マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】をのひなお『明日、私は誰かのカノジョ』1巻-8巻(サイコミ×裏少年サンデーコミックス 2019-2021年)

・男女の所得格差
・エロティック・キャピタル(セクシャル・キャピタル、性資本) 性的魅力 キャサリン・ハキム
ヒアルロン酸
・ルックスの競争 女子力 劣等感 
・ブスという言葉がトラウマ
美容外科 整形費用 
・深田えいみ 韓国の整形文化
・ホストクラブの「初回」
・送り指名 帰り際のキス ストゼロストロー
・メンケア
・お世辞でも褒められると嬉しい
・色恋管理 竿管理
・ホスラブ
・嫉妬を使う。客同士で競わせる。 ジラール 欲望の三角形
・「担当は担当」「担当は誰のものにもならない」
・「麻薬にも似た陶酔と快楽と――虚無」
・「少女漫画の世界」
・リシャール(ブランデー)300万円 カフェ・ド・パリ(フルーツ・スパークリングワイン)1.5万 
・姫と王子
・ホテヘル
・担当と被りが嫌すぎてパキリキャス
・アフターでキス
・「お前らは客のこと泣かせてばっかりでなにがホストだよ!!女のこと馬鹿にしやがって」「この寄生虫が」
・大学退学 母親とのLINE
・田舎の閉鎖性 「他人同士が牽制しあって、監視しあって、足を引っ張り合って、気持ち悪い」
 
◆要約:レンタル彼女、パパ活、整形、ホストクラブ、歌舞伎町。そこに携わる少女のデリケートな心理。男女のすれ違い。
◆感想:とても面白かった。知らない世界を漫画で覗いた気分になる。
通底しているのはお金。
大学に通うのに莫大なお金がかかり、親の援助が足りない子は、高時給のバイトをするしかない。
『東京貧困女子』の中村淳彦氏が、水商売と大学は持ちつ持たれつの共犯関係ではないかと指摘していたのを思い出す。
大学生でなくても、東京に住むだけで法外な家賃がかかり、折からの慢性不景気で、生活は常に苦しい。だからレンタル彼女という商売やパパ活が発生してしまう。
 
単純な感想だが、ホストクラブは本当に悪だと感じた。
寂しさや承認欲求を埋める商売だということは理解できるが、それにしても金額がえげつなすぎる。
不景気に応じて、ガールズバーという比較的安価なサービスがうまれたように、女性向けもボーイズバーのような、比較的安価に楽しめる形態がうまれていくような気がする。
 
大きな物語(近代やら高度経済成長やら人類の進歩と調和)の時代が終わって、国としても個人としても目標を見失って、だらしないデカダンの時代になっている。
そういう無気力さ、虚無感も通奏低音として感じる。