マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【読書メモ】団鬼六『真剣師小池重明』 (幻冬舎アウトロー文庫 1997年)

享年44才。
天才とは妄信でも何でもなく、自分の才能をギリギリまで信じ切っている人間
プロとアマの差。命を張る覚悟でやる。
野暮で暮らすも一生、粋で暮らすも一生
キャバレーの友美に「入れ揚げる」
あばずれ
死は生の証明であり、その人間の完成なのだ
今の自分は完全に蹉跌している。生活に頽廃をきたしている。
新宿リスボン 天狗茶屋
藤森奈津子 長沢千和
規律正しく生活の軌道に乗って行動し、積極的な現世主義者になりきれる人間だと小池は思うのだ。
ラジオ会館 七条兼三「お前のように年中貧乏していながら、ニタニタ笑っていられるような奴は、馬鹿であり、また人徳者ともいえる。」
こういう労働のあとの飯の旨さ。>>追浜のシート工場<<
土工2年
ここは人間の魂が日一日と蝕まれて人間的な情念が喪失し、肉体だけの人間に成り果ててしまう社会なのだ。
松田茂行
田尻隆司
鈴木英春
一乗寺下がり松
富岡英作 伊豆大島
伊藤能
天野宗歩
塚田泰明 中村修
天野高志
「私が後年、小池とつき合うようになって、この男にふと関心を持つようになったのは小池の持つ悪徳性というか、邪悪性というか、また、彼の野獣性にしても、これが人間の本然の姿ではないかと或る種の羨望を感じる事があったからだ。小池のように足の向くまま気の向くまま、この世を生きた男は珍しい。実は人間、誰しも小池のように好き勝手に生きたい願望を潜在的には持っているのだが、それが出来ないもどかしさを世間体やら理性やら良識といったものを全面に押し出して分別顔して我慢している。」
1995年刊行