1 この国のゆく道きた道
小熊英二 自明の理の破壊
・『<民主>と<愛国>』=一口に戦争体験、戦後体験といっても、多種多様である
・粉川哲夫の担当編集者
藤原帰一 現実主義ではなくリアリズムを
森達也 戦略的ナイーブで
姜尚中 「どちらでもない」から見えるもの
鈴木謙介 「意味から意味への接続」のなかで
2 格差社会の歩き方
雨宮処凛 人を鼓舞するアーティスト
・ビジュアルも込
赤木智弘 「誇り」と「自尊心」
・「屈辱」「自尊心」
3 00年代カルチャー
岡田暁生 音楽のメタ批評家
菊地成孔 大衆音楽の過去・現在・未来
・『CDは株券ではない』
田中和生 高度資本主義下の純文学は
縄田一男 時代小説は「こうであってほしかった過去」
・時代小説は変わってほしくない価値観を書く=保守的
山下裕二 日本美術がヤバイわけ
ササキバラ・ゴウ おたく国策化には都合の悪いこと
本田透 萌えは反恋愛資本主義か?
・インセルの初期形態
・自虐的
・恋愛資本主義=恋愛至上主義
・モテと非モテの格差拡大 恋愛ネオリベラリズム
・恋愛から疎外されている→脱落したものは虚構を求めるしかない→アイドル・二次元
荷宮和子 強者の論理に言いくるめられないために
4 ライフスタイル
ドン小西 「新しい」=「正解」か?
遠山周平 日本人は洋服をどうすればいいのか
赤城耕 カメラから写真を語る
山口淳 バブル以後のモノ語り
松田忠徳 温泉の分節化
犬養裕美子 客と店との幸福度
・六本木ヒルズのレストランの値付け問題
単行本あとがき
要約・感想
5/26読了。
◆感想:さくっと読めた。前作同様、批評家・文化人のことを広く浅く知れる。
赤木智弘の章がかなり辛辣なのが驚いた。赤木の「屈辱」や「劣等感」が永江はわからないとのこと。このことに世代差を感じた。
おなじアルバイトだとしても、80年代と00年代では意味が全く違う。右肩上がりの時代と右肩下がりの時代。社会が明るかった時代と、未来に希望がない時代。結局この人はセゾン系、宝島系の根本は一切変わらないのだなと思った。
あとは野口旭の章でこの時期の「リフレ派」に対するスタンスが書かれているのが興味深い。やってみるまではどちらが正しいかわからなかった。ちゃんとケインズ政策をやればリフレ派にも理はあるのかもと思っていた人も多い。しかし各学者の人間性をみれば、やる前から答えは出ていた。
あとは、この時期に一番期待されていたのが宇野常寛だとわかる。