マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

鈴木涼美「身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論」

「気づけば世の中のオトコというのは、オンナ「が」好きになる人と、オンナ「を」好きになる人の2通りしかいなくて、つまり世界は憧れの剛先輩と都合の良いアカギで出来ていたのである」
「世界は2種類のオトコでできている。オンナ「を」好きになる(とオンナに思わせる)オトコと、オンナ「が」好きになる(とオンナに思わせる)オトコ。そして前者が一生損し続ける陰で、後者は得をし続ける。オンナの手にかかれば、ホストの営業ですら、「あら私のことが好きなの?それでは私もちょっぴりあなたを必要としてあげる」と解釈されるし、オンナの手にかかれば、ホストの枕ですら「初めて自分が愛せる人とセックスして、身体の底からオルガズムを感じられた」と解釈される」
「例えば、オカネで買えない愛や幸福に、すべてが凌駕されれば、それを正しいと呼ぶのだろう。オカネでしか買えない愛や幸福に、他のものが覆い隠されれば、それを過ちと呼ぶのかもしれない。けれども、けっして単純でない私たちは、そのどちらにも振りきれることなく、一番痛い道をいく。」