マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】平岡正明『若松プロ、夜の三銃士』(愛育社 2008年)

目次

序章・夜の三銃士

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』への全面対案

大藪春彦汚れた英雄』北野晶夫
闇市テーゼ 闇市=コンミューン、ソヴェート
塩見孝也=一向建『過渡期世界論』「ええか!ベトナム戦争を歴史的な軸として、中国では文化大革命が権力を解体しつつある。フランスでは五月革命カルチェラタン闘争がドゴールを追いつめた。アメリカではベトナム反戦運動と黒人公民権運動が、ジョンソンを退陣させた。これはいったい何を意味するんや?世界で同時に資本主義からの脱却が始まった、ってことや。いまや、世界は革命への過渡期にある!」
トロツキー『過渡的綱領』 革命軍を志願制ではなく徴兵制にしたのがトロツキーの天才
三島由紀夫割腹から8ヶ月後 1971年7月30日、全日空機雫石衝突事故 市川訓練生
・1972年4月16日 梅内恒夫「共産同赤軍派より日帝打倒を志すすべての人々へ」『映画芸術』『序章』『蝶恋花通信』各編集部宛て
太田竜『辺境最深部に向って退却せよ』、竹中労「汎アジア窮民革命論」、竹中・平岡『水滸伝、窮民革命のための序説』
西村寿行『鬼女哀し』(1980年)三光作戦「殺し尽くし・焼き尽くし・奪い尽くす」
金嬉老(1968年2月)テーゼ 清水市旭町のキャバレー「みんくす」 稲川組やくざの曽我という男 観念的左翼と現実的に抑圧されつづけて生きてきた在日朝鮮人の差 アマとプロ、子供と大人の違い
・泉水博 統一獄中者組合 横浜戸部 ハロー流し
奇兵隊 農民、博徒、力士 非正規軍
清水次郎長28人衆 天田五郎『東海遊侠伝』 戦闘と平坦の分離 張良と蕭何 マグマのような反抗心と欲望の持ち主
P92まで

赤色犯科帖―テルアビブに流れる

・革命ではなく建国すること
・『性輪廻 死にたい女』(1971)三島由紀夫事件後すぐに撮る
・男の触媒たる女 革命にも反革命にもなり得る
・隈太茂津を禁錮四年に、同市川良美を禁錮二年八月に処する 雫石事故
北一輝 佐渡ヶ島出身
亀井文夫『上海』
パレスチナの視点を撮るということは、イスラエルにも取材すべきだ。

三十五年の一陣の風―いろいろあった―やつは変わっていない 足立正生『幽閉者』

戦争の映画か革命の映画か(赤軍―PFLP・世界戦争宣言)

××主義のいろはにほへと―若松・足立『性賊(セックス・ジャック)』

秋山道男の切れあじ

テキヤは、体力、知力、気力、アイデア、駆けひきの力が、常人の二倍はあると思ってよい。空理空論がない。実行できないことは手をつけないし、考えない。秋山道男がそうだ。
・ガイラ(小水一男)、オバケ(秋山道男)、め組(吉積恵)

佐々木守、七年目の恋文

・批評戦線 相倉久人足立正生佐々木守平岡正明松田政男

若松孝二ふたたび―『聖母観音大菩薩』

若松対ゴダールのフーガ決闘

・暗殺=標的が下がってくる テロル=標的が上昇していく

追悼 西村寿行 連赤事件と『鬼女哀し』

・新宿ジャズライブハウス「タロー」と「ピットイン」

イテテテテテ…

大和屋竺的な若松孝二作品『裸の銃弾』

大和屋竺『裏切り者の季節』におけるベトナム革命の飛び火

ベトナム戦争時代の横須賀どぶ板横丁の活況 かわぐちかいじ『牙拳』
・北海道の特殊性 日本ではない感じ

沖島勲まんが日本昔ばなし』について

・1200話。1975-1995の20年間。

一万年後、地球は丸く、四十年前、女の尻も丸かった

沖島勲『一万年、後....。』阿藤快主演
・敗戦後、男は敗残兵だった。自信喪失して空洞(うろ)がきていた。その間、女が頑張った。ひばりの母親加藤喜美枝で言えば、亭主の出征中、魚屋をつづけて横浜滝頭から市電に乗って青木橋の卸売市場に魚を仕入れに行き、商をし、和枝とその下の弟2人を育て、夫増吉は復員してきて軍隊放出品の楽器(ギターと太鼓とクラリネット)を青年たちに教え、素人楽団を組織していちはやく復興の希望を歌い上げたが、それはアマチュアの域を出ないものであり、一座のスター和枝がプロになることに反対した。父親が超せなかった芸能のプロになるという壁を敢然と超えたのは母喜美枝と少女和枝自身の意志だった。美空ひばりの誕生である。
・国民歌手の誕生は、クラシックなりジャズなりの既成の音楽体系(メソッド)によらず、戦争、革命、飢餓などの国民的体験が庶民出身の少年少女の成長過程に宿ったときに実現するというテーゼには、戦争に負けた男に対する、母娘という女の生活の勝利の側面もあるのだ。ひばりと百恵、戦後歌謡曲史を画する2人の天才少女に共通して、母娘が正面に出るに従い、父親が消えてゆくという性格がある。
浅草国際劇場出演の帰り、横浜駅プラットホームでマネージャー福島通人の背に負われて家に帰るひばりの有名な写真があった。この写真は発表当時、疲れて立てないまでこどもを働かせる児童憲章違反の好例として新聞世論から叩かれた当のものだが、よく見てくれ。ひばりと微笑を交わしている女性はおっ母さんであり、小学校卒業も危ぶまれるまで栄光につつまれた奇蹟のスターの輝きである。学歴社会にはまった現在から見ると、小学生がエネルギーに満ちていた闇市時代という転形期だ。
・『ニュー・ジャック&ベティ、新夫婦生活読本』(1969)
・足立、沖島 日大映
・『韃靼人宣言』(64年) 早大犯罪者同盟
沖島 澁澤龍彦埴谷雄高高橋鐵(てつ)の影響
埴谷雄高 フランス革命の3L 政治家のラマルク、科学者のラボアジェ天文学者ラプラス
フランス革命時の3Lの一人ラプラスの星雲の彼方と現世とを往復する思考法を引いたものがフランスの空想的社会主義の系譜である。フーリエのみならず、ルイ・オーギュスト・ブランキもそうであり、ブランキは類稀れなる革命の職人であると同時に、天体の運行と地上の現象の関係を読みとろうとする夢想家でもあった。そして彼は生涯の半分以上を過した牢獄の中にあって、宇宙の謎と革命の技術を考えつづけた。
日本では宇宙とプロレタリア権力を考えつづけた思想家が埴谷雄高だった。キリスト教の神なんて地球一局的なドメスチックなものにすぎない。6日働いて1日休み、地球1箇を作ったにすぎない。太陽系全体にも届かぬ一局一星的なもの、すなわちスターリン主義の国革命論的なものである。それに対し埴谷雄高は日々生成し、永遠無限に変化しつづける宇宙を考えた。永久革命論だ。
無限永遠に変容しつづける宇宙における今という現存在、それが埴谷雄高存在論的ラジカリズムということである。この思考は埴谷にあっては宇宙論プロレタリア独裁ー転向論という三軸をなし、ブランキの思考が、宇宙論ー革命の技術ー獄中の思索という三軸であったことのみごとなパラフレーズである。
その埴谷雄高を引いたのが足立正生沖島勲である。足立『幽閉者(テロリスト)』によってまさに日大映研以来の神秘主義がよみがえっているではないか。イスラエルの獄につながれた岡本公三に訪れるものは獄中の革命家の先達、ブランキとネチャーエフである。
・1964年 京都祇園会館『鎖陰』フィルム盗難事件 犯罪者同盟 平林猛、諸富洋治、田辺繁治
毛沢東の教養 地主の息子 康有為や梁啓超らの思想 明治維新に関心 アダム・スミスモンテスキューなどの社会科学系の書物 宮崎滔天の講演を聞く 新文化運動→五四運動 抗日、反帝国主義 『新青年』 司書補→帰郷して中学の歴史教師 出版社と雑誌を創立 中国共産党中国国民党への参加
・童話=道教的 説経節=仏教のプロパガンダ 江戸落語儒教
・足立 筑豊炭田 大陸浪人的→アラブ
レーニン『左翼小児病』 「沈滞、頽廃、分裂、不和、裏切り、わい談が政治的にかわる。哲学的観念論への憧憬がつよくなる。反革命的傾向のヴェールとして神秘主義が現われる」としたその頽廃のメルクマールを、ほんとかどうか全部やってみようじゃないかと宣言→犯罪者同盟

あとがき

・若松、足立、大和屋、沖島四銃士
6/28読了

◆感想

◆感想:いま『実録・連合赤軍』関連の本を読んでいる。
平岡正明の本を初めて読んだが、どんな感じなのか知れてよかった。
栗原康さんの文体に影響を与えたのがわかる。リズム感を大事にする感じ。講談調というか。
恥ずかしいことだが、この本を読んで初めて全日空機雫石衝突事故のことを知った。
自分が無知なのもあるが、相当報道規制が働いていると思う。こんな大事故なのに。
西村寿行もいつか読んでみたい。三光作戦とか731部隊とか日本軍の惨たらしさ・戦争の惨たらしさは、まだ全く精算出来ていない・総括出来ていないと感じた。その歪さが、いろんな事件事故の根本原因となっている。
沖島勲『一万年、後....。』は観たい。
埴谷雄高とブランキの話が面白かった。宇宙から見れば、地球でさえ結局ドメスティック。
平岡正明たちはまあ「左翼小児病」なのかもしれない。嫌われるのもわかる。
左翼は政治の領域で負けた。でも、文化の領域で善戦してる。そんなことを感じた。