マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

システムとしての社会

イトウ先生。
システムとは?
「個々の構成要素が、一定の様式のもとで、相互依存・相互作用することによって成り立ったひとつのまとまり」
・メカニカルなシステム
・生物有機体システム
・社会というシステム
 
1.社会システム論の誕生
V・パレート
・論理的行為 合理的人間像
・非論理的行為 言語化されないもの、エネルギー
理念と行為は隔たる。
a.残基 人間の恒常的で本質的な部分
6つの残基
1.結合の残基 おまじない、異なるものの結合→創造・革新
2.集合体の持続 人間関係、新年のこだわり→保守的・持続的
3.外的行為による感情表出
4.社会性の欲求
5.個人とその所有物の保全
6.性的残基
b.派生 残基が表現されたもの
1断言 2権威 3感情もしくは原理との一致 4言葉による説明
c.利害関心
d.社会的非同質性と周流
・エリート論
・歴史の進歩モデルの否定(歴史の周流)
→現実主義←→理想的近代民主主義批判
エリート/非エリート
cf.モスカ、ミケルス エリート統治の不可避性
エリートの周流理論
キツネ型エリート 官僚 腐敗しやすい
ライオン型エリート 英雄 息苦しい
循環する
 
2.社会システム論の発展
T・パーソンズの理論
ウェーバー(社会的行為の理論)/デュルケーム(機能分析)/パレート(社会システム)などの理論に生物学のホメオスタシス(恒常性維持機能)などの視点をふまえて、きわめて体系的な社会理論を構想
秩序の問題
ダブルコンテインジェンシー(二重の相互依存性)
相互に共有された規範的文化(役割、社会構造)
>>お互い相手の望むように振る舞う。空気。<<
社会システムの構造(安定的で恒常的な仕組み)分析
社会システムの機能(構造に対する可変的な要素)分析
4つの機能
AGIL図式の成立
A 適応:状況の統制と手段の提供
G 目標達成:充足されるべき目標の設定
I 統合:諸ユニットの調整・統制
L 潜在的パターンの維持:AGIに意味付与
 

 
70年代の批判
・秩序を前提とする、保守的な理論
・抽象度が高すぎて現実の社会分析には適用困難
グランド・セオリー批判
ミクロな方向、日常生活への視点
社会学社会学(反省)
 
4.システムをめぐる論争 ルーマンハーバーマス
ハーバーマス
生活世界(コミュニケーションを通じた意味世界)
システム(目的-手段関係の合理性に依拠)
システムによる生活世界の植民地化 >>内田樹<<
ルーマン
初期ルーマン 世界の複雑性の縮減、意味の縮減
後期ルーマン システムの自己組織性 オートポイエシス(自己創成的)システムの理論
 
5.グローバル化世界システム理論
ウオーラステイン
近代化理論→従属理論(南北格差)
中核地域によるヘゲモニー(相互関連のなかでの支配の構造)
ヘゲモニーを発揮する中核地域の歴史的な移り変わり→世界史