マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

悪の間接性の問題

トロッコ問題 - Wikipedia
 
これはホントに大事な問題で、人は直接人を橋から突き落とすことはなかなか出来ないが、スイッチを押すという間接的行為になれば、罪悪感が薄らぐということ。これは株主資本主義社会の病理の本質だと思う。
不特定多数からお金を集めたファンド、銀行、保険会社、GPIFなどが企業に投資するとき、唯一考えるのは利潤率のこと。人々を幸せにするが利潤率が低い企業と、人々を不幸にするが利潤率が高い企業があれば迷いなく後者に投資する。軍需産業であろうが原発であろうが、利潤率しかみない。
そういった株主たちに雇われた経営者が、社員に命令をだし、サラリーマン店長が客にサービスを提供する。その現場では商品に見せかけた毒を売っていたとしても、従業員は店長の、店長は経営者の、経営者は株主たるファンドの、ファンドは顧客達の命令に従っているだけ。ここに悪の間接性の問題がある。