マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

小野登志郎『ドリーム・キャンパス スーパーフリーの帝国』太田出版

2004年8月出版

目次
序 高田の馬場の片隅から
1 六本木大学
六本木大学の出来るまで
年々縮小していく大学サークル
スーパーフリー20年間の歴史
六本木大学と早稲田祭、その並行する関係
六本木大学と企業の蜜月
六本木大学と「夢の芸能界」
噂される黒幕の存在
和田の好きだった『信長の野望
ウイングマン』と和田の願望
2 手口
周到に仕組まれた花火大会
事務所内での恐怖
「和む」加害者たち
強姦の後始末
3 残党
スーパーフリーで「変わった」男
「まあ、大学生の『風物詩』だし」
強姦を誇ったジャンボの日記
地方支部の実態
疑惑の北海道支部
残党サークル「G」の動き
「G」の2次会
4 ギャルズ
スーフリギャルズとは
強姦を幇助する女たち
スーパーフリーを愛した女性
「被害者」と「加害者」
判決の日
5 “和田サン”
「カリスマ」の中学・高校時代
すれ違う親子――和田と父親
大学から拘置所
和田真一郎公判記録
和田真一郎公判記録2
和田が愛した女性?
6 早稲田大学
「フツーの学生たち」の反応
距離をとる教職員たち
うろたえる大学
スーパーフリーの顧問教授
教職員のみに配布された資料
スーフリナンバー2を表彰していた早大
大学はどこに行く
あとがき

 

序 高田の馬場の片隅から

・多くのチラシ、フライヤー群
・みなさん、これからもすーふりのパーティーに来て、「素敵な出会い」と「楽しい思い出」をゲットしてください。
・「最高の盛り上がりと素敵な出会いを楽しめる、普通の大学生のための健全な社交場」
和田真一郎を育てた先輩もいる。
・自分の2-4こ下80-82年生まれが中心

1 六本木大学

・2003年六本木ロアビル12階甘太郎→11階新赤坂クリニック前 見張り
・罰ゲーム スペシャルサワー
・小林潤一郎
・連赤やオウムと同じく、スーフリは時代を象徴するワカモノのエネルギーの1つの(最悪の形の)表出であり、”何もなかった”90年代から2000年代初頭の学生たちによる”蠢き”だったのではないか。
ヴェルファーレ「六本木大学」
・「充実した楽しい大学生活を送るための、新しいもう一つの大学」→「ドリームキャンパス」
・90年代後半、「大学解体」のなれの果てに、和田と僕は立っていた。方向性はまったく異なるが、僕も和田らと同じく、同時期に「大学」をめぐってドン・キホーテの役割を演じたことに違いはない。
・早稲田えぞ菊味噌ラーメン
・ギャル、ギャル男
・2001年サークル棟撤去
早大のサークル情報誌『ワセクラ』
・1994 和田入学 ヴェルファーレオープン
・1996 初の単独ヴェルファーレ
・初代代表 大阪出身 記念写真 懇親ツアー 学生ビジネス
・「無理ウチ」「和みウチ」
・プール・ビット・ボーイズ ワンギャル
・『サバイバルダンス』『ホワイトラブ』
・『東京スーフリニュース』ストリート
・『学校へ行こう
安西ひろこ
早稲田祭 97年度より中止 革マル派の資金源つぶし →「六本木大学」
・和田『プロ学生』
・支出:ヴェルファーレ貸し切り 180万 パンフ、DJ、音響、雑費計300万
・収入:入場料+ドリンク 4000円x1000=400万 + 企業からの協賛、広告代200万
・スタッフには1500円でチケットを卸す→スタッフの儲け
スーパーフリーだけに限らないが、大手広告代理店には多くのイベントサークルOBがいる。彼らは後輩のイベントに、自分が現在担当している企業に口をきいて協賛を出させたりして、後輩からキックバックをもらっているという。
・キャンパスサミット
・学生ローンで借りてチケットをさばく
・2001年に有限会社化
・「取引先、イベント会場との信頼関係のため、法人格を有する方が有利と考えました。将来的にはイベント企画を私の職業にしたいと思っていました」
山一證券倒産 企業神話崩壊の象徴ともいえる光景を見せつけられ、「ベンチャー」や「起業」といった言葉に若い学生がむやみに煽られた。多くの泡沫ベンチャー、望外な野心を持ったニセモノが、大量生産され始めたのは、この頃からだった。
・六本木戦前は軍事施設の街
・戦後、アメリカ軍が進駐し、赤坂、麻布一帯は接収された。そしてアメリカ兵向けのバーやカフェ、ナイトクラブ、ホテル、レストランなどが増え、洋風の街並みが形成されたという。さらに俳優座が開場し、テレビ朝日が開局したことなどにより、撮影スタジオ、プロダクションなどが増え、多くの芸能関係者たちが集まるようになった。それまで六本木は、赤坂、青山、麻布に比べて比較的開発が遅れていたようだが、かえってそれが新しい文化をいち早く吸収できる好条件となり、またたく間に時代の先端をいく国際都市へと発展を遂げていくことになる。六本木ヒルズは、その集大成ともいえるかもしれない(しかし、昔を知る者にとっては、六本木には「もはや何もない」となるらしい。難しいものだ)。
・高級クラブのホステスらが店が終わった午前2時くらいから遊ぶ(飲み直す)街
ヴェルファーレ 新庄剛志 メジャー行き記者会見
・ジャンボS、マサーシー
・芸能界と繋がりがあるという噂 それを利用する
・「和田のスーフリがあそこまで大きくなれたのは、ヴェルファーレを借りることができたということに尽きるでしょう。和田は、レコード会社の幹部に女の子を提供する代わりに、その系列の大バコ、ヴェルファーレを優先的に借りることができた、と」
・和田95、96年頃ヴェルファーレの黒服として働く ヴェルファーレ関係者には頭があがらない
・三瓶、安西ひろこ、男同士、江頭2:50
スーパーフリーは、きらびやかな芸能界という世界の、最下層に位置する無数のグループの1つとしてもまた存在していいた
・都内の大規模なクラブの多くの予約利権は、ハコ屋と呼ばれる一握りのイベントサークルOBたちが握っている。
スーフリバックのハコ屋、不動産会社社員 半グレ
・「弱肉弱食」
・「大学デビュー」組の集まり

2 手口

・2002年8月 神宮外苑花火大会
・「スペシャルサワー」 96度のスピリタスを普通のサワーに混ぜる
・公判では、このスペシャルサワーを発案した人物が誰なのかをめぐって、メンバー間で責任のなすりつけ合いが行われた
ダイヤモンド社『大学図鑑!2004』
・「有名大学」というブランド
・警察に通報したら殺されるんじゃないかという恐怖

3 残党

・小平義雄事件
・強姦は精神の殺人
・ジャンボS リーマン・ブラザーズ証券 03年の衆議院選挙時にとある政治家の選挙運動を手伝っていたとも
ヴェルファーレ 折口雅博 ジュリアナ東京

4 ギャルズ

スーフリスタッフとホストとの類似性
・『蛇にピアス

5 “和田サン”

・新潟小6→三鷹市川崎市麻生区
・父親建設会社社長 超職人肌 体育会系 スパルタ教育
ニュータウン
・昔気質の頑固一徹な父親と、テレビで繰り返し放送された得意満面の笑顔でパラパラを踊る真一郎のニヤけた笑顔。近代をすっ飛ばした、前近代とポストモダンの不幸な対立を見るようだ。
・東京拘置所
・「『4月はウテる』とは言いましたが、『マワせる』とは言っていません」
・91歳の女性弁護士
・『デッドマン・ウォーキング

6 早稲田大学

スーパーフリーの面々にとって、早稲田大学は、そのブランドを利用するためだけの存在であり、夢の大学などではなかった。ある意味彼らは、彼らなりに大学を”否定”、そして”解体”した。
辺見庸
・岸本英之 慶応在学中にイベント会社「プレゼンツ」設立 ミス東大コンテストを初開催 株式会社「ジョブマガ」起業
ベンチャー。「カネ万能の価値観と歪んだ選民意識」
・彼らは、「カネさえあれば何でもできる」と「自分たちは何でもやっていい存在なのだ」という意味で”スーパーフリー”を気取っていた。
ベンチャーアントレプレナーと言えばかっこいいが、実際は、大資本の末端を構成する無数の零細企業群でしかない
・美女を起用したサラ金CMの洪水
・大学構内での飲酒の禁止
・「校門の無い大学」
中上健次熊野大学坂本龍一「SCHOOL」
・「ドリームキャンパス六本木大学」を克服できる本当の意味で夢のある大学を構想すること。

あとがき

・コロンバイン高校の銃乱射事件
・空虚の行き着いた先
渡部直己セクハラ
 
7/14読了
要約
スーパーフリー事件の取材。2次会参加者インタビューや裁判傍聴記録。残党サークル潜入取材。大学の問題。
感想
六本木ヴェルファーレの時代、94-03年の、時代の雰囲気の一端が掴めた。エイベックス文化。バブル崩壊後のベンチャーブームに乗り、折口雅博など、カネと女至上主義が伺える。しかし、泥酔させて強姦することが病んでいる。半グレの影も見える。バブル崩壊後の、目標を見失った、ひたすらカネのみの空虚さの極まった時代の空気を少し感じる。