マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【映画メモ】日大全共闘映画班製作『日大闘争』(1968年)『続日大斗争』(1969年)

発掘された映画たち2022@国立映画アーカイブ

◆感想:とても迫力があり面白かった。
日大の酷さ。右翼、機動隊、体育会系の学生を動員。
先に暴力を使用したのは日大の方。それに対抗する、正当防衛のための暴力(ゲバ棒、ヘルメット、投石)。
バリケード、解放区。神田カルチェ・ラタン。
敷石の下には土。
俺たちは奴隷なのか?誰だって尊厳を持って生きたいんだ。損得じゃない。人間の誇りを賭けた闘い。
世界と呼応・連帯していたことがわかる。
演説も立派。思想を借りてきたとしても、それを自分の身体に落とし込んで、自分で一度納得して話していることがわかる。
そのような言葉は、たどたどしくも、自然に伝わる。
使途不明金、脱税、ヤミ給与、授業料値上げなど日大が酷すぎるので、学生の側に正義があることは明らか。
9月30日の「大衆団交」で取り交わした約束も勝手に反故にするし酷すぎる。
それでも国家という強大な権力には敵わない。
マスコミも動員されて、外堀を埋められる。真綿で首を締められる。
闘いは必然的にいずれ終わる。敗れる。そのことはみんなわかっていた。
それでも打ち上げ花火のような美しい闘いだったことが、この2本の映画で伝わった。
それにしても2021年。古田重二良から田中英壽に固有名詞が変わっただけで。日大の酷さは何も変わっていなかった。
廃学したほうがいい。