目次
- はじめに 大河内泰樹
- 第1章 資本主義の本質としてのショー――錯覚【マルクス・ガブリエル/聞き手=大河内泰樹・斎藤幸平/訳=瀬川真吾】
- 第2章 資本主義、批判、社会的自由【アクセル・ホネット/聞き手=ガエル・カーティ/訳= 徳地真弥】
- 第3章 資本主義、危機、批判を再考する【ナンシー・フレイザー/聞き手= ガエル・カーティ/訳=斎藤幸平】
- 第4章 資本主義、構造的危機、現代社会運動【イマニュエル・ウォーラーステイン/聞き手=ガエル・カーティ/訳=佐藤圭一】
- 第5章 自然の回帰は何をもたらすか――コロナ禍から気候危機へ【ジョン・ベラミー・フォスター/聞き手=斎藤幸平/訳=山﨑亮介】
- 補論1 資本主義からの脱植民地化に向けて……………斎藤幸平
- 補論2 資本の質料形相論……………大河内泰樹
はじめに 大河内泰樹
・資本主義=初めて地球上を庇った経済システム
・私たちの生活は、すべてこの資本主義の構造と動向に左右されている
第1章 資本主義の本質としてのショー――錯覚【マルクス・ガブリエル/聞き手=大河内泰樹・斎藤幸平/訳=瀬川真吾】
・資本主義とはあたかも人間が「それ」を欲していたかのような錯覚を作り出し、物質的資源に依存し、自己増殖し続けるシステム
・資本主義の本質はショー
・資本主義の本質は、本来そこには存在しない何かを見せること。資本主義とは本質的に錯覚を作り出すシステム。
・錯覚はどんどん再帰的になっている。
・錯覚は端的に商品のなかに現れる=マルクスの物神性
・商品の物神性=商品そのものが錯覚であり、ある人に何かが、しかもそれが欲しいと思わせるような仕方で提示されること
・例えばコカ・コーラが存在する前には、誰もコカ・コーラを欲しがることはできませんでした。
・欲望を生み出して売る。資本主義は欲望を生み出さなければなりません。
・錯覚を生み出す、誰かにそれをずっと欲しがっていたかのような印象を与えることが資本主義の本質。
貨幣
・本来そこには何もなかったわけなので、こうした方法で生み出された価値はすぐに消えてなくなる
・度量単位
・貨幣はそれ自身が再帰的商品
・貨幣=メタ価値、商品を測るもうひとつの商品
・ヘーゲル 本質について「それは何もないところから何もないところへの運動であり、そのことによって自分自身に戻ってくる」
★何もない、何もない、何もないと言って私が中身のないジェスチャーを繰り返すことによって、それが何かであるかのような印象を生み出します。これはショーです。何もなかったところに何かを示し、中身のないジェスチャーをし、そのことによってそこに何かがあったかのような印象が生み出されます。これをどんどん増やしていけば、全体は構造を有することになります。それが資本主義社会の構造です。
デジタル化
・=エネルギー問題。デジタル化は省エネになる。しかしそれでもサーバーなどに大量に電気を使う。
マルクス
・資本主義はすでに農耕時代に存在していた。
・ハラリ 100人規模の人間がひとつの空間で生活する時点から資本主義が始まる。
ポストモダン批判 「指示(Referenz)はなくならない」
・完全に非物質ではない。そこがポストモダン(ボードリヤール)との違い。→アフリカ、バングラデシュ
・=限界が来る=19世紀からSFが出てきた意味。地球の限界、宇宙が問題になる。
デジタル化によるデモクラシーの危機
・将来的にはデジタル化によって、赤信号で道路を渡ったか、どの程度頻繁に両親に会っているか、社会ネットワークで政府を批判しているか、クレジットカードで何を買ったかといったように、すべてのことが測定される可能性
サイバー独裁制と抵抗の拠点
★資本主義は遅かれ早かれグローバルなサイバー独裁制となります。
・民主主義はそれを妨げる役割を担っていて、いまのところ比較的強い民主主義的抵抗がある。
・問題となるのは、私たちが自分たちの権利を売るようになるとき
・ドイツあるいはヨーロッパは、インターネットを20世紀前半の道路交通であるかのように考えています。規則がなければいつか全員が轢かれてしまいます。だからインターネットは隅々に至るまで規制されなければなりません。これがドイツやヨーロッパの考えです。
承認
・承認論(フランクフルト学派)は楽観的すぎる
・シェリング 自由とは「善と悪の能力」善と悪の2つの方向に向かうことができる能力
・シェリング 人間はつねに悪へと向かう=エントロピー(熱力学、外に拡がっていく) それのボトルネック、抵抗する構造としての善
難民問題、外国人差別
・なぜニュースはつねに悲劇的なのか?→悲劇は売れるから。ショー。
哲学の使命
・思想を準備することが現実を動かすことにもなる。
ラディカル・デモクラシー
・ ラディカル・デモクラシー=民主主義に代わるすべてのものを完全に無条件に、絶対的に受け入れ不可能なものとして締め出すこと
・民主主義と人権はセット
ラディカル・デモクラシーを求める理由
・20㎡以上の清潔な部屋。
第2章 資本主義、批判、社会的自由【アクセル・ホネット/聞き手=ガエル・カーティ/訳= 徳地真弥】
資本主義、市場、内在的批判
・市場社会=市場における相互交換という方法によって、ニーズを友好的で強制なく完全に満足させることをすべての参加者に約束するもの。
・そして参加者は対等であること
・カントの構築主義→ヘーゲル 「精神」は自らの内在的な力によって現実のなかに自らを実現する
・倫理=よき生/道徳=自由、平等(お題目、綺麗事)
資本主義批判――規範性、診断、解決
・政治が資本に乗っ取られている
・あらゆる人に利用可能な良質な公立学校
否定的、反省的、社会的自由
第3章 資本主義、危機、批判を再考する【ナンシー・フレイザー/聞き手= ガエル・カーティ/訳=斎藤幸平】
資本主義概念の拡張のために
・資本主義の4つの特徴
①生産手段を所有する人々と、生産手段から切り離され、したがって生活手段を獲得するために、唯一持っている労働能力を商品として労働市場で販売しなくてはならない人々のあいだの階級分裂がおこること。
②労働力の商品化。その連結手段としての労働力市場。
③資本主義がはてしない蓄積に向けられていること。資本主義経済に固有の「推進力」。
④資本の「ジャガナート」たる市場メカニズム。ヒンドゥー教のヴィシュヌ神の8番目の化身クリシュナの異名。この山車に喜んで轢かれる。
・資本主義が依存しているもの。背景。
①社会的再生産。家事、出産、育児、介護。主に女性。≒ジェンダー分離は資本主義の構造的な特徴。
②自然(環境、エコロジー、生態系、資源)
③公的権力≒法、秩序、教育、軍事力、貨幣創造権
・世界システム論=経済と政体の分離
・カール・ポランニー 人類学→経済学 土着的な経済
資本主義の規範性と境界闘争
・前景(たる資本主義)と背景の境界闘争
・この3つの背景はそれぞれに前景とは異なった規範がある。
・「ロマンティックな反資本主義の卵」e.x. エコ原理主義的な見方、文化的フェミニズム、マルチチュードの実践など → これらの見方は本来的に反資本主義的なものではない。むしろ「経済外的であるが、資本主義内的なもの」。
資本主義の危機
・前景が背景を蝕む傾向。依存しているだけでなく、不安定化する。
幾重にも織りなされた資本主義批判
・マルクスの3つの資本主義批判
①資本主義の危機傾向をめぐるシステム批判
②支配をめぐる規範的批判―階級、植民地
③不自由をめぐる政治的批判―疎外
★『資本論』における不自由への批判は、資本が歴史と社会の主体になり、人間はその人質になるという考え方です。このことは労働者階級や被支配者集団だけに当てはまるのではありません。資本家自身も、資本そのものが自己増殖する価値の論理を行使する際の代理人にすぎないのです。
・私たちが資本主義経済を作り出すのですが、私たち「人間」がその召使いなのです。
・どのように生きたいかという問題をめぐる政治的な決定権が私たちの手から強奪され、取り上げられてしまい、市場の事柄と経済的問題に変えられる
・資本主義批判の規範的土台=支配に対する異議表明 あるいは私たちに対してそびえ立つ(資本という)マクロな主体の人質になっていることへの異議表明 「非支配」や「自由」といったより強い規範的な理念がそのような批判を支えています。
・カントの義務論
・世界規模での社会運動の連帯、団結が必要。
・世界社会フォーラム ATTAC 2001年ー ブラジルのポルト・アレグレ アルテルモンディアリスム(フランス語: Altermondialisme、 英語: Alter-globalization)「もう一つの世界主義」 合い言葉は「もう一つの世界は可能だ」(Another world is possible) 反グローバリズムではない
・深い形の闘争をコーディネートするための語彙
・ポスト資本主義でも、より良い資本主義でも構わない
第4章 資本主義、構造的危機、現代社会運動【イマニュエル・ウォーラーステイン/聞き手=ガエル・カーティ/訳=佐藤圭一】
資本主義的世界経済
・影響 マルクス、ファノン、ポランニー、ブローデル、イリヤ・プリゴジン(エントロピー理論)
・世界システム分析の主な特徴
①国家の代わりに「世界システム」こそが適切な分析単位であるとすること
②長期的な視点の分析を必要とすること
③あらゆるシステムと同じく寿命があること(歴史の一部)
・「近代世界システム」とは、「長い16世紀」に始まった「資本主義的世界経済」
・唯一生き延びたシステム
・ほんの一握りの場所から始まり、世界中を覆い尽くすほど強力に成長した
・決定的特異性は、絶えざる資本蓄積
・この特徴は資本主義的世界経済の主要な動因であると同時に、もっとも非合理的な特徴でもあるのです。資本を蓄積するために、資本を蓄積する。そのための資本を蓄積するためにさらに資本を蓄積する。実際、資本主義は自ら設定した(資本蓄積という)目的を遂行するうえでは、非常に成功したシステムだったのです。
・近代世界システム=「国家間システム」のなかに「諸国家」が存在するという構造
・時間という側面から見ると、「循環的リズム」=「コンドラチェフの波(技術革新の波)」「ジオポリティクスの波(ヘゲモニー)」
・中核と周辺は互いに分離できるものではありません。これらは相互に関連し合った現象です。もしも生産過程が相対的に独占的なものであれば中核的なものになりますし、相対的に非独占的なものであれば周辺的なものとなります。
★独占抜きには、生産者がそこから充分な利潤を得ることは不可能です。資本主義イデオロギーが仮説的に捉えている「自由市場」は、生産者の観点から見れば実際には、(彼らの活動の)根本的否定になります。
・生産者が生産活動から最大限の収益を得るためには、独占に近い状況が必要だからです。独占の有無が、中核的・周辺的分業の区別を決定づけるのです。
★中核国家、周辺国家という用語は誤り。どのような国家の内部にも、あるグループと別のグループの間に中核ー周辺関係があるという根本的なプロセスを、覆い隠してしまいます。現実には、(中核ー周辺という)関係性は常に存在するのです。
・「半周辺」→これは国家。中核を増進させて、周辺を他の国に押し付けようとする。
・自由主義イデオロギー → 国家は自由市場を守る審判のような役割
★世界システム論では、国家は独占が成立するための必要条件。
★国家は独占を創り出し、保障する制度です。もっとも(国家が創り出し、保障するのは)実際には疑似独占です。なぜなら私たちが普段目にするのは完全な独占というよりも寡占だからです。しかし、両者は同じような現象。独占は国家の介入なしには成立しません。
・金融商品化=場所xですでに蓄積していた資本を手に取り、それを場所yに移転させること
・「コンドラチェフの波」=何らかの技術的イノベーション 50年周期
・「ジオポリティクスの波」=ヘゲモニーの循環 150年くらい オランダ→イギリス→アメリカ
・覇権国家→世界秩序を維持する役割→軍事的負担増大で衰退
・陸(世界帝国)→海→海と空 なるべくコストをかけずに上手に間接統治する
「一九六八年の世界革命」と資本主義の構造的危機
・反システム運動の波 社会運動と民族運動「国家奪取派」
・初めに国家権力を奪取し、その上で世界を変革するという二段階戦略
・1945-1970 この時期、反システム運動に対するジオポリティカルな妥協が相当行われた。→せっかくの成長の減速を恐れたため
・収益性がだんだん低下していく→危機→システム分岐のタイミング
現代社会運動
★2つのグループ「ダヴォスの精神」と「ポルト・アレグレの精神」
・世界経済フォーラム(1971-)は非平等主義的なシステムを求める人々の一部が協働して意思決定するための機構
・主要な資本主義事業家、主要な政治家、メディア関係者、さらには個々の知識人といった各界のエリートたちが、彼らにとって好都合なこの会議に参加する
・世界社会フォーラム(2001-)はこの世界経済フォーラムの立場に対抗するために生まれた。
・それぞれの陣営にも2つのグループがある 垂直主義/水平主義
・エドワード・ローレンツ「バタフライ効果」蝶が羽ばたくたび、地球の反対側の天気がわずかに影響される
・どちらにも転びえる
・どんな小さな努力も事態を変えることができるのですから、私たち一人ひとりが、自分自身を「小さな蝶」であると考えるべきでしょう。私たちはシステムのバランスや力加減に影響を与えられるのです。
・システムが通常作動するポイントにおいては決定論が優勢である一方、システムが構造的危機にある場合には「自由意志」がより大きな力を持つ。
・勝つ可能性は五分五分。この数字は決して小さくない。
・2014年のインタビュー
第5章 自然の回帰は何をもたらすか――コロナ禍から気候危機へ【ジョン・ベラミー・フォスター/聞き手=斎藤幸平/訳=山﨑亮介】
物質代謝の亀裂
・土壌の養分サイクルの破壊
エコ社会主義とグローバルな危機
・なぜ二酸化炭素排出量が下がらずにむしろ増加しているのか→その理由は単純で、資本主義が資本蓄積システムの略称だからです。そこには1組の指標、言い換えれば、蓄積しかないのです。そのシステムから見れば、世界全体の気候を破壊すること、エコシステムを破壊することは、その計算から締め出されたほんのひとつの大きな外部性にすぎないのです。
・都留重人の公害研究
・資本主義は誰にも手綱がとれない無計画なシステム
・史的唯物論、唯物史観はまさに環境問題
パンデミックから見えた危機の本質
・エンゲルス イギリス労働者階級の衛生状態
・フランス パリ パスツール研究所
・イェニー・マルクス 天然痘
・エンゲルスは、資本主義によってもたらされた疫学的問題を、「社会的殺人」の一形態だとみなしました。
・ワンヘルス → 人間と家畜、野生動物の健康は密接に繋がっている 動物を虐待し、人間だけ健康になることは不可能
・「定常経済」「脱成長」
・資本主義システムは浪費によって成長する→要らないものを、要らない量買わせること→資源、エネルギー、自然環境、労働力(人間の時間)の浪費
・量的な発展から質的な発展へ
・マルクス 誰も地球を所有できず、人類はよき家長として未来の世代のために一時それを預かっているだけ
補論1 資本主義からの脱植民地化に向けて……………斎藤幸平
・「資本主義の終わりを想像するより世界の終わりを想像する方が簡単だ」フレドリック・ジェイムソン
・オカシオ=コルテス アメリカ民主社会主義者 グレタ・トゥーンべリ 未来のための金曜日
・ハーバーマス 生活世界の植民地化=「貨幣」という行為の制御メディアが、その本来の領域を超えて、コミュニケーション領域に干渉するようになること
・ホルクハイマー&アドルノ『啓蒙の弁証法』無制限の帝国主義 オデュッセウスと巨人族
・ナオミ・クライン グリーン・ニューディールもいいが、人々の消費主義的なライフスタイルが変わらないと意味がない
・資本主義リアリズム/脱成長コミュニズム
・GDPという指標から脱却する
・「脱植民地的脱成長は、再定着化と再コモン化による、本質的に物質的な、回復、再生、抵抗(再起)の戦略なのだ」
・自然の支配から自然のケアへ、収奪から修繕へ
・理性と合理性を取り戻す 資本蓄積の狂気から目覚めて正気に戻る
補論2 資本の質料形相論……………大河内泰樹
資本の「形相と質料」
・生体と資本いずれのシステムも「代謝」を行うシステム
・資本が増殖するためには、原理的にその外部がなければならないのであり、その外部をひたすら取り込んでゆく=資本の自己運動
・資本の質料的包摂=生産関係それ自体(労働者の労働と生活のあり方それ自体)を呑み込んでしまう
資本の物質的条件としての身体と自然
・「再生産」(家事、恋愛、結婚、出産、育児、健康管理、精神のメンテナンス)は資本の外にありながら、資本の条件をなしている。
・「後は野となれ山となれ」フランスの慣用句「わが亡き後に洪水よ来たれ」
資本主義批判と規範
・ホネットの承認論 規範的再構成「パーソナルな領域」「市場経済的行為の領域」「民主的意思決定の領域」
・マルクス「自由・平等・所有・ベンサム」社会的不平等を隠蔽するイデオロギーとしての自由と平等
・ホネットは批判されるべきだが、規範をもっと深く考えることも大事 フレイザーや斎藤はその部分が弱い 人類が生き延びなければならない理由
批判理論へ
・新自由主義=資本の自己増殖過程を可能な限り円滑に進める体制
・さらに、それ以外のシステムへの想像力の剥奪。
★さらにさらに、科学・学問がまさに体制化しつつある
・資本主義が世界を空間的に蔽っているだけではなく、わたしたちの生活や社会制度のあらゆる領域に入り込んでいる
・それぞれの専門領域から批判的な視点をもつ研究者が知を共有する、新しい「批判理論」の樹立がいま求められる。
11/23読了
◆要約:資本主義の危機について、5人の知識人に聞く。
◆感想:マルクス・ガブリエルのインタビューは面白かった。資本主義は「ショー」であると。
ショーが欲望を生み出す。思弁的実在論とはそれ自体だと、「だから何?」となるが、資本主義との関連で話すとよく分かる。
ボードリヤールの消費社会論、記号論と近いと感じた。
アクセル・ホネットのインタビューは、インタビュアーが悪いのか、訳者がわるいのか、何を聞きたいのか、言いたいのか意味がわからなかった。
つまり、市場社会でも、そんなにドライではなく、承認や人間関係が大事ということか?
ナンシー・フレイザーの議論はわかりやすかった。資本主義は前景であり、その背景に依存している。それは①社会的再生産②自然③国家。
それらとの境界闘争が大事ということ。資本の「ジャガナート」とはすごい言葉を知った。
ウォーラーステインのインタビューを読みたくてこの本を読んだが面白かった。世界システム論の基本のわかりやすい説明。
世界システム論の一番の肝は、市場原理、自由競争イデオロギーは嘘であると見抜いた点だと思った。中核ではかならず独占が存在する。
「ダヴォスの精神」と「ポルト・アレグレの精神」の闘いの議論は面白かった。人間一人の行動がバタフライエフェクト。
ジョン・ベラミー・フォスターと斎藤幸平はマルクスの環境論の話だが、自分は環境問題はあまり響かない。
CO2と地球温暖化と気候変動の話は、自分に知識がないので、どれほど深刻なものなのかわからない。
温暖化論は核エネルギーの正当化に使われた歴史があるので、眉唾で聞いている。
環境問題(特に温暖化論)やっている人は余裕のある優等生的な、「丁寧なくらし」系の感じがして、自分には関心が遠い。というか余裕がない。
環境問題を第一に考えると、人間がもっと大幅に減ればかなり解決するので、逆方向のファシズムみたいな感じになりそうとうっすら考えている。
この本を読んでも、資本主義の強さ、ヤバさを再確認し、未来への希望はほとんど感じなかったが、もっと勉強していくしかない。
最後の科学・学問の体制化がいまいちばん怖いことだと感じた。