橋爪大三郎、大澤真幸「ふしぎなキリスト教」 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

 
■目次
まえがき

第1部 一神教を理解する――起源としてのユダヤ教

 1 ユダヤ教キリスト教はどこが違うか
 2 一神教のGodと多神教の神様
 3 ユダヤ教はいかにして成立したか
 4 ユダヤ民族の受難
 5 なぜ、安全を保障してくれない神を信じ続けるのか
 6 法律の果たす役割
 7 原罪とは何か
 8 神に選ばれるということ
 9 全知全能の神がつくった世界に、なぜ悪があるのか
 10 ヨブの運命――信仰とは何か
 11 なぜ偶像を崇拝してはいけないのか
 12 神の姿かたちは人間に似ているのか
 13 権力との独特の距離感
 14 預言者とは何者か
 15 奇蹟と科学は矛盾しない
 16 意識レベルの信仰と態度レベルの信仰

第2部 イエス・キリストとは何か
 1 「ふしぎ」の核心
 2 なぜ預言書が複数あるのか
 3 奇蹟の真相
 4 イエスは神なのか、人なのか
 5 「人の子」の意味
 6 イエスは何の罪で処刑されたか
 7 「神の子」というアイデアはどこから来たか
 8 イエスの活動はユダヤ教の革新だった
 9 キリスト教の終末論
 10 歴史に介入する神
 11 愛と律法の関係
 12 贖罪の論理
 13 イエスは自分が復活することを知っていたか
 14 ユダの裏切り
 15 不可解なたとえ話1 不正な管理人
 16 不可解なたとえ話2 ブドウ園の労働者・放蕩息子・九十九匹と一匹
 17 不可解なたとえ話3 マリアとマルタ・カインとアベル
 18 キリスト教をつくった男・パウロ
 19 初期の教会

第3部 いかに「西洋」をつくったか
 1 聖霊とは何か
 2 教養は公会議で決まる
 3 ローマ・カトリック東方正教
 4 世俗の権力と宗教的権威の二元化
 5 聖なる言語と布教の関係
 6 イスラム教のほうがリードしていた
 7 ギリシア哲学とキリスト教神学の融合
 8 なぜ神の存在を証明しようとしたか
 9 宗教改革――プロテスタントの登場
 10 予定説と資本主義の奇妙なつながり
 11 利子の解禁
 12 自然科学の誕生
 13 世俗的な価値の起源
 14 美術への影響
 15 近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂い
 16 無神論者は本当に無神論者か?
 17 キリスト教文明のゆくえ

あとがき
文献案内
 
近代=西洋的な社会
キリスト教 ローマ中心西側 カトリック 東側 正教会(オーソドクシー)
西洋=キリスト教型の文明
現代は近代を相対化しなくてはならない時代。
 

第一部 一神教を理解する ー起源としてのユダヤ教

1 ユダヤ教キリスト教はどこが違うか
ユダヤ教キリスト教=ほとんど同じ。
イスラム
ユダヤ教を内包する 否定的なものとして肯定する
たった一つだけ違う点→イエス・キリストがいるかどう
旧約聖書ユダヤ教
廃されるのではなく、残されている
ユダヤ教 ヤハウェ(エホバ)
間に誰かを挟む=預言者 ヨハネ
イザヤ、エレミア、エゼキエル、モーセ → イエス
「メシア」(ヘブライ語)=救世主=「キリスト」(ギリシア語、ラテン語
エス預言者より上。だって神(の子)だから。
イスラム教のムハンマド預言者
 
2 一神教のGodと多神教の神様
神道多神教
多神教=神様は仲間、友達
一神教のGodは人間を「創造する」
Godは怖い。
Godを信じるのは安全保障のため。
Godとの契約=日米安保条約みたいなもの。
 
3 ユダヤ教はいかにして成立したか
イスラエルパレスチナ)=エジプトとメソポタミアの両大国に挟まれた弱小民族
バビロン捕囚
マックス・ヴェーバー「古代ユダヤ教
ヤハウェは、最初、シナイ半島あたりで信じられていた、自然現象(火山?)をかたどった神だった。「破壊」「怒り」の神、腕っぷしの強い神だったらしい。そこで「戦争の神」にちょうどいい。イスラエルの人びとは、周辺民族と戦争しなければならなかったので、ヤハウェを信じるようになった。
日本にも似たような「八幡」という神。
逃亡奴隷やならず者やよそ者もヤハウェを祀る祭祀連合
旧約聖書の歴史はおそらく嘘(モーセヨシュア
 
4 世俗の権力と宗教的権威の二元化
Godが王を選ぶ。 預言者 権威と権力の分離
イスラエル王国 南のユダ王国に分裂
アッシリア バビロニアの侵攻 バビロン捕囚
イスラエルの民の神→世界を支配する唯一の神 に格上げ
ヤハウェにどうやって仕えるか
1.犠牲を献げる 祭司 サドカイ派
2.預言者に従う 預言者ヨハネ、イエス
3.モーセの律法を守って暮らす 律法学者(ラビ) パリサイ派
 
5 なぜ、安全を保障してくれない神を信じ続けるのか
6 法律の果たす役割
律法 「国家はあてにならない。あてになるのはGod(ヤハウェ)だけだ。Godとの契約を守っていれば、国家が消滅しても、また再建できる。」
 
7 ギリシア哲学とキリスト教神学の融合
8 イエスの活動はユダヤ教の革新だった
アブラハム、イサク、ヤコブ……60万人
モーセ出エジプト記
シナイ半島を40年さまよい
カナンの地(いまのパレスチナ)に定着
人間中心か神中心か。これが多神教一神教の違い。
「人生のすべてのプロセスが、試練(神の与えた偶然)の連続なのであって、その試練の意味を、自分なりに受け止め乗り越えていくことが、神の期待に応えるということなんです」
「試練とは、神が人間を「試す」という意味ですね。神は人間を試していいんです。人間が神を試してはいけない。」
 
9 全知全能の神がつくった世界に、なぜ悪があるのか
仏教は言ってみれば、唯物論
仏教の法則は、言葉にできないので、量産できない。一人一人修行するしかない。
「この、Godとの不断のコミュニケーションを、祈りといいます。」
この種の祈りは、一神教に特有のもの。
祈りを通して、ある種の解決が与えられると、赦しといって、Godと人間の調和した状態が実現する。
そうすると、残る考え方は、これは試練だ、ということ。
「アーメン」=「その通り、異議なし」
 
10 ヨブの運命――信仰とは何か
ヨブ記
ヨブ記のサタン=神の代理で地上を査察して回る係。
神のとんちんかんな答え
この世界が不完全なのは、楽園ではないから。そして人間に与えられた罰だから。
これが、試練ということの意味です。試練とは現在を、将来の理想的な状態への過渡的なプロセスだと受け止め、言葉で認識し、理性で理解し、それを引き受けて生きるということなんです。信仰は、そういう態度を意味する。
グノーシス主義 一世紀頃発生
善と悪との完全な二元論
 
11 なぜ偶像を崇拝してはいけないのか
一神教 侵略や戦争など過酷な環境
一神教、仏教、儒教=神々の否定
儒教=脱魔術化
偶像崇拝禁止=他の神々の否定 偶像をつくったのが人間だから
人間が自分自身をあがめてはいけない
 
12 神の姿かたちは人間に似ているのか
13 権力との独特の距離感
仏教、儒教一神教=普遍宗教、世界宗教
→多民族が共存した帝国の宗教
ユダヤ民族はもともと寄留者(移民)だった 土地所有が認められない
7日目 安息日 奴隷や牛馬の消耗を防ぐ 社会保障
50年目ごとに債務を帳消しにして奴隷を解放する「ヨベルの年」という規定もあった。
落ち穂拾い 寡婦や孤児の権利 こういう社会福祉的な規定「カリテート」
「カリテートは、イエスの教えの根底にも流れている考え方で、ユダヤ教がこの点を強調しなかったら、キリスト教もありえなかった。貧富の格差の拡大や社会階層の分解を警戒し、権力の横暴を見過ごせない。低所得者や弱者への配慮を、ヤハウェは命じている。」
ユダヤ教と権力
1.王権神授
2.長老の同意
3.預言者の批判
王権を民衆がコントロールするという、一種の民主主義。
 
14 預言者とは何者か
シャーマン 神がかり
民衆の中からふいに出現する
→ジャーナリズムの起源
 
15 奇蹟と科学は矛盾しない
預言者のしるしとして奇跡を与える 奇跡は科学に属する
 
16 意識レベルの信仰と態度レベルの信仰
 

第2部 イエス・キリストとは何か

1 「ふしぎ」の核心
イエス・キリスト預言者ではなく神
エスヘブライ語ではヨシュア
 
2 なぜ預言書が複数あるのか
マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ福音書=証言録
福音書の前にパウロの書簡
 
3 奇蹟の真相
ナザレ出身
 
4 イエスは神なのか、人なのか
父、大工のヨセフ 母、マリア
きょうだいあり 自身も大工 地元のシナゴーグに通い、旧約聖書をよく勉強した(パリサイ派モーセの律法)。
30前にナザレを出て、洗礼者ヨハネの教団に加わる。その後、何人かを連れて教団を離れる。ガリラヤ地方や、パレスチナ各地を訪れ説教。
預言者のように行動。あちこちで、パリサイ派サドカイ派とトラブルを起こす。エルサレムで逮捕され、死刑。
処女懐胎
預言者→グレードアップ→メシア(ヘブライ語)、キリスト(ギリシャ語)
メシアは、救世主なので、世の中をつくりかえる。ただ神の言葉を伝えるだけの預言者とは違います。マルクスレーニンのような感じで、革命家なわけです。
ところが死んじゃった。失望。→3日後に復活。
メシアからさらにグレードアップ。
パウロ 小アジアのタルソで生まれたユダヤ教徒。ローマの市民権。キリスト教迫害の急先鋒だったが、復活したイエスを見て「回心」。
 
5 「人の子」の意味
最古の黙示文学『ダニエル書』
 
6 イエスは何の罪で処刑されたか
当時ユダヤはローマの属州
罪状「神を冒涜した」罪
先輩格のヨハネも非業の死
 
7 「神の子」というアイデアはどこから来たか
神の言葉を直に述べる。100%神の意思と合致している。
 
8 イエスの活動はユダヤ教の革新だった
エスがやっていたことはユダヤ教の革新運動
 
9 キリスト教の終末論
神の国が近づいた」
ユダヤ教の終末論=ヤハウェが直接介入してくる。ユダヤ民族が救済される。
エスの「神の国」は崩壊 世界がリセットされて、つくり直される。
神の国」に入れる人と入れない人がいる。秩序が全て逆転する。
>>ユートピアと退屈と欲望について<<
 
10 歴史に介入する神
ノア→アブラハムモーセ→イエス
 
11 愛と律法の関係
愛は律法がたかちを変えたもの 関係のないところに関係をつくる
愛=自分がほかの人を裁かない事 1階に律法、2階に隣人愛
 
12 贖罪の論理
昔は報復、復讐法だった。
 
13 イエスは自分が復活することを知っていたか
14 ユダの裏切り
最後の晩餐「この中で一人、俺を裏切る」
「自己成就的な予言」
「ユダの裏切りがプロットのために絶対必要だが、そうすると、福音書で最も大事な役割を果たし、神の計画を完成させているのは、ユダなんです」
ペテロ 一番の弟子 天国の鍵 代々 カトリック教会の法王
 
15 不可解なたとえ話1 不正な管理人
「神と富の両方に仕えることはできない」「不正にまみれた富で友人をつくりなさい」
 
16 不可解なたとえ話2 ブドウ園の労働者・放蕩息子・九十九匹と一匹
17 不可解なたとえ話3 マリアとマルタ・カインとアベル
18 キリスト教をつくった男・パウロ
パウロ パリサイ派 
青年行動隊長 新興勢力のキリスト教徒を片っ端から捕まえては尋問し、弾圧していた。
エルサレムからダマスコに移動する最中、イエスに会って落馬→回心
12人の弟子の能力(教養)があまりに低かった。パウロギリシア語が出来た。
 
19 初期の教会
313年 ローマ コンスタンティヌス帝 キリスト教公認
392年 ローマ テオドシウス帝 キリスト教国教化 
 

第3部 いかに「西洋」をつくったか

1 聖霊とは何か
三位一体 「父なる神」「子なるキリスト」「聖霊
パウロの手紙→聖霊が書かせた→聖書
 
2 教養は公会議で決まる
多数派が正統、少数派が異端
公会議聖霊が働いているから、従わなくてはならない
381年、第一回コンスタンティノープル会議
 
3 ローマ・カトリック東方正教
西側 カトリック/東側 正教(オーソドクシー)
ローマ帝国分裂
ラテン語ギリシア語 ケザロパピズム(皇帝教皇一致主義)ロシア正教会 セルビア正教
 
4 世俗の権力と宗教的権威の二元化
八木雄二『天使はなぜ堕落するのか』
ケルト人、ゲルマン民族ドルイド教
樹木崇拝、小人、妖精→キリスト教に入り込んだ
聖職叙任権闘争封建制(荘園貴族制)
教会や修道院 旧約聖書の10分の1税を求めた
王権と教会が併存する 西ヨーロッパ社会の骨格
教会の情報ネットワーク 人間の救済に関する権限
「そして、結婚にも介入した。結婚は本来、世俗のことがらで、キリスト教と関係なかったんですけども、教会は何百年もの長い時間をかけて、それを秘跡サクラメント)だということにした。教会が認める結婚が、正式な結婚になった。主権者である神の許可によって、結婚できるというわけです。どういうふうにこれが政治力になるかというと、封建領主の権力基盤は土地で、それを相続するでしょう。相続権は、正しい結婚から生まれた子どもに与えられることになっていったから、教会の協力がないと、封建勢力はみずからを再生産できない。世代交代のたびに、教会にあいさつが必要になる。王位継承や土地相続のたびに、教会に介入のチャンスが生まれる。これが政治的パワーになった。」
教会と封建領主は持ちつ持たれつの二人三脚
 
5 聖なる言語と布教の関係
ラテン語はちんぷんかんぷん→絵画、音楽、儀式
王=大名 新興武士
「ここで教会と王(キング)の関係が焦点になる。教会は王を支援して、戴冠という儀式を考えた。あなたは正統な王です、みたいな証明の儀式です。教会はこうして、少なくとも名目上、王に対する優位を確保した。教会が王よりも優位なら、教会のトップである教皇が命じて、王たちを戦争に行かせる、十字軍みたいなことも可能になるのです。」
 
6 イスラム教のほうがリードしていた
イスラム教 成立 7世紀 ムハンマド預言者
ヴェーバー、合理化、合理性=近代化
キリスト教の優位、一番は自由に法律をつくれる点→経済(ビジネス)と親和的
宗教改革は、キリスト教の原則に立つなら、伝統社会の慣習も教会の慣行も、聖書に根拠をもたないならすべて無意味であるという結論を導いた。ローマ教会は慣習の塊だったから、宗教改革のこの批判は決定的な意味をもった。」
宗教戦争→負け組がボート・ピープルとなって新大陸へ
 
7 ギリシア哲学とキリスト教神学の融合
アリストテレスの影響 トマス・アクイナス
神の法/自然法/国王の法
自然法=理性を働かせれば発見できる
理性は、神に由来し、神と協働するもの。
 
8 なぜ神の存在を証明しようとしたか
ヤハウェ=「存在」という意味。
否定神学=神については何も言えない。
 
9 宗教改革――プロテスタントの登場
プロテスタント=16世紀から17世紀にかけてカトリックの主流派を批判して出てきた、キリスト教のさまざまなグループ。
神-聖書-人間
余計なものを排除 潔癖 ミサや、教会、儀式を否定
「極端を言えば、聖書さえあればよく、自分と神だけが対話している、これが理想です。」
なかには教会は必要ないという、無教会派。 たいていは集団(教会)をつくり、牧師を置いている。
プロテスタントは曖昧さを許さないため、いくつものグループ(教会)に分かれる。
ルター派カルヴァン派、クウェーカー、バプティスト、アングリカン・チャーチ(英国国教会)など無数。
メソジストは分裂しまた合流
プロテスタント 教会を中抜き/カトリック 教会を重視
分裂したとはいえ、キリスト教なのは共通
 
10 予定説と資本主義の奇妙なつながり
ヴェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
特にカルヴァン派のつくり出した教義に規定された生活態度(エートス)が、近代的な資本主義への決定的なドライブ
カルヴァン派=予定説
1.神の国に行けるか地獄に落ちるか既に決定されている
2.人間はそれを知ることができない
ピューリタン=イギリスのカルヴァン派
「なのに」勤勉に働く=神の恩寵を受けているのではないか?
→進んで、「成功」
 
11 利子の解禁
利子は、キリスト教徒の間ではもともと禁じられていました。とりわけ、中世には厳しく禁じられていた。最大の罪の一つ。
ユダヤ教同士では禁止。異教徒から取ることはOK。キリスト教徒はユダヤ教徒から、ユダヤ教徒キリスト教徒からお金を借りる。利子を払って。
シェイクスピアヴェニスの商人』 シャイロック ユダヤ
「ではなぜ、利子を取ってはいけないのか。利子それ自体がいけないのではなくて、利子を取ると同胞を苦しめることになるから。借金を申し込むのは、多くの場合、困窮した人です。困窮した同胞に借金を頼まれたら、利子を取って追い打ちをかけてはいけない。利子なしで貸してあげなさい、という規定なのです。」
質屋 上着は夜返す 石臼は駄目
利子の禁止は、単純に困る人がいるから
ジャック・ル=ゴフ『煉獄の誕生』 天国と地獄の中間
利子はせいぜい煉獄
 
12 自然科学の誕生
科学革命の担い手は、むしろ熱心なキリスト教徒。しかもたいていプロテスタント
1.人間の理性に対する信頼が育まれた
2.世界を神が創造したと固く信じた
=自然科学の車の両輪
スチュワードシップ 空き家になった地球を人間が管理・監督する権限 自由利用権 クジラの油、石炭
経験科学
神の真の意図が、聖書をはじめとするテキストにあるのか、それとも自然そのものにあるのかの違い
ガリレオ・ガリレイアリストテレス主義者は真理は『物語の本』にあると思っているが、自然こそが真に偉大な書物なのだ」
>>宇宙の始まりの意味<<
つまり、自然は、聖書以上の聖書
 
13 世俗的な価値の起源
主権や国家の考え方はみな、神のアナロジー
「人権も、神が自然法を通じて、人びとに与えた権利という意味がある。神が与えた権利を、国家が奪うことはできないから、そのことをはっきり、憲法に人権条項をつくって書き込んでおくのです。」
ネイチャー(神がつくったそのまま)の法。
市場メカニズムも ジャスト・プライス(正当価格) 靴がいくらか パンがいくらか →職業を守るため
 
14 美術への影響
音楽 絵画
 
15 近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂い
カント ものすごく厳格なプロテスタント
定言命法=普遍的な倫理
隣人愛 誰をも尊重する
キリスト教から脱したように見える部分で、実は最も強い影響が現れている。
ヘーゲル)、マルクス主義を生み出してしまうのもキリスト教
マルクス「宗教はアヘンだ」→マルクス主義自体が宗教だったから。 
 
16 無神論者は本当に無神論者か?
宗教とは、行動において、それ以上の根拠をもたない前提をおくこと

17 キリスト教文明のゆくえ
あとがき

5/25読了 これでは不足 ニーチェの問題 

『東浩紀のゼロアカ道場 伝説の「文学フリマ」決戦 』(講談社BOX) その他2冊

東浩紀のゼロアカ道場 伝説の「文学フリマ」決戦 (講談社BOX)

東浩紀のゼロアカ道場 伝説の「文学フリマ」決戦 (講談社BOX)

目次
さやわか 概要
門下生同人誌『ケフィア』project1980(廣田周作(やずややずや)、三ツ野陽介)
門下生同人誌『最終批評神話最終批評神話(峰尾俊彦、村上裕一)
門下生同人誌『チョコレート・てろりすと』形而上学女郎館(雑賀壱、筑井真奈)
門下生同人誌『Xamoschi』Xamoschi(藤田直哉、井上ざもすき)
道場破り同人誌『plateau』より(「資本主義の抑圧と物語の可能性」フランス乞食(山田あずさ)「パロディの世紀と文化の未来」フランス乞食(坂上秋成))
道場破り同人誌『新文学』より(「アスペクト論」文芸空間(天野年朗)「ライトテロルの新文学」文芸空間(松平耕一))
道場破り同人誌『筑波批評 ゼロアカ道場破り号』より(「フィクションするとは一体いかなる行為か」筑波批評社(シノハラユウキ)「フラグメンタルアプローチ」筑波批評社(塚田憲史))
 
「鼎談 批評は何を語るのか」大澤信亮+杉田俊介+三ツ野陽介  
・柄谷「本質的な思想家は一生かけてただ一つの問題に取り組んでいくのだ」
・レイプファンタジー批判。そのときに、宇野常寛の分析は不気味に鋭くなっていく。批評家の実存性と批評は切り離せない。
・自分のなかに入り込んでいる社会性みたいなものを問うことで社会分析に繋がっていく。
赤木智弘の実存。北関東。家族。
(・むしろ人との関係の中にだけ、自分が現れる)
宮台真司『美しき少年の理由なき自殺』。
・ロスジェネ問題なんていうふうに言うけど、労働の問題は誰でも避けられない。どうやって金を稼いで飯を食っていくのか。
・何を論じれば「いま」的か、という問題ではない。常にすでにそこにある自分の足元について考えることが、他者の心を打つ問いとして響いてくる。
・三ツ野さんにとっての固有の問いっていうのはなんだろう 
鎌田哲哉
ゼロアカそのものを批評する
自分に固有の問題
 
創造のためのレッスン 三ツ野陽介
1.運命を創ること
サルトル「君は自由だ。選びたまえ。つまり創りたまえ」
・フランス人青年の問い 自由フランス軍に参加するか、母の元に留まるか
・つまり、人は何か理由があって一つの道を選ぶのではない。理由は、選んだ後に見出されるものにすぎない。何らかの既成の価値に従って選択が為されるのではなく、むしろ価値は選択そのものによって事後的に創られる。
・これを言い換えれば、人の生きる道はあらかじめ原因、理由、運命などによって定められているというよりも、人は生きながらその原因を、理由を、運命を創っていくということになる。
・「君が再び生きたいと願うに違いないような仕方で生きよ。それが義務なのである。というのも、いずれにせよ君は再び生きることになるのだから」とニーチェは言った。
・本当は僕たちはどこかで、自分の未来がどうなるかを知っているのではないだろうか。何をすればどんな未来になるのか知っていながら、それでも愚かな過ちを犯しつつ、生きているのではないだろうか。
・人間は、定められた運命に抗うことができるとか、いつでも過去を否定して別の自分に生まれ変わることができるという意味で自由であるのではなくて、自らの運命を肯定しその運命を積極的に創り出していくという意味で自由なのだ。そうやって僕らは自分たちの未来を定めていく。
 
2.判断を保留すること――「萌え」の構造
・萌え=判断保留 
九鬼周造『「いき」の構造』 いき=ツンデレ 諦め
・遊女に本気で惚れ込んで散財することは=野暮
・九鬼「恋の現実的必然性と「いき」の超越的可能性」
・判断を留保するなどということが本当にできるだろうか。それができるのは、僕たちが時間を止めることができる場合と、時間を巻き戻せる場合のみである。つまりありえない。判断を留保しているうちに、刻々と時間は過ぎていき、僕たちに残された時間は少なくなっていく。
・『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』判断留保的なモラトリアムのなかで、しかし確実に時間が流れていき、父は老い、母は病にかかってやがて死んでいく、そんな時の流れの痛みを胸に刻みながら、主人公は成長したくないのに成長させられてしまう
・「成熟するとはどこまでも自分を創造すること」
 
3.降り積もる時間と記憶
・桜がなぜ美しいのかと言えば、それはたんに、いま目の前で咲き誇り散っていく桜の花びらが美しいだけではなくて、これまでの人生で見てきた桜と、それを見ていた自分がよみがえり、いまここにある桜と一緒に咲き誇っているから美しいのだ。そして僕はこれから死ぬまでにあと何回、桜を見ることができるだろう。桜はそういう未来も予告している。「いま」この瞬間のなかには、これまでの過去と、これからの未来がすべて詰まっている。「いまここ」が重要なのは、そういう意味においてである。
ジル・ドゥルーズが『差異と反復』において強調したのは、反復において繰り返されるのは「同じもの」ではなく「異なるもの」だということである。
フランス語の反復という語にはもともと「練習」という意味が含まれている。僕たちが生きていくなかで、同じことを繰り返すということは、それを「練習」することである。人間が「同じもの」の反復としての因果律から自由であると言えるのは、そういう意味においてである。要するに、僕たちが生きているからだ。
 
4.創造力の問題
・一般的に言って、ポストモダニズムの思想は、創造という概念を否定するもの。
ベルクソンは、デカルトのような考えに抗いながら、自らの考えを「創造的進化」という言葉で表現した。この宇宙は、細切れの瞬間の連続的な移り変わりではない。「宇宙は持続する」。過去は消え去らず、そのまま過ぎ去らずに、その記録を持続的に増大させていく。現在は一つの瞬間であると言うよりも、過去の情報の総体である。世界は過去を保持しつつ、新しい出来事を創り出しながら、創造的に進化していく。それは、そこで生きる僕たちにしても同じことで、いまこの瞬間の自分のなかには、これまで生きてきた人生のすべてがある。つまり、「一個の運命」がある。
桑島秀樹『崇高の美学』。崇高なものとは例えばこの「なんの変哲もない石ころ」であり、「ただの石という小さな物体の内蔵しているメモリーの容量」(種村季弘)には凄まじいものがある。崇高とは「ほんらい天上世界の高みに求められるものではなく、むしろこの地上世界(あるいは地下世界)に存在するいっけん下卑てみえるもの――まさに「なんの変哲もない石ころ」のようなもの――のなかにこそ求められるべき」
・確かにひとつの石ころには、その石が辿ってきた様々な歴史が詰まっているだろう。様々な噴火や堆積や浸食などを記録した末に、石はそこにある。これはひとつのハードディスクに多くのことが記録されているという今日的な事態と、本当はさほど変わらないことのはずであり、人間は莫大なデータを記録した宇宙のなかでずっと生きてきた。僕がこの原稿でずっと語ってきたのは、例えば人が桜を見て、桜にまつわる記憶を思い起こすのは、その人が記憶していたからと言うよりも、桜が記憶していたからであるということで、そんなわけないと思うだろうが、そういうふうに考えると世界はより美しい。
自然法則に抗って創造するのではなく、むしろ自然の自由な進化に身をゆだねて、そこから創造する力を汲み取っていく。過去を懐かしむときには、それが現在を愛するためであるように。未来を夢見るときには、それが現在を楽しむためであるように、自分が生きてきた記憶だけでなく、この世界そのものに記憶されているものをも呼び出しながら、その運命のすべてに肯定的な表現を与えることで、未来を創り出していく。創造的であるとはそういうことだと思う。
 
元長柾木 『現代哲学辞典』『新哲学入門』市川 山崎 『マブラブ』アージュ エロゲーナショナリズム
佐藤友哉 北海道 千歳市
新井素子 練馬 昭和30年代 100坪が基本 建ぺい率50%以下 必ず庭
岡田昌彰 シアトル ガスワークス・パーク
円城塔 ゲーデル不完全性定理
速水健朗 再ヤンキー化 上京のJポップ・歌謡史 『真夜中のカーボーイ
松平耕一 0年代の学生運動
あとがき
「そうか、批評ってなんでもありなんだ」
 

『ゲンロン1 現代日本の批評』

ゲンロン1 現代日本の批評

ゲンロン1 現代日本の批評

鈴木忠志 富山県利賀村
現代日本の批評
東浩紀「いま評論の世界では江藤淳の名をほとんど聞かないけど、じつはわれわれが直面し、頭を悩ませているネトウヨパラダイムは彼によって作られているんですよ。」
ニューアカ世代は、資本主義に寄生しながらも、それを内側から食い破るといった話が好き。浅田さんがよく「あえて」と言っていたのと、同じ構造ですね。蓮實さんにも通じるシニシズムと韜晦がある。
オウム事件の影響で、日本ではニューエイジ的な感性が断絶した。
 

『若者たちの神々―筑紫哲也対論集 (Part1)』

若者たちの神々―筑紫哲也対論集 (Part1)

若者たちの神々―筑紫哲也対論集 (Part1)

浅田彰京都大学人文科学研究所助手(経済学・社会思想史専攻)】1957年神戸生まれ。
糸井重里【コピーライター】1949年群馬県生まれ。
藤原新也【写真家】1944年福岡県生まれ。
坂本龍一【ミュージシャン】1952年東京生まれ。
ビートたけし【コメディアン】1948年東京生まれ。
全共闘世代との距離感 しかし若者への違和感 資本主義の圧倒的勢い 

作品#03「プレジデント社哲学用語図鑑 哲学者トレーディングカード」完成

作品#03「プレジデント社哲学用語図鑑 哲学者トレーディングカード」を完成させました。
古代編12枚も作り直した。
古代
01.ミレトスのタレス
02.ピタゴラス
03.ヘラクレイトス
04.パルメニデス
05.プロタゴラス
06.ゴルギアス
07.ソクラテス
08.デモクリトス
09.プラトン
10.アリストテレス
11.キプロスのゼノン
12.エピクロス
中世
13.アウレリウス・アウグスティヌス
14.カンタベリーのアンセルムス
15.トマス・アクィナス
16.オッカムのウィリアム
近世
17.フランシス・ベーコン
18.ジョン・ロック
19.ジョージ・バークリ
20.デイヴィド・ヒューム
21.ルネ・デカルト
22.バルフ・デ・スピノザ
23.ゴットフリート・ライプニッツ
24.トマス・ホッブズ
25.シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー
26.ジャン=ジャック・ルソー
27.ミシェル・ド・モンテーニュ
28.ブレーズ・パスカル
近代
29.アダム・スミス
30.イマヌエル・カント
31.ゴットリープ・フィヒテ
32.フリードリヒ・シェリング
33.ゲオルク・ヘーゲル
34.アルトゥール・ショーペンハウアー
35.セーレン・キルケゴール
36.カール・マルクス
37.フリードリヒ・ニーチェ
38.ジェレミーベンサム
39.ジョン・スチュアート・ミル
40.チャールズ・サンダース・パース
41.ウィリアム・ジェイムズ
42.ジョン・デューイ
43.ジグムント・フロイト
44.カール・グスタフユング
現代
45.バートランド・ラッセル
46.ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
47.ルドルフ・カルナップ
48.カール・ポパー
49.トマス・クーン
50.エドムント・フッサール
51.マルティン・ハイデガー
52.カール・ヤスパース
53.ジャン=ポール・サルトル
54.モーリス・メルロ=ポンティ
55.マックス・ホルクハイマー
56.ユルゲン・ハーバーマス
57.ハンナ・アーレント
58.エマニュエル・レヴィナス
59.フェルディナン・ド・ソシュール
60.クロード・レヴィ=ストロース
61.ジル・ドゥルーズ
62.ミシェル・フーコー
63.ジャック・デリダ
64.ジャン=フランソワ・リオタール
65.ジャン・ボードリヤール
66.ジョン・ロールズ
67.ロバート・ノージック
68.マイケル・サンデル
69.シモーヌ・ド・ボーヴォワール
70.ジュディス・バトラー
71.エドワード・サイード
72.アントニオ・ネグリ
計72枚。
次回は7月末までにこの#3の追加カードを作る予定。
首が痛い。
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「平成とは一体何だったのか」Vol.4 平成最後の春に平成を振り返る

宮台真司石丸元章、古谷経衡、野々村文宏
阿佐ヶ谷ロフトA
 
脳梗塞 高次脳機能障害 立体把握
自閉症スペクトラム障害 空気を読めない 約束を忘れる 遅刻する 集中しすぎる 人口の10%
日本は間違いなくこの10年で奈落の底に落ちる 八方塞がり 打つ手はない
クズとクソ社会の話 法の奴隷 言葉の自動機械 損得野郎 
コントロール系 官僚 企業人 孤独死 セルフネグレクト
加速主義 廣松渉 ヘーゲル マルクス
中華未来主義 民主主義が足かせ
日本と決定的な違い、官僚がGDPを上げる(産業構造改革)ことで利権を得る
社会を変えるか自分を変えるか
平成は後者(こころの時代) 自己啓発ソング ダイアモンド マイレボリューション
社会構築主義はそうだが、それでも、なんでも社会のせいにするのはおかしい
死生観を考えてこなかった大量の団塊の世代
死ぬことを考えない人 ずっと生きる気
A型 細かい 稲作 B型 狩猟採取
目が合わない
自分達は劣化から逃れられていると思っている5% エリジウム
文明論
危険じゃないと楽しくない リスクをとらないと
平成は自分のこと(内面)ばかり考えていた。令和は社会のことを。

宮台真司と読み解く「孤独死と自己責任論」——特殊清掃の現場で起きていること

宮台真司 菅野久美子 ウィズニュース奥山晶二郎
朝日新聞メディアラボ渋谷分室 豊田利晃が逮捕された日に渋谷
認知的整合化 孤独でいいという諦め
宗教
「さらば青春の日々」 精神科医 ドラッグ 廃人 自壊に向かう強い引力
嫌われ松子の一生」「不幸に生きることは不幸か」
お盆 火祭り
いまは愛より金 「勉強しないと負け組になるぞ」
不安感 コントロール系 デートが合っているか聞く 全てが「不安の埋め合わせ」になる 殆ど全てが神経症
自分のことをわかってくれるか 相手のことをわかるか(人の心を感じられるか) これだけなのに
「言葉」は「言葉」
街の空気感
「生きづらさ」も必要
気付いた本人がアクセスできる窓口 場が必要