことを求めた素朴なキリスト者たち
・monk(ひとり住む者)隠修士 東方修道制
・他方で共住修道制 神への愛と隣人愛のための訓練と実践の場
5.フィロンと初期教父
5.1.アレクサンドレイアのフィロン
・聖書に記された神による世界創造論に対する合理的説明。神は一方では「ロゴス」を範型として世界を創造するが、他方「ロゴス」は世界に内在し世界を摂理によって導く神の力でもある。ロゴス=言葉。意味。論理。万物の流転のあいだに存する、調和・統一ある理性法則。
5.2.ユスティノス
・キリスト教が「真の哲学」。いままでのヘレニズム哲学は「種子的ロゴス」であり、キリストこそが普遍的・神的ロゴスである。
6.アレクサンドレイア学派
・東方ギリシア教父
6.1.クレメンス
・人間の知性は神的ロゴスに従っ形作られたものであるがゆえに神的ロゴスを分有する。人間の知性(ギリシア哲学)に信頼を置く。
6.2.オリゲネス
・2000を超える聖書注釈。キリスト教の教えの学問的体系化に多大な貢献。肉体的次元→心的次元→霊的次元。魂とロゴスとの神秘的な婚姻において完成する。
7.カッパドキア教父
・人間が神化への道を歩むための具体的な生活の場としての修道生活。
7.1.パシレイオス
・修道規則を決める
7.3.ニュッサのグレゴリオス
・神化に向かう修行の過程、段階を定める。