マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

お笑いファンとして

ひげダンスで、両脇に水槽で、サーベルキャッチする度に、ハンカチをもらって、手を拭く。こんな発想誰が浮かぶと思うんですか(山ちゃん風に)?

笑い飯哲夫のガキの使い七変化は、このネタを筆頭に大成功だった。一発目のビニールテープの「入ルナ」から世界に引き込んで、最終的には金額がボブサップにならぶ二位と大健闘した。
そして、そのエンディングでは、さあ次は相方ですよと、西田ですよと、松ちゃんも期待感を隠さず表明していた。

笑い飯が第2回M-1グランプリ決勝に登場したとき、私を含む大部分の視聴者にとっては、その存在は完全なダークホースだった。しかし、彼らのネタを見た多くのお笑いファンは衝撃を受けた。おもむろにブリックを飲んで・・・、こっちもブリックかい!

かつてビートたけし氏がダウンタウンの漫才を評して、「俺たちより笑いのディティールが細かい、俺たちが一つボケる部分で八つのボケを作っている感じ。」と言う旨の発言をしたが、笑い飯の衝撃はまさにこの部分だった。ダウンタウンより「細かい」と。そして、お笑いファンはこう思った、こいつらがネクスダウンタウンなのかと。

あれから6年、笑い飯M-1の優勝こそ無かったが、概ね順調なキャリアを築いている様に見えた。ガキの使いでも、板尾創路村上ショージと並んで、数少ないオープニングを任される存在にもなっていた。そして迎えた、七変化・・・。

率直に言って、今回の西田の七変化には大きく失望した。3回目まで笑い無し、しかし退室した後の笑いは大きかった。こういう感じのスベリ笑いで最後まで通すのかな?それはそれで成功すれば面白いなと思った。しかし4回目で中途半端な笑い。そして、5回目、寿司桶を前に置いて、吉井和哉の歌を普通に上手めに歌う。これで来たと思った。歌詞の内容も程よくシリアスで、歌も丁寧にいい声で歌っていて、これで来たと思った。松ちゃんも、山ちゃんも期待して笑っている。しかし、小籔千豊の「プリン」を歌ったときと同じく、途中から歌のテンポが大きくずれてしまって、歌の魅力が消えてしまった。そして、最後にお寿司を食べてしまった。これで完全に冷めてしまった。それからは6回目、7回目とも何も無し。

これでネクスダウンタウンの座は振り出しに戻ったと思う。例えば単純にブラマヨはすっごく面白いのだから。

別に私はダウンタウン至上主義でもないし、メインストリーム至上主義でもない。それぞれの芸人にそれぞれの面白さがあって、それがお笑いの世界を豊かにしていると思う。しかし、「誰が一番面白いのか?」という主題はいつの時代も無くならないものだと思う。いみじくもケンドーコバヤシが松ちゃんを評して言った「神がいる時代っていうのは本当にいいもんですよ」という言葉。神とはいかなくとも、次の時代の王者はだれなのだろうか?