マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【イベントメモ】荒木優太、ベンジャミン・クリッツァー、塩野谷恭輔「左からのキャンセル・カルチャー論」@Asagaya/Loft A

表現の自由との兼ね合い
・やり過ぎ、過激化
・右派も左派も
言論の自由表現の自由
・スチュアート・ミル『自由論』=言論の自由を重視、しかし反論を受け付けること
リチャード・ドーキンススティーブン・ピンカーピーター・シンガー草津町議事件、小山田圭吾、呉座勇一
J・K・ローリングハリー・ポッターの作者)トランスジェンダー差別
・法以前に根本的な表現の自由 どうしても言いたい
・差別>ハラスメント グレーゾーン
・ポリコレ派=グレーゾーンでも批判していくべき、権力構造がそこにあるから
・マイクロ・アグレッション=日常の中にある無意識的な(差別) 何気なくメリー・クリスマスという問題
・ヘレン・プラックローズ、ジェームズ・リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい』 第2のソーカル事件 山形浩生の訳者あとがき炎上 本の中に書いてないことを書いている
森達也放送禁止歌』 当事者は実は批判していない メーカーの自主規制
・理論が物象化する ネタがベタになる
・炎上系 炎上を狙う 釣り 祭り ネットカルチャー
・人を叩く享楽
・ジョナサン・ハイト『傷つきやすいアメリカの大学生たち』集合的沸騰
・方便、政治としてやっている
・フィルターバブル問題 敵対する相手の文章を読まない
五野井郁夫のキャンセルカルチャー論 ボイコット運動 
・「情況」2022年春号 藤崎剛人「キャンセルカルチャーは存在しない」
・スチュアート・ミルの「他者危害原則」 他者に危害を与えない限りは言論の自由は認められる 心理的危害は想定していない
・心の傷、傷ついた問題 研究発表を批判されて泣いてしまう学生
・言葉はどうしても加害性を持つ 責任を引き受けること 言論の自由 反論の自由
・程度問題
・時間意識の無さ 未来はまた価値も変わる
・『フレンチ・コネクション』『007』差別的な表現が修正されている
・オープン・レターという形式が嫌い 晒し上げ 文責がわからない 
・「個人的なことは政治的なことである」→すべてがそうではない。個人の実存もある
冷笑系=ただ自分が使いたい理論を持ち出す
・リベラル・フェミニズム/ラディカル・フェミニズム
・綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』
・当事者ではないことを自覚すること
・法家と儒家 法で統治するか道徳で統治するか
 
◆要約:主にリベラルの側からのキャンセルカルチャーの問題点を洗い出す。集団いじめのような現状、言論の自由表現の自由を潰すようなことは許されない。
◆感想:つまらなかった。でも関心がないイベントに参加した自分が悪い。
イベントに参加する前から結局程度問題だよなと思っていて、イベントの結論もやっぱりそうなったという印象。
キャンセルの行き過ぎはいけないが、差別発言も当然問題があり、ケースバイケースの程度問題。常識の問題。
以上終了。というそれ以上話が膨らまなかった印象。
終始ぼんやりとした議論で、3人、特にイベントを企画した荒木優太氏がいったい何を訴えたかったのかわからなかった。
 
自分の意見としては、行き過ぎな部分は多いけど、社会はいいとこ取りは出来ないのだから、どちらかといえばポリコレが優勢になっている方が良い社会だと思っている。
その中で人間同士の関係性が希薄になっていることは確かだと思うので、その部分をどう取り戻していくかが課題だと思っている。
 
荒木優太氏は自分たちがリベラル派のポリコレの行き過ぎを批判するので、「冷笑系」と捉えられてしまうことを危惧し、否定していたが、自分はやはりそれに類するものだという印象を抱いた。
クリッツァー氏は過去に白饅頭などとレスバトルしていてああいう嫌らしい冷笑系ではないが、自分の印象だとそれ以上の「達観系」というか「虚無系」というか、もっと感情がない感じがする。
彼はブログで酒井隆史や植村邦彦やデヴィッド・グレーバーの著作について、なぜ学術書なのにあんなに情緒的に書くのか意味がわからないと批判しているが、根本的に彼は学問は感情と分離するべき、分離できると考えているのだろう。すごく英米分析哲学的。
自分の考えは全く違っており、自分は怒りとか理想の追求と切り離された思想は無味乾燥で無価値だと思っている。
人間だれしもイデオロギーから逃れられている人は存在せず、「自分は客観、中立的に世の中のことわかっています」という態度を取っている人は自分は信用しない。
クリッツァー氏や同じく晶文社から出している綿野恵太氏にその匂いを感じることが自分が好きになれない理由。
自分は「達観系」よりも、たとえ行き過ぎであっても自分の理想のために戦っているリベラル派やネトウヨの方にまだ共感する。
 
だいぶ批判的に書いてしまったが、3人に悪い印象は特になく、単に自分とは合わないと思っただけ。