マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【映画メモ】福島映像祭2021 島田陽磨監督『原発故郷3650日』

ポレポレ東中野 日本電波ニュース社

児童虐待などのDV被害の件数が震災前の10倍に増加。若者の自殺率も全国1位。
・身内の自死を経てのウツ、PTSD、アルコール依存、自殺未遂。
大熊町、即日避難でそれ以来帰れず。ペットを置いていかざるを得なかった。
・帰宅困難区域と解除区域が隣り合わせ。風が吹けば線量も上がる。
・山があって、海があって、自分には最高の場所だった
・慣れない土地で高齢で再就職 人生設計が全く狂った
楢葉町障害者施設再建
・人口復帰率、一時的に住んでいる作業員もカウントしている。
・高齢者だけ戻り、若い人は出てったままの地域
・「頑張ろう」。いわれなくても限界まで頑張ってきた、これ以上何をどう頑張ればいいのか。
・もともと塩分が多く痩せた土地 満蒙開拓団が帰国して開いた土地
・南米への移民も多かった土地
・そこに東京電力が目をつけた
・関連企業誘致、開発の嘘。そもそも原子力発電は人口が多い地域には建てられない
安全神話プロパガンダ。特に小中高生に刷り込む。
・北海道 核最終処分場 寿都(すっつ)町 神恵内(かもえない)村
・20億の調査協力交付金
・漁業の衰退した過疎地
・福島の海 せっかく9年間耐えてやっと綺麗になってきたのに、なぜトリチウム水をこの期に及んで流すのか。
・同じ過ちを繰り返さないように、資料館
・五輪聖火リレーパレード スポンサーDJ
・復興とは何か
監督舞台挨拶
・道路や設備は復旧できても、コミュニティは復興できない。
・沖縄との共通点 沖縄戦の悲惨な記憶が、若いうちは必死に働いて考えないようにして、老人になって出てくる。遅発性PTSD
・明らかに国策の犠牲者なのに さらなる隠蔽
 
◆感想:面白かった。色々問題点が網羅されていて勉強になる。あの辺が満州帰りの人たちが開いた土地だとは知らなかった。犬を供養するシーンが辛い。田舎は広くて立派な家が多い。そこから都会の狭いマンションは本当にきついと思う。生活そのものが全く違う。復興といいながらまたトリチウム水を放出するというダブルスタンダードダブルバインドが純粋な子供の心を傷つけている。まだ収束していない。心の傷に連帯することはできるか。日本国民に「絆」はあるか?

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