マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

「きみがモテれば、社会は変わる。」宮台真司

きみがモテれば、社会は変わる。 (よりみちパン!セ)

きみがモテれば、社会は変わる。 (よりみちパン!セ)

自殺者3万人
幸福度75-90位
労働時間、欧州+200時間
「この国が経済を回すために、個人をとことんまで働かせ、その幸せをけずり取っているという姿です。そして、そこでは、個人の幸せを支えるべき「社会」という存在が徹底的に犠牲にされてきたのでした。」
ボランティアやNPOを通じての社会参加
孤独死、無縁死
「金の切れ目が縁の切れ目」
「ポッカリと大きな穴があいてしまったクソ社会。それが、ものすごい勢いで人々の幸福と生命を飲み込んでいるのが、この日本というわけです。」
社会の空洞化
経済を回すために、日本は長い間にわたって社会をとことん犠牲にしてきました。
いったん不況になったとたん、大穴がバレバレに。
人間関係が簡単に失われる。
そして、誰とも、どこにもつながれずにいると、人は驚くほどあっさり死んでしまうのです。
はっきり言えば、日本は最低の社会になっているわけです。
たとえ経済が回っていても、人は幸せではない。
今のように経済が悪くなればもう、どん底です。
公共事業
人々をとことん政府に<依存>させる社会の土台。アメリカに思考停止的に依存する。
小泉純一郎→再配分をやめる。労働者派遣法。
スローフードスローライフ
カナダのメディア・リテラシー運動
アンチウォルマート運動
x「経済さえ回復すれば大丈夫、すべてなんとかなる」→グローバル化の上で「とっくに終わっている」
○「社会を回すためにどうすればいいのかの工夫が必要だ」
 
世界レベルで見て、日本ほど、便利で快適な国はないでしょう。
←→任せてブーたれる社会。街頭インタビューで文句を言うバカ。←→引き受けて考える社会。<依存>→共同体の崩壊
1977年「隣人訴訟」→校舎の屋上はロックアウト
 
「そもそも原発は、コスト的にも、リスク的にも、環境的にも、まったく何の合理性もないもの」
社会=「ひとりひとりの思惑を越えた不透明な全体性」
日本の社会には「世の中の抗いがたい空気に逆らうな」
という、目に見えない力=<同調圧力>がいたるところに働いています。
「郷に入りては、郷に従え」=「旅の恥はかき捨て」では駄目、「自分の信念を貫く」
自分たちの仲間や身内のまなざし以外は、まったく気にしないということになります。
空気に抗えない、悪い心の習慣(エートス)←→悪い共同体
果てしなく再生産する。
旧住民 新参者を受け入れない
vs
新住民 便利と快適ばかり追求して、そこで暮らしていくために必要な負担を負おうとしない。<絆コスト>
 
「人は、彼女がいるから、モテるから、幸せになれるというより、幸せなヤツは自然にモテるし、彼女なんかほっておいても出来てしまうんですね」
「人が本当に幸せになるには、親以外の「他者からの承認」が何よりも欠かせません」
「自分を承認してくれる「他者」とは、じつは「自分でつくり出す」しかないのです。ある日、勝手に向こうからやって来てくれるわけではない」
「さて、モテないというのは、どういうことか?他人を幸せにすることができないということです。他人を幸せにできないということは、自分も永久に承認を与えられず、幸せになれないということです」
「そして自分を承認してくれる「他者」をつくり出すためには、何より「他人を幸せにすることができる」ことが必要なのです」
「頭がいい、親や周囲のウケもいい。その程度で幸せになれると思っているとしたら、それはすでにアウトです」
「これからの社会で幸せになろうとするにはただひとつ、「他人を、幸せにできるかどうか」にかかっています」
「それこそが、はてしなく続くこのクソ社会を生き抜き、自分自身もはっきりとした手ごたえをもって、幸せになれるということなんです」
「これを言いかえれば、<利他性>のあるヤツがモテるヤツということです。女子は男子のルックスやセクシーさ(これはこれで、ツカミの意味はありますが…)、まして「勉強ができる」などということには、恋人としての本当の魅力を感じません。それより何より、「自分を理解してくれる」「一緒にいて楽しい」ということが、モテるための条件になる」
 
「解離化」の理由は過剰流動的になった社会に対し、彼らが適応し過ぎてしまったから。
現代のように、社会が複雑化する一方、人と人の関係は、交換可能な部品のようになり、「関係性の唯一性」を主張しにくくなります。簡単に言うと、社会の複雑さに合わせ、適応しているうちに、他人との関係で、「相手にとって「この私」でなければならない理由」がどんどん薄まってしまうんです」
「この仕事をやるのは本当は自分じゃなくてもいいんじゃないか?」
「この女性の彼氏は本当は自分じゃなくてもいいんじゃないか?」
過剰流動的な社会では、他人との関係性をつまみ食いするようになる。
自立/依存が善/悪に優先する。<依存>の<善>では意味がない。
ライフスタイルからソーシャルスタイルへ。<価値を訴える人>=advocate アドボケート
何かしらの運動や主張をする人。それらを支持したり、賛同を表明する人々のこと。
日本語にそれに相当する言葉がないのは<価値を訴える人>が滅多にいないことに関係しているのでしょう。
>>ヒップ革命<<
「感染的模倣(ミメーシス)」
もうけたいなら、「いいこと」しないとムリ。
街、場所すら入替え可能になっている。
ベアード・キャリコット「人を主体にするな、主体は人ではなく場所だ」
>>今熊野の歴史<<
ヨーロッパ 「コミュニティ主義」ロベスピエールのギロチン政治←自由への疑い
アメリカ 政府は自由の実現に不可欠とする「リベラル」、個人の内発性を支えとするものだけが自由だとする「リバタリアン」自由で対等な人間関係とそのネットワークを重視する「アソシエーション主義」
ヴァーチュー、リスペクトそしてミメーシスへ
アリストテレス
「徳=内から沸き上がる力」は,人々の尊敬・尊重(リスペクト)を集め、周囲に感染的な模倣(ミメーシス)の輪を広げます。
あさましいヤツは、絶対にモテません。どんな人間にもつながれるヤツ、ネットワークを通じて人を幸せにできるヤツ。「他人も自分も幸せになる」ために不可欠な力をもとヤツだけ。
経験値
そこを勘違いするような人間は、軽蔑や、(せいぜい)嫉妬の対象にはなっても、リスペクトの対象にはならない。
「リスペクトの対象にならない人間は、自分は淘汰する側のつもりでも、結局は淘汰され、ひとりさびしく死んでいくだけです」
「自分は生きていてもいいんだ」
利他的である人間だけが、みずからもまた幸せになれる。
 
「何が一番いやですか?」
沈みかけた船の中で座席争いをし、座席争いの勝利を達成だと思う人。