【映画メモ】エドワード・ヤン監督『恐怖分子 デジタルリマスター』(1986年)
@Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
◆感想:面白かった。
5年後に作られた『牯嶺街少年殺人事件』と比べるとスケールも予算も何もかも違う。
崔洋一監督『十階のモスキート』とかと近い感じがする。
台湾ニューシネマ。
スタイリッシュで静謐。ストーリーは予定調和を外れて曖昧。写実的。
やっとわかったのだが映画監督の才能って美的センスなんだなと感じた。
エドワード・ヤンは建築の素養もあるらしく、とにかく建築を綺麗に撮る監督だと思う。
写真青年が街をぶらぶらするようなシーン、主人公(?)が病院をとぼとぼ歩くシーンがよかった。
経済成長途上の台北で、再開発途中の地域で、矢崎仁司監督『三月のライオン』的な廃墟映画的趣もある。静謐で無機質な住宅街。
いくら経済成長しても人の寂しさは埋まらない。

【読書メモ】池田名誉会長『なぜ小指は切られたのか~アキノリ将軍未満エンコ詰め(指切断)事件記録&外山恒一ストーカー事件記録~』
2026/08/14 第7版(外山公判第4回を記録)
◆感想:PDFをXアカウントからダウンロードさせてもらい読む。不謹慎だけどとても面白かった。2日に分けて一気に読んでしまった。
まず著者の情熱というか執念のようなものを感じる。
この労作を無料で読ませてもらうのは悪いと思うくらい、いまの段階でドキュメンタリーとして傑作だと感じた。淡々と時系列に事実を羅列していくスタイルでテンポがよい。
なんというか政治(社会)運動のサブカル化というかメンヘラ化ということをまず第一に感じるが、そもそもいまこの社会が一億総メンヘラ化しているような状態だからメンヘラであることがリアルでありアクチュアルだと感じた。
社会運動をしたり革命を目指している人たちは、このバーチャルで嘘くさい世の中で何か手触りのあるリアルで本質的なものを求めていると思う。
だから外山恒一が775りすさんに恋をしてしまったのは止められないことだし、775りすさんだって悩んだ末に自分の言葉で断ったのも普通のこと。アキノリ氏がエンコ詰めしたこともそういうリアルなもの、バタイユの言う至高性、ラカンの言う現実界的なものを求めた結果だと感じた。
・ジョルジュ・バタイユの言う「至高性(スーヴランテ)」とは、利益や有用性、将来の目的のために生きることを拒絶し、今この瞬間の「生」そのものに全き価値を置く、過剰で自由な状態のこと。
・ジャック・ラカンの言う「現実界(ル・レエル)」とは、言葉(象徴界)やイメージ(想像界)では決して捉えることができず、常に意味化を拒み続ける、圧倒的で不可能な次元のこと。
(google AIより)
この騒動はほとんど圧倒的無意味。有用性からかけ離れている。だからこそいまの社会を映し、鋭く批評していると感じる。社会を良くしていくことなんて絶対に出来そうもない世の中で、ただこの瞬間の「生」を楽しむ。意味も価値もない。銀杏BOYZや神聖かまってちゃんや大森靖子らのロック、歌舞伎町のホス狂いなんかと共通する表れを感じた。しいて言えば自意識と自己肯定感と承認の問題か。でもそれを超えて無意味な事件。
一点ストーカー行為について、外山恒一はポリコレ批判としてストーカー行為を肯定しているようなところがあるが、江戸時代から「粋」と「野暮」という価値観があり、近代批判にするのは無理があると思う。
陰核派や結束主義については何もわからない。
自分はなぜ外山恒一がこの事件の前まで学生にこれだけ人気が出て外山合宿が盛況になったのか、その人脈や契機に興味がありそれを知りたくてこういう文書を読んでいるところがあるが、それもこの文書ではわからなかった。でもなんとなくこういう若者たちの界隈があるということを知れて勉強になった。
自分もアーレントの言うように活動に興味があり大事だと思っている一人として、若者の社会運動の行く末とこの裁判の結果も追いたいと思っている。野次馬根性が殆どだけど。
改めて詳細な記録をまとめてくれた著者に感謝したい。

【イベントメモ】大山ビエンナーレ配信企画「イベントバーを語る」
@大山ギャラリーろくさん
話し手:なかすのちゅうさん
聞き手:あかねスタッフ複数人
・王子北協会 沼田牧師→エデン
・上梨裕奨 渋家
・大山海『令和元年のえずくろしい』
・池田名誉会長
・エデン蒲田 東京都議 おぎの稔
・下北沢 アジナイト
・イベントバー 1日店長制 企画持ち込み制
・武蔵新城 新城サカバー
・ライブバーやギャラリーのシステムと近い 場所貸し
・東池袋 りべるたん ゆとり全共闘
・あかね だめ連 交流の拠点
・ロフトプラスワン=一応壇上がある あかね=全てフラット
・赤坂Bar三代目 大川宏洋 俳優
・スカウター=1日店長をスカウトする仕事
・企画をパクらない 仁義を通すこと
・家賃の安い物件を探すこと 居抜き
◆感想:興味のあるテーマ。かなり不思議な内容だったが面白かった。
とにかくイベントバー「エデン」が重要らしい。そこから色々派生していった。
学生運動界隈、シェアハウス界隈との結び付き。一部スポンサーも付く。
ゼロ年代後半からテン年代前半にかけて流行った、いわゆるソーシャル系というか、岡田斗司夫「評価経済」とか、phaさんとか、イケダハヤトとか、
デジタル・ネイティブ世代のオルタナティブな生き方系の運動の一環のように感じた。
しかし成功するのは一握りで家賃と人件費を払うのが大変らしい。
でも若者が魅せられるのもわかる。

【イベントメモ】藤井ペイジ、エル上田「芸人廃業出版記念トークライブ」
@ROCK CAFE LOFT

