マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】佐野亨『ディープヨコハマをあるく』(辰巳出版 2022年)

目次

はじめに――ディープヨコハマに分け入る

◆第1章 桜木町・野毛をあるく

場末の自由が息づくまち

・野毛=闇市
平岡正明「ハマ野毛」

カストリ横丁幻視行

・カストリ=密造焼酎
・カストリ横丁、くじら横丁→桜木町デパート、ぴおシティに吸収される

萬里秘宝十九番

・特製中国ランチ

野毛にジャズ喫茶あり

・ちぐさ、ダウンビート

「平民芸術」のまち

大衆演劇 1949年『悲しき口笛美空ひばり 横浜国際劇場

大岡川スラム

・一大貧民窟 『天国と地獄』 ヒロポン→ヘロイン 密売トーチカ 麻薬銀座
・ちょんの間 青線 1970年後半から中国・台湾・タイ人 2004年「バイバイ作戦」

◆第2章 野毛山・戸部をあるく

紅葉坂

高島嘉右衛門 横浜瓦斯会社 工場跡 
有島武郎或る女』 初代横浜駅桜木町駅
・青少年センター、図書館、音楽堂=開港期の神奈川奉行所
・飯岡幸吉<ここの通りを鯨横丁と人呼びて雨にぬれ立つ労働者の群><道行けば鯨肉いたむる匂ひして人は屋台に十円置きて食う>

岩亀横丁〜保土ケ谷道〜藤棚

野毛山の神さん

伊勢山皇大神宮成田山横浜別院(延命院)

野毛の文学者たち

・老松小学校 獅子文六尾崎士郎今東光平野威馬雄平野レミの父、平野悠の叔父)

野毛山の歴史遺産

・子神社と東福寺

◆第3章 関外をあるく

関外の淵――吉田町

・吉田橋関門跡

ソープランド街とコリアタウン――福富町

・キャバレーのメッカ

興行のまち――伊勢佐木町

・芝居小屋と映画館

伊勢佐木書店今昔

牛鍋を喰う

「共通の根」をもつこと――寿町

・中田志郎『はだかのデラシネ』(1983年)デラシネ=根なし草 地主は朝鮮系

中村町の記憶

黒澤明どですかでん
森川信 吉川英治
中村川、掘割川 関東大震災朝鮮人虐殺の歴史

三吉橋・浦舟町

早矢仕有的 市大病院の前身

永真遊郭と曙町

篠田正浩『乾いた花』(1964)山崎洋子『花園の迷宮』
田中英光『曙町』私娼窟

◆第4章 関内をあるく

ガス灯と西洋料理――馬車道

遊郭、魚市場から野球場へ――横浜公園

貿易の中心地――弁天通り〜本町通り

港の歴史とともに――海岸通り〜日本大通り

震災の瓦礫の上に――山下公園

・ホテル・ニューグランド 大佛次郎
マリンタワー 降旗康男『冬の華』(1978) 中平康砂の上の植物群』(1964)
・ホットドッグコーナー「ワトソン」小金丸峰夫 ナポレオン党 クレオパトラ党 キャシー中島 山口小夜子 浅野順子

◆第5章 中華街・元町・山手をあるく

ひし形のラビリンス

横浜における中国人コミュニティの歴史

観光地としての中華街

日清戦争時の悪感情→大幅な職業制限 理髪、洋裁、調理の三把刀 

「落葉帰根」から「落地生根」へ

中華街の裏通り

葉山嘉樹『淫売婦』
・第二次大戦後 外国船員向けの「外人バー」 片桐摩湖(水原リサ)

中村川が隔てるもの

天地真理主演『虹をわたって』(1972) 北林透馬『街の國際娘』

元町の坂

・東洋フィルム会社→大正活映 文芸部顧問谷崎潤一郎
ダンスホール クリフサイド 『上海帰りのリル』(1952)

海を眺める母子

・愛の母子像 1977年横浜米軍機墜落事件 土志田和枝さん

外国人墓地に眠るひとびと

ゲーテ座 陽気さ・快活さ 詩人のゲーテとは関係ない 新劇の外人劇 大佛次郎坪内逍遥、北村透谷、芥川龍之介滝廉太郎らがみる

◆第6章 本牧・根岸・磯子をあるく

トンネル抜ければ……

本牧通り=市電通り 鈴木清順『港の乾杯 勝利をわが手に』(1956)
江川宇礼雄

墓地が語る歴史

本牧の不良文化が生み出した音楽

本牧十二天とチャブ屋

谷崎潤一郎『港の人々』
野坂昭如『浮世一代女』

バブル期の再開発とその後

三渓園本牧埠頭

山本周五郎 旅館間門園

根岸の丘の上

成瀬巳喜男『ひき逃げ』(1966)

堀割川疎開道路

・芦名橋公園 アテネ劇場 美空ひばり 磯子花街

屏風浦〜岡村

失われた梅林と劇場

◆第7章 鎌倉街道・金沢をあるく

日本橋花街

朝鮮人虐殺の犠牲者を弔う

・寶生寺 李誠七

乞食谷戸

・眞葛焼

蒔田・井土ケ谷周辺

・笹田照一 林喜一郎 ブルースカイ事件

弘明寺――横浜最古の寺のまち

島尾敏雄『幼年期』

大久保花街と戦没者慰霊堂

刑務所のある風景

能見台――軍需工場のまちからファミリータウンへ

・大日本兵

富岡の戦跡

竹中直人

シーサイド周遊

金沢八景の今昔

◆第8章 横浜駅・みなとみらいをあるく

横浜西口の盛り場

石油と砂利のあとに

・2016年おでん屋台撤去

平沼周辺

鶴屋橋周辺

東口地下街と出島地区

万里橋〜高島町

・裏横浜
・大きな道路と街の動線の問題。

みなとみらいの「過去」

・横浜船渠→三菱重工業横浜船渠
・1989横浜博覧会(YES'89)

永遠に未完成のまち

新港地区

・新港埠頭1942年横浜港ドイツ軍艦爆発事件

◆第9章 神奈川をあるく

港湾労働者の海とマンハッタン

浅野総一郎
・宿場そば「マンハッタン」チーズカレー南蛮

ポートサイド地区

変わりゆく市場の風景

コットンハーバーと浅野ドック

行きどまりのバー

村雨橋 1972年ベトナム戦争反対戦車闘争
・バー・スターダストとポールスター

高島山

消えた反町の「遊び場」

反町公園『踊る竜宮城』

三ツ沢の慰霊塔

子安・大口――まちにのこる戦時の面影

浦島太郎伝説

子安浜

◆第10章 鶴見をあるく

總持寺花月園

・第2次大戦中には、寺に隣接して東京警備軍横浜警備隊の兵舎が置かれていた。敗戦の直前、佐々木武雄陸軍予備役大尉は母校である横浜高等工業学校の生徒たちを動員して国民神風隊を結成し、首相官邸鈴木貫太郎首相の私邸を襲撃した。
・「西の宝塚、東の花月園」 葉山三千子

獅子ケ谷〜三ツ池公園

豊岡・佃野周辺

・西田書店 新藤兼人『どぶ』(1954)

鶴見三業地

鶴見騒擾事件朝鮮人虐殺への抵抗

・鶴見分署署長大川常吉 朝鮮人を暴徒から匿う

沖縄人コミュニティと青線地帯

森崎東『野良犬』(1973)

米軍の貯油施設

国道駅〜生麦

◆第11章 港北をあるく

日吉にみる「横浜vs川崎」の歴史

大倉山〜菊名

金子修介1999年の夏休み』(1988)

岸根公園と戦争の記憶

在日米軍野戦病院

横浜駅

◆第12章 保土ケ谷・戸塚をあるく

あの頃、保土ケ谷の丘の上で

黒澤明姿三四郎』『天国と地獄』

原節子が無名の少女だった頃

金沢道から久保山へ

・石橋大司さん 少年の日に目撃した一市民

保土ケ谷宿

東戸塚駅周辺

戸塚宿

舞岡〜本郷台

夢の跡

深谷通信所跡地2014年にようやく全面返還
・大阪の千日デパートや千日劇場を創設した昭和の興行王松尾國三によって1964年(昭和39年)に開園した横浜ドリームランドは、総工費200億円を投じた「日本のディズニーランド」とし て一時代を築いた。僕のように現在30代から40代くらいの世代は、子どもの頃に親に連れていかれた記憶があるひとも多いだろう。「キイハンター」などTVドラマのロケ地としても頻繁に使用されたため、在りし日の風景がさまざまな映像にのこされている。恩地日出夫監督の青春映画『めぐりあい』(1968年)では、ヒロインの酒井和歌子がドリームランドで働いている設定で、最盛期のにぎわいを確認することができる。また、クレイジーケンバンドのヴォーカリスト横山剣は中学生の頃、ドリームハイツにくらしていたという。
1983年(昭和58年)の東京ディズニーランド開園などを契機に客足が減少し、バブル崩壊後は辺境の地にある昭和の遺物と化して、2002年(平成14年)に閉園した。跡地は横浜薬科大学のキャンパスのほか、俣野公園として整備され、ランドマークだったホテル・エンパイアは、薬科大附属図書館として利用されている。
・相州春日神

◆巻末特別インタビュー 小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)――「混ざりたくなるまち、それがヨコハマだ。」

・戦後なので空き地が多かった
本牧、音楽の街 CHIBOW ブルースハープ
本牧華香亭バンメン

おわりに

★ひとつの場所に何層にも堆積した時間をたどりなおすこと
2023/03/27読了
 
◆感想:面白かった。知っている話と知らない話。
舞台になっている映画の紹介が役に立つ。
能見台、金沢文庫・八景、神奈川、鶴見のあたりは改めて歩いてみたいと思った。
国として斜陽なのでどの街もしょうがない部分はあるが、それでも横浜に健やかな活気とオリジナリティーと好奇心と知性を取り戻したいと思っている。