マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【映画メモ】足立正生監督『REVOLUTION+1』(2022年)

@シネマ・ジャック&ベティ
・山上徹也父 大阪の名門府立天王寺高校→京大工学部→東京に本社のある建設コンサルタント会社の大阪支店→結婚を気に義父の建設会社に転職。トンネル工事の現場監督
・1980年、次男として山上徹也が生まれる
1984年、父がマンションから飛び降りて自ら命を絶つ。
・1985年、6つ下の妹が生まれる。
・1990年ごろ、兄が小児がんを患い、頭蓋骨を開く大手術を行う。抗がん剤治療のため、片目を失う。このころから母親が宗教にハマっていく。
・1991年、奈良市内の中学に入学
・1994年、母親が統一教会に巨額の献金をしていたことが分かる。
・1995年、同市内の高校に進学
・1998年、大学進学を諦め
・2005年、自ら命を絶とうと、ベンジンを服用したが一命を取り留める
・2015年11月、兄が自ら命を絶つ同11月8日、告別式
・2021年9月旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のフロント組織UPF(天宙平和連合)主催の「神統一韓国のためのTHINK TANK 2022希望前進大会」安倍晋三元首相の基調講演(ビデオメッセージ)
・2022年7月8日 銃撃事件
・母親の献金計1億円以上
・母親と家庭を壊した統一教会とその広告塔になっている安倍晋三が憎い
足立正生 パレスチナ解放人民戦線PFLP)→日本赤軍
・1972年5月30日テルアビブ空港乱射事件(リッダ闘争) 赤軍派幹部奥平剛士(当時27歳)、京都大学の学生だった安田安之(当時25歳)、鹿児島大学の学生だった岡本公三(当時25歳)
 
◆要約:家族の不幸につけ込み母親に巨額の献金をさせた統一教会が許せない。そこにビデオメッセージを送って祝福する安倍晋三が許せない。自殺未遂の後、自分の使命について考え抜いた川上は安倍晋三暗殺を決行した。
川上の父とリッダ闘争の実行犯安田安之が京大の麻雀仲間だったことにインスパイアされた足立正生が衝動的に撮った。
◆感想:映画の出来としてはかなりレベルが低いと感じた。シナリオに面白みがない。貧困で苦しむ描写や、統一教会安倍晋三の悪質さを表す描写が少ないので、主人公にあまり感情移入できない。
自分がこの事件を信じていないことも影響していると思う。
自作の散弾銃で警護中の元首相暗殺など成功するわけがないと考える。そして散弾銃の流れ弾が他の誰にも当たらないのことも非常に不可解。
作品の質としてはイマサンだが、議論を呼ぶ映画という意味では作られたことは良かったと思う。
しかし、現在の岸田政権の常軌を逸した暴走ぶりを見ると、いくら要人を暗殺しても、システム自体はなにも変わらないので、世直しには全然ならないのだなあと感じる。