マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【映画メモ】若松孝二監督『天使の恍惚』(若松プロダクション、日本アート・シアター・ギルド 1972年)

@横浜シネマリン
 
・四季協会 フランス二月革命前後にブランキが組織した革命集団
・武器の調達
内ゲバ
・党 規律
共産主義無政府主義の対立
・ピース缶爆弾 ただ破壊すること
・「自分の身体を張って闘えるヤツ、本気で孤立できるヤツ、個的な闘いを個的に闘える奴等、孤立した精鋭こそが世界を換える、世界を創る」
 
◆感想:
面白かった。まずこの四季協会の組織制度が面白い。よくできている。
主人公のチームは党のために命をかけて仕事をしたのに、党の都合で任務から外される。
大きな目的のために自分を犠牲にするか、それではそもそも自分たちが打倒しようとしているシステムと変わらないとなるか、
全体最適をとるか部分最適をとるか、大義のためなら個人を迫害していいのか、
このようなアナボル論争は普遍的なのだと改めて思った。
この前に観た『PFLP』はもろに連合赤軍に影響を与えたと感じたが、
こっちはもろに反日武装戦線に影響を与えたような気がする。
この映画作成とあさま山荘事件の時間関係が重要だと思うが、
たぶん、作ってるときに事件が起きたのだと思う。
日本がどんどん「豊か」になっていき、革命はなりそうもない。
彼らが苛立っていたもの。爆破したかったものは何だったのか。
その後、一見すると平和だが、藤田省三「安楽への全体主義」のような世の中になり、
緩やかな監獄のような社会の今に至る。