マラカスがもし喋ったら

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永続敗戦論

対日盗聴疑惑の確認避ける=ウィキリークス文書―米国務省 (時事通信) - Yahoo!ニュース
 
日本の戦後レジーム(Regime=政治体制)の特徴を一言で表すと、「対米従属」。
中国、韓国に対しては勇ましいことを言いながら、アメリカの意向には一切逆らわない現政権のやっていることは、「戦後レジームからの脱却」どころか、真逆の、戦後レジームの「温存」、「死守」、「強化」である。
同じ敗戦国であるドイツが、(少なくとも対外的には)戦前の体制の一切を否定し、徹底した被害補償と戦争犯罪者の司法訴追によって、少しずつ周辺国の信頼回復に成功し、いまでは欧州のリーダーとして再び歩み始めているのに対して、
日本は「敗戦」と「戦争責任」に正面から向き合わないため、被害国の信頼回復を未だ得られず、当初は「あえて」「仕方なく」していたはずの対米従属が、目的化してしまったという、このコントラスト。
「敗戦」を否認し続けることによって、「敗戦状態」が永続しているという、白井聡の「永続敗戦論」。
今回、ウィキリークスがリークした、アメリカが「同盟国」である日本を盗聴していたこと、そして、それに対して、日本が「抗議しない」という事実が、この白井聡の主張を、強く裏付けるものであると感じる。