マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

池田信夫

池田信夫ってそんなに変なことばかり言ってるか?
僕もこの人の意見に共感。
いわゆるリフレ派にとって池田先生は目の上のたんこぶであることから、攻撃されていると考えられる。
おそらくリフレ派は様々な利権と結びついていて、それは、金融業界、公共事業に依存した業界、輸出産業などが考えられる。池田先生もおっしゃるように、過剰な通貨供給のコストはゼロではないことが今回の金融危機でもはっきり証明された。とにかく、景気回復にとって一番大事なのは民間のイノベーションであり、あたかも金融政策のみで景気回復が達成されると主張する人たちは信用できない。


http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/201b24a6fc9908f3b07628cd62d7c535

当時はいろいろ愚劣な議論があって、「バーナンキ=野口の背理法」というのもあった。これは日銀が通貨供給を無限に増やせば(メカニズムは不明だが)いずれインフレになるはずだという無責任な話で、過剰な通貨供給のコストはゼロだと想定している。それに近いことを実際にやったのが2003年のテイラー=溝口介入だが、結果的には円キャリー取引アメリカの住宅バブルを促進し、円安で輸出産業に所得を移転して輸出バブルの原因になった。異常な金融政策のコストはゼロではないのだ。テイラーも、今回はリフレを否定している。

金融政策は、本質的な改革までの時間稼ぎにすぎない。リフレ派は金融政策でごまかしていれば経済は自然治癒すると思っているのかもしれないが、そんなことは絶対に起こらない。そもそも彼らの使っている古い「どマクロ理論」には長期の変数が入っていないので、長期については何もいえない。金融政策は短期の補助的な政策で、長期の成長率を変えることはできないというのは、世界の中央銀行のコンセンサスである。

だからテイラーもいうように、まず経済をどう立て直すのかという長期戦略を設定することが重要だ。アメリカの場合は金融システムの再建、日本の場合は資本・労働市場の改革で国内産業の効率を高めることが長期目標だろう。短期の政策はそれと時間整合的でなければならないというのが最近の経済政策の考え方で、行き当たりばったりのバラマキ財政や資金需要を超えた異常な超緩和政策は、また意図せざる副作用をもたらすおそれが強い。