マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

原発再稼働

九州電力が鹿児島県の川内原発を本日11日に再稼働させることを発表しました。
自分にとっては何故こうなるのかわからないシュールな感覚です。
 
福井県大飯原発、高浜原発については、周辺住民が求めた、再稼働差止めの仮処分が福井地裁によって認められたのですが、川内原発については、逆の判断となり、鹿児島地裁によって却下され、今回、再稼働の運びとなりました。
 
自分が一番問題視しているのは、福島第一原発事故健康被害が、まだ定まっていないということです。現状電力は足りているのですから、もう数年様子をみて、健康被害の実態がある程度確定してから再稼働の判断をするべきだと考えます。
 
それが一番なのですが、もう一点、お金のことについて気になったので、昨日東京電力に、福一事故の被害額について問い合わせをしました。そこでわかったことは、
1.福一事故の賠償金総額は2015年8月7日時点で5兆993億円。
2.除染費用総額は2015年7月28日時点で9072億円。廃炉・収束作業費用総額は2014年末時点で9862億円。
3.賠償金、収束作業費用は現在、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が税金で肩代わりしている。いつになるかはわからないが、少しづつ返して、最終的には東京電力が負担する。
ということで、福一事故の被害額は現在までで約7兆円だということです。
東京電力のきねぶちさんという方に教えていただきました。
「確認したいのですが、原発は安いという評論家がいますが、それは事故が起きなければということですよね?」と聞いたら、意外だったのですが、「仰るとおりです」とお答えを頂きました。
 
現在、そしてこれからも続く、福一事故の賠償、収束作業につぎ込まれている税金は、必ず、増税と電気料金の値上げという形で跳ね返ってきます。
健康被害があり、事故を考慮すれば安くもない原発を、今後も続けて何かいいことがあるでしょうか?
私にはこの原発再稼働の流れが通常の「合理性」の枠外、端的に言えば、ごく一部の人の利益のためになされているとしか思えません。