マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【映画メモ】『ニッポン無責任時代』『クレージー黄金作戦』『無法松の一生』


@国立映画アーカイブ

古澤憲吾監督『ニッポン無責任時代』(1962年)

労働組合
・お座敷接待、ゴルフ接待
・ビールとピーナツ

坪島孝監督『クレージー黄金作戦』(1967年)

屎尿投棄船

稲垣浩監督『無法松の一生』(1958年)

・福岡県小倉 人力俥夫
・青島陥落を祝う提灯行列
・小倉祇園太鼓
・陸軍大尉が芥川比呂志

◆感想:
古澤憲吾監督『ニッポン無責任時代』(1962年)
明るい。ビールやお酒の宣伝?
谷啓さんが爆笑問題の田中さんに似てる。
曲を歌うシーンが多くミュージカルのようにもなっている。
サラリーマンは気楽な家業と来たもんだ。ドント節。
坪島孝監督『クレージー黄金作戦』(1967年)
豪華大作。
ハワイ→ロサンゼルス→ラスベガス
ナベプロ黄金時代。ラスベガスのナイトショーの演出が豪華。
園まりがかわいい。浜美枝がモダン。
加山雄三トム・クルーズみたい。
砂漠のシーンが楽しい。ギャングや鉱山の部分は蛇足。
為替がまだ1ドル=360円。だから海外旅行は夢のまた夢だった。
稲垣浩監督『無法松の一生』(1958年)
芝居小屋の升席で煮炊きするのが衝撃。
明治→大正 第一次大戦の頃。
高峰秀子が美人。
シンプルで物悲しい話。身分違い。
日本の風俗であるオリエンタリズムがエキゾチックに映って外国に受けたのだろう。

【映画メモ】『太平洋奇跡の作戦 キスカ』『日本のいちばん長い日』

@国立映画アーカイブ

丸山誠治監督『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(1965年 東宝

・1943年7月29日キスカ島撤退作戦 木村昌福少将 河瀬四郎第五艦隊司令長官 5000人救出
・幌筵(パラムシル)千島列島最北端

岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』(1967年 東宝

東宝8.15シリーズ1作目
ポツダム宣言=1945年(昭和20年)7月26日にイギリス、 アメリカ、中華民国の名において日本に対して発された全13か条から成る宣言。日本への降伏要求の最終宣言。日本は1945年8月14日にこの宣言を受諾。
・黙殺→8月6日には広島市への原子爆弾投下、8月9日ソ連対日参戦、長崎市への原子爆弾投下
・8月10日午前会議 御聖断 “「天皇統治の大権を変更する」要求が含まれていないという了解の下に受諾する”
・「降伏の時より、天皇及び日本国政府の国家統治の権限は降伏条項の実施の為其の必要と認むる処置を執る連合軍最高司令官に従属(subject to)する」としながらも、「日本の政体は日本国民が自由に表明する意思のもとに決定される」
・"subject to"の訳について「制限の下に置かれる」だと解釈する外務省と「隷属する」だと解釈する軍部の間の対立
・8月14日に改めて御前会議を開き、宣言受諾が決定され、同日付で終戦詔勅が発せられた。
・8月15日正午、日本政府は宣言の受諾と降伏決定を国民に発表(玉音放送)。なお、陸海軍に停戦命令が出されたのは8月16日、更に正式に終戦協定及び降伏が調印されたのは9月2日である。宣言受諾とその発表を巡っては国内で混乱が見られ、宣言受諾が決定したという報が入ると、クーデターによって玉音放送を中止させて「本土決戦内閣」を樹立しようという陸軍青年将校の動きがあり、15日未明に一部部隊が皇居の一部や社団法人日本放送協会などを占拠したものの、陸軍首脳部の同意は得られず失敗に終わった(宮城事件)。
・宣言受諾後も、ソ連や中国との間で戦闘が続いた。9月2日、日本政府は米戦艦ミズーリの艦上で降伏文書に調印した。
 
◆感想:両作とも大変面白かった。
太平洋奇跡の作戦 キスカ』。
なぜ太平洋戦争で日本軍に玉砕が連発したのか。1941年に示達された戦陣訓の影響が大きいとされる。「生きて虜囚の辱を受けず」。
1929ジュネーヴ条約の4条約のうちのひとつ「俘虜の待遇に関する条約」に日本は軍部の反対により批准しなかった。
太平洋戦争の日本人捕虜第一号は真珠湾攻撃甲標的に乗って突撃した酒巻和男海軍少尉とのこと。彼は死なずに捕虜となったことで非国民扱いされた。
彼は戦後長く生きて、トヨタのブラジル法人の社長までになったとのこと。敵国の捕虜をちゃんと扱う軍隊は強いし、捕虜をぞんざいに扱う軍紀の乱れている軍隊は弱い。
アッツは玉砕させて、キスカはアリバイなのか、なんなのか救出した。うまくいってよかったが、他の島からしたら不公平だろう。
團伊玖磨の音楽が重厚。
『日本のいちばん長い日』。
橋本忍の脚本と岡本喜八のテンポ感が見事。
笠智衆は日本の大人、あるいは日本の知恵の象徴のように感じる。
山村聡三船敏郎に日本が失った父性を感じる。
玉音放送阿南惟幾の割腹の前の言葉に、敗戦後の日本を憂いながら、この反省を忘れず、懸命に働けば、
きっと日本の復興は成るという言葉がある。
あれから80年。日本の復興は結局成ったのか、成らなかったのか、成ったけどまた没落したのか?
自分も戦争に対する無知を反省し、もっと調べなくてはいけないと思った。
しかしこのような映画が60年代に撮られて、60年経ったいま、
映画会社の力量という面でも、文化・学術レベルの後退という面でも、暗愚な政治状況の面でも
このスケールの映画はもう出来ないような残念さがある。
草の根で、一人ひとりがもっと頑張らないとなと思った。

【映画メモ】『MONOS 猿と呼ばれし者たち』『MEMORIA メモリア』

@池袋新文芸坐

アレハンドロ・ランデス監督『MONOS 猿と呼ばれし者たち』(2019年)

・ゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FARC)50年続いた内戦 2016年和平合意
・人質の身代金がビジネス あとは麻薬
メッセンジャー役本物
ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』、ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』にから着想
・南米のマジックリアリズム 嘘のような本当の話

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『MEMORIA メモリア』(2021年)

ボゴタ、カリ、メデジン、ピハーオ トンネル建設工事
・頭内爆発音症候群 内なる憂鬱
 
◆感想:
『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
前半の高原のシーンの映像がとにかく綺麗。幻想的でスタイリッシュなロケーション。
ファッションもスタイリッシュで、おしゃれな映画。
音楽もリアルで変わってる。
人質ビジネスは酷い。大義のために方法は問わないとやると、その革命(戦い)は絶対に成功しない。と思う。
映像はすごく綺麗だが、訴えたいことはいまいちぶれてるのかなと思った。
地獄の黙示録』級の衝撃というコピーは言い過ぎ。悲惨さがあまり伝わらなかった。
MEMORIA メモリア』
ボゴダの町並みが綺麗。大学や図書館が先進的。
映像が芸術的。最初の駐車場のシーンが良かった。ちょっとした公園で瓶ビールを飲んでいるシーンが良かった。
話の内容は高尚すぎてわからなかった。
過去の声、音が石などの物質に染み込んでいるということ。
トンネル工事の人骨や、過去の声にもっと耳を傾けること。内省すること。
コロンビアの2本の映画だが、コロンビアのことサッカー選手しか知らなかったので良い知識になった。

【授業メモ】放送大学 滝浦真人先生「日本語リテラシー(’21)」2

目次

第08回 書くスキル① : 説明文を書く

1.感想文・意見文と報告文・説明文

・感想文 読書や体験で感じたこと 主観的文章
意見文 ある問題についての意見
報告文 出来事についての5W1H 客観的文章
説明文 ある事柄が何であるのか
・事実/意見
事実→証拠を挙げて裏付けすることのできるもの
意見→何事かについてある人が下す判断
・事実と意見を区別することに慣れる
・説明文→ふるさと説明 盛岡 wikipediaなど百科事典の書き方 情報
・どういう事実(情報)を集めてくるかには恣意が入る 盛岡 食べ物か政治家か
・どの情報を入れるかは、文章の目的に照らす

第09回 書くスキル② : 文体と論理

1.起承転結の文章

・起承転結=4コマ漫画
・逆三角形型の文章→大づかみの理解からはじめて段々細かな争点へ入っていく
・三角形型→まず結論から書く
・論文→序論、本論、結論 これはいまいち → 起承論結 転を無くして一直線
・序論、結論は、はじがき、あとがきではない
・土器=料理の鍋

第10回 考えるスキル② : 言えることと言えないこと

1.知っておきたい論理の話

①命題=~ならば~である 例:人間ならいつか死ぬ ○
②人間でないならいつまでも死なない ✕ 裏命題
③いつか死ぬなら人間だ ✕ 逆命題
④いつまでも死なないなら人間ではない ○ 対偶 逆にして裏にする
・逆必ずしも真ならず

3.推論のエンジン――三段論法

ソクラテスは人間である 人間は必ず死ぬ ∴ソクラテスは必ず死ぬ

第11回 考えるスキル③ : 考えを導く方法

1.推論のタイプ

2.帰納ボトムアップの現実主義者―

・経験則 個別から一般へ 
・自然観察から規則性、法則性を導き出す
・注意点:正しさは証明できない → ブラックスワン理論 早まった一般化&「不適切なサンプリング」の危険  

3.演繹―トップダウンの合理主義者―

・一般から個別へ 数学の公式など
・注意点:一点突破の誤謬の危険 ネットのニセ情報など 

4.アブダクション(推理)―想像力と仮説で推理する―

・日常でも普通に推理、推測する

第12回 レポートを書く① : 論点の整理まで

1.初めが肝心[テーマとタイトル]

レポート=自分で立てた問に自分で答えを出すこと
・レポートを書くプロセス
課題が与えられる

テーマを決め具体的なタイトルを考える

知りたい・考えたいこと (問題意識)

気になる点 (観点の整理)どういう角度から

調べる (調査・先行研究)
 新聞の記事などを調べる →図書館機能
 これまでの研究・文献を調べる →図書館機能
 自分で材料(データ)を集める

考える (考察)

まとめ (結論)
・レポート=✕感想文・意見文 ○説明文 主観的であるよりは客観的


・たかがタイトル、されどタイトル とにかく具体的に

・タイトル→問題意識→観点

第13回 レポートを書く② : 調べる・考察する

1.何を調べるか―図書館機能を活用しながら―

・他人の頭を借りる ほとんどのことはすでに調べられている
放送大学付属図書館のサイト リモートアクセス
・聞蔵=新聞検索 cinii=学術論文

第14回 実践のスキル : 自己添削の方法

・同じ助詞の連続をなるべく避ける
・だが→であり
・1つの文に4つの内容が入っている 文が長過ぎる
・なるべくわかりやすくシンプルにする
・非情に とか言う必要ない
・文の始まりと終わりの呼応を確認する
・軽い感じで書く
1.文の意味に関するチェックポイント
a.長すぎる文に用心 考えを切り分けること いくつの事柄が入っているか
b.多義表現は解消を 
2.文の形に関するチェックポイント
c.1文に「は」は1つ
d.同じ助詞が続かないように
e.その「が」は逆接?
f.ねじれ文に注意 書き出しがあれば、必ず結びも決まってくる 「は」→「である」
g.「もの」「こと」を使いすぎない 
h.「のである」は重すぎるのである
3.言葉の使い方に関するチェックポイント
i.支持語に頼りすぎない 「これ」「それ」
j.話し言葉そのままを書かない 
k.副詞で強調しない、形容詞でごまかさない 「非情に」 中身そのものを書く
l.傍点は何のために?

第15回 これからも、日本語を書こう

・復習 文章には目的がある 事実/意見
・文体 起承転結 は説明文には不向き → 起承論結 




7/21終了

◆感想:

レポートの書き方は為になった。日本語のルールの部分は結局はまだよくわからない。
推薦の参考図書も読んでみたい。