マラカスがもし喋ったら

読書メモ、講演メモ中心の自分用記録。

【イベントメモ】「追悼!鈴木邦男生誕百年祭 鈴木邦男とは、日本社会にとって何だったのか?」@Asagaya/Loft A

【出演】
宮台真司社会学者)
森達也(作家・映画監督)
雨宮処凛(作家・活動家)
飛松五男(元兵庫県警刑事)
松本麗華(松本家三女)
篠田博之(『創』編集長)
【司会】
椎野礼仁(編集者)
 
・左/右
主知主義主意主義
神は全能(人間がわからないだけ)/「世界(神)はそもそもデタラメである」
カント、ヘーゲルニーチェハイデガー 初期ギリシアルネサンス
「社会(制度)が良くなれば人間は幸せになる」/ならない 理不尽、不条理、情念
旧左翼 教条主義新左翼マルクス主義実存主義
・親米右翼という奇怪 岡倉天心西郷隆盛 アジア主義
・『腹腹時計と<狼> <狼>恐怖を利用する権力』(1975年)
・右翼とは情念の連鎖 意気に感じる
・1970年3月 よど号ハイジャック事件→1970年11月 三島由紀夫割腹→1974年 東アジア反日武装戦線→1977年 野村秋介経団連襲撃事件 左→右→左→右
・客席よりスピーチ、石坂啓瀬々敬久足立正生、平野悠、学生運動研究横国大ファビアンさん、日韓フリーハグ運動ユン・スヨンさん、救援連絡センター事務局の方
玄洋社 頭山満
 
◆要約:鈴木邦男の思い出、功績。先日亡くなったPANTAについても。
◆感想:豪華ゲスト、客席も豪華で面白かった。
宮台さんと椎野礼仁さんの間で少しだけ論争があった。
宮台さんが主意主義的な気構えを話したあとに、礼仁さんが自分たちはとにかくマルクス主義で、下部構造が上部構造を規定するということを信じて運動してきた。社会(制度、経済)が良くなっても人間は幸せにならないというのは言い過ぎではないか?という問題提起。
これはどちらの言い分もわかると感じた。なんというか、実存主義構造主義の対立ではないけど、
人間の内面を変えることが大事なのか、それを規定している外部要因を変えることが大事なのか、
内面を重視しすぎると自己責任論に絡め取られる。外部要因を重視しすぎると、なにも行動しない責任転嫁の言い訳野郎になってしまう。
今日のゲストの方たちもそれぞれの持ち場で頑張っている方たち。その人にあったやり方で、コツコツやっていく他ないのかなあと自分は思っている。だいぶ自分に甘いスタンスだと自覚しているが。
 
皆さんそれぞれ本当に寂しそうだった。PANTAさん、ぺぺ長谷川さん、立岩真也先生と立て続け。森達也さんが言っていたが、団塊の世代がこれからどんどん亡くなっていく、時代の転換点の時期なのだと感じる。
 
雨宮処凛さんが言っていた、後継者、若手が育っていない問題。特に「親米」ではなく自主独立とレコンキスタ(国土回復運動)を主張する真っ当な右翼の若い論客が出てくるといいなと自分も思う。そういう人は多くは反資本主義的で左翼に行くのだろうけど。
 
皆さん惜別の思いが強く、しみじみとした温かいイベントだった。