マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

メディアが作り出す「現実」

クロスオーナーシップ 国境なき記者団 報道の自由度59位
1.社会学における「現実reality」論
人間を取り巻く世界の無限の多様性
「われわれは、ある視点から「現実」を切り取り、それを「意味付ける」ことで世界を把握する」
「人が状況をリアルと定義すれば、結果としてもリアルである」
定義がリアルを作りだす。「状況の定義」ウィリアム・タマス
事故成就的予言(ロバート・キング・マートン
↔意図せざる結果 イタリア家賃据え置き法→失敗 空き家占拠
「現実の社会的構築」ピーター・L・バーガー
構築主義vs本質主義
メディアは現実を構築している。
 
1.メディア論の古典的研究 擬似環境論
「それぞれの人間は、直接えた確かな知識に基づいてではなく、自分で作り上げたイメージ、もしくは与えられたイメージに基づいて物事を行っている」ウォルター・リップマン「世論」
人間ー擬似環境ー現実環境
擬似環境とステレオタイプ
「われわれはたいていの場合、見てから定義しないで、定義してから見る」
プラス面 現実の環境への適応のための手引き(つまり必要)
マイナス面 単純化、歪曲化、画一化された偏見の源泉
擬似環境の提供者としてのマスメディア
「ニュースと真実とは、同一物ではなく、はっきりと区別されなければならない」「新聞はサーチライトのようなもので、休みなしに動き回りながら、暗闇のなかに一つ、また一つとエピソードを浮かび上がらせる」
輿論と世論 よろんとせろん public opinionとpopular sentiments(大衆の情緒的な気分)
sentimentsを作るメディアの力
 
2.メディア理論の発展 プロパガンダ研究の登場
メディアの生み出す説得効果 メディアの効果はきわめて強力
皮下注射論、弾丸理論、強力効果理論
H.D.ラスウエル(1902-78)
政治学者、政治とシンボルについての議論、丸山真男に影響
ラスウエルの公式(1948)メディア分析の基本視角
誰が(送り手)、何を(メッセージ)、どの回路で(メディア)、誰に(受けて)どのような効果をもって(効果)
オレオレ詐欺 チェックせず
 
3.オーソンウエルズ 1938「宇宙戦争
ラジオ放送が生み出した「現実」
本当だと思った人たち約100万人がパニックに/時代背景の問題
追跡効果 受け手の4つのタイプ
内在的チェックに成功 23% ドラマだ
外在的チェックに成功 18% 他のチャンネル
外在的チェックに失敗 27%
チェックせず     32%
背景にある時代状況 大恐慌と戦争前夜の社会不安のなかで
 
4.限定効果論へ
エリフ・カッツとポール・フェリックス・ラザースフェルト コミュニケーションの二段の流れ。
オピニオンリーダーを経由する。
1970年代 テレビの出現でまた違ってくる。